↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕が綴る物語  作者: ハルハル
PR
22/50

破章 10 幸せ


「ごめんなさい」

「もういいよ。僕はもう、覚悟が出来た」

 僕は妹が持ってきた弁当を広げながら言った。蓋の裏側には妹の手紙が貼りつけてある。

「まさか、こんな面白すぎる展開になるなんて、夢にも思わなかった」

「君と話をしたこの数日で、間違いなく僕のメンタルは強くなったよ」


 二人で中庭の木陰のベンチに腰掛けていた。昼過ぎの時間。昼休みと言う奴だ。

「昨日は兄がいる手前、その彼女と仲良くしてはいたが、実際は全然嫌だったわけかな。この手紙は私への牽制のジャブとでも言った所かな」

「じゃあ僕は、君に向けられたジャブをもろに食らってしまったわけだ」

 妹よ、その愛は、重すぎる。

「で、一体何の覚悟が出来たって?」

「シスコンとして、生きていく覚悟」

「ああ、その覚悟なら大丈夫だ」

 何が大丈夫なんだ?クラスメイトに埋め込まれた僕のイメージはもはや、書き換えが効かないぞ?

「君が沈んでいる間に私とあずさで、皆の誤解は解いておいたよ」

 ありがとう、春川さん。クラスの代表であるあなたが説明したのなら、みんなもきっと分かってくれただろう。後は有木翠、君が余計なことを言わなければ…。

「…、私は、あずさに『喋らないでね』って言われたから」

 春川さん。少し怖いな。

「そろそろ、お弁当を食べようじゃないか。私も今朝、お弁当を作ってきたんだ」

「じゅ、重箱ですか」

 そんな大きなものをどうやって持ってきたのかと考えてしまう。

「此処で、問題。彼女がお弁当を作ってきました一体何故でしょう。その答えは次の内、どれでしょうか。一、彼氏に毒見をさせる為。二、自分で全て食べる為。三、大好きな彼氏に食べてもらう為」

 先日の王水?入りのお茶を思い出してしまう。一、かな?

「ブッブー。残念でした。正解は三。大好きな彼氏にあーん、をして食べてもらう為」

 その厚焼きたまごはほんのり甘くて、サイコーだった。


 帰りの前のホームルームが終わって、続々と皆が席を立ち始めた。

「おい、帰りにどっか、寄ろうぜ」

「わりぃな。先約が入ってるんだ」

 海人の誘いを断って、僕は君の所へ行く。

「やけに機嫌がいいじゃないか。何かあったのか?」

 君はにやけながら言う。

「恋人って、いい物だな」

 僕はまじまじと思った。有木翠、君が僕の彼女でよかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。