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第一話:とりまあいつはぶん殴る


…目が覚めると俺は知らない床を見ながらうつ伏せになっていた。


…………………??


立ち上がり辺りを見回すと不思議な景色が見える。

目の前に、赤子がいる。


………ん?ん?


白い髪の可愛らしい赤子がいる。

俺の目の前で、こっちを見ながらきょとんとしている


?ん、え、な?


眼の赤い可愛らしい赤子がいる。

アルビノの美少女な赤子がいる。


かわいい…けど…


そういえば、やけにものがくっきり見える。

黒い眼鏡をかけてたはず。


あれ?めがねかけてる??…ん?


眼鏡を探すために下を見下ろす。

服を着ていない。


とりあえずめがねめがね…キャアァァァァァァァァ!!!!


少なくとも俺は知らない家で全裸になる痴呆ではない…と思う。


ちょhっとまてt俺そんなことsしない!?!!


腰を抜かして倒れ込んだ拍子に下半身を見た。 

足がない。


う、うあおああなn、えなんd立、たたったttててた?!!?ちょttまって


つかそれ以前に胴体も透けている。


…………………ほえあ????????(宇宙猫状態)





—―――――スゥー…はぁ…スゥー…ふぅ……深呼吸、深呼吸。とりあえず、思い出そう。落ち着いた、落ち着いた、大丈夫大丈夫だいじょぶだだだいじょうぶ。ふぅ…う、頭が…


≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡


~回想~


《ピッポーピッポー》


てくてくてく

ぽちぽち


《ピッポーピッポー》


てくてくてくてく

ぽちぽちぽち

てくてくてくてk

ぽちぽちぽちぽちぽち


《ピッポーピッ…プアァァァァァァァ》

《キキィィィィィィ》


ドンッ





……は!え?どこ?…あぁ、俺横断歩道のど真ん中でスマホいじってたら轢かれたんだ…バカか


辺りを見回したが、病院には全くもって見えず、俺がいたのは只々白い空間だった。

倒れていた所を立ち上がり、自分の体を見ると、身体が透けている。


霊体、なのかな…?死んだってこと…かぁ。


周りには何もなく、天国にも地獄に見えない。俺は白い空間にたった一人で迷子状態だ。


ホントに何もない?ここにどんだけ長くいるんだ?


恐らく死後の世界、もしかしてここに永遠に…そんな考えがよぎる。

ずっと1人になる可能性を考えると、父さん母さんのことを思い出す。俺が死んだことへの反応を考えて、申し訳なくなる。


泣いてくれるかなぁ…けど死因知ったら笑うんだろうなぁ。…ハハ。


泣きそうになるが、涙は出ない。


ここからどうすんだろ…


「こんにちわ」


俺どうなるんだろ…どんだけ長く…


「こんにちわ?」


嫌だなぁ…


「聞こえてない?マジ?」


5億年ボタンみたいに…いやそれ以上も…


「ワアッッッッッ!!!」


うおあ!?!え?!誰…あらやだイケメン…


頭を上げると、イケメンがいた。どの国系かと言われると、どうとも取れない顔をしているが。


「あぁやっと聞こえた。こんばんは?」


こ、こんばんは…


「私は案内人のŇ〇∬※」


ん?すいませんもう一回お願いできますか?


「案内人の〠¶♮✠✰」


もっとわかんなくなったんですけど…


「まあどうせ聞こえないだろうからどうでもいいんだけどね」


《パチン》

案内人が指を鳴らすと、空から机と2脚の椅子がでて…

《ドゴッ》


いっ…った…くはないんですね。なんで頭上に出したんですか。


「気分」


少し苛ついたが、俺と案内人が席につく。

席に着いた案内人の手には、数枚の紙がまとめられていた。


「ふむふむ、宇(・)野(・)颯(・)華(・)、15才。死因がねぇ、にしても馬鹿な死に方してるよねぇ…ハッハッハ(笑)」


追い打ちをかけられてキレそうになったが今は抑える…

恐らく俺の生前について書いてある資料を案内人は読み進めていく。


「……ふーん…」


はあ…すいませんここはどこなんですか?帰れないんですか?


「ん?無理だよ。ここは死後の世界。ここに入ったらもう現し世には戻れなーい」


無理、そう言い切られた時、絶望が頭によぎる。


そう…ですか…


俯くと、案内人は反応した。


「目に見えて落ち込むね。まあまだ若いし当然か」


やり残したことが多すぎる…というか死ぬなんて思ってなかったので


「大丈夫だって。ここは相談所、次の為の相談の場だよ。」


次…ってのはどういう…


「やり直しとか、転生とか、そういう次の人生の相談だよ。」


やり直し…転生…………転生ができるんですか?!?!


「うわぁ食いついた。…うん。」


マジすか?え、それってファンタジー異世界みたいな?!


「まあそんな感じだよ」


案内人は俺のテンションの差に驚いている様子だが、そんなことは今はどうでもいい。


えーマジかー剣とか魔法とかってことっすよねぇ…えーマジかー…マジかー


「ファンタジーが好きなんだね。まあ皆好きか」


全人類の夢ですよ魔法を使って戦うのは


「魔法ちょろちょろ剣ぱっぱはいいよねぇ」


(ちょろちょろぱっぱ…?)


「じゃあファンタジー世界が良いんだよね?」


はい!!!!!


「声デカ…じゃあ種族を選ぼう!」


種 族 キ タ


案内人は驚きつつも何個かの選択肢を提示してきた。


『人間 魔族 精霊 エルフ 獣人』


ゲームのキャラメイクみたいだぁ…選択肢はこれ以外にないんですか?


「あるにはある…けど雑魚いし討伐される系のやつしかないよ」


それならまあ…魔族も気になりますけど、人間か精霊ですかねぇ。英雄願望的な


「人間は剣とか魔法とかだけど…精霊って半分霊体だからね。任意で壁通り抜けとかできるよ」


マジかよ


「覗きとか…おっとこれ以上は」


精霊にします!思い立ったが何とやら!


「精霊ね。えーっと…いややっぱめんどくさいからいいや。」


ん?


「じゃあ今からもう送り込んじゃうから」


はやくね?まあ早いほうがいい…


《ぽん》



「⟆aʀēl · Ϟiʀa · ʘēn · ȝeʟiɔn · Ϟaʀe†」


案内人は俺の肩に手を置き何かを唱える。



なんて言いました?


「はいこれでおけ。じゃねー」


え、ちょ、さっきなに言い淀んで


身体が細かくなり霧散していく


「あ、精霊って魔力使いきったら死ぬからねぇーー………」


え、ちょ、ま、それはもっと早く言ってもいいんじゃないですかねえええぇぇぇぇ………


意識が…途絶える…










「うぅぅぅおおおおおああぁぁぁぁ?!!」


《ヒュゥゥゥゥーーーー》


体が風を切りながら下へと落ちていく。


ちょっとまって落下なの?!落下なのか!?


「テレポート場所絶対もっとあっただろぉぉ!!」


下を見ると、暗い中で光る小さな光が何個もある。おいよりにもよって下になんか町あんじゃねぇかもっと落とすとこ考えろよ!!!


やばいやばいやばい死ぬ死ぬ死ぬ潰れる落下死する!あまりにも早すぎるって!!


落下に焦っていると、案内人が言っていた言葉を思い出す

『任意で壁通り抜けとかできるよ』


そういうこと?!そういうこと?!慣れろってこと!?使い方も状況説明もないよ!?!?!


スー…はぁ…スー…はぁ…(深呼吸)


やばいもう近くまで来てるって!えぇいこなくそぉ!通り抜けろ通り抜けろ通り抜けろぉ!くっ!ここまでかぁ!?!


《スッ》

俺は下にあった家の屋根を危機一髪ですり抜けた。


っしゃぁ通り抜けたぁ!!ぶっつけ本番だけどやってやっt《ゴン!!》ぶべら




梁に頭を強打した


≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡



—―――なるほどね。全部思い出したね。…とりあえずあの案内人一発殴りてぇ…


「ていうか死ななかったな…頑丈なのか?いや半霊体だから…でも思い込み効果の可能性も…」


まあ考えても仕方ない、か。ん?あれ?俺声出てる?マジなんも説明されてないからな。声出るんだな。誰かに聞こえるのかな?






《ヒック、ヒック》


横にいる赤ちゃんが、泣き始める前兆のような音を出し始める。


………………………………………………………………………あれこれおれしくった?


「オギャアアアアァァァァァァ!!!!!」


なるほど声は聞こえてるんですね畜生め!!!説明不足のまま思い立った俺の責任かな?!あいつの責任かな?!?!あいつの責任だろうなぁ!!!!!!





初めまして、武社務者(ムシャムシャ)と申します

創作欲が抑え切れなくて今回オリジナル小説を初めてウェブで投稿しました。

異世界の馬鹿野郎どもの旅路を、温かい目で見てくれれば幸いです。

感想や評価お待ちしています。

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