表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

意味のある行動

“正解”が見えたようで、見えていないのかもしれません。


ここから、少しずつ“条件”が牙をむき始めます。

「……意味のある行動って、何だよ」


誰かが呟く。


動けば減る。


何もしなくても減る。


じゃあ、どうすればいい。


「……分からない」


誰かが答える。


それが、全員の本音だった。


「でも」


あの男が、静かに言う。


「さっきので一つ分かった」


全員の視線が集まる。


「“適当に動く”のがダメだ」


「意味のない行動は減点される可能性がある」


そこまでは、もう理解している。


「じゃあ逆に――」


一瞬、間を置く。


「意味があればいい」


「……意味って何だよ」


苛立った声。


男は周りを見渡す。


少しだけ考えてから、口を開いた。


「“必要なこと”だ」


短い言葉。


でも、重い。


「この状況で、生きるために必要な行動」


「それが基準になる可能性がある」


曖昧だ。


でも、他に手がかりはない。


「……例えば?」


誰かが聞く。


男は近くの店を見る。


コンビニ。


棚はほとんど崩れていない。


「水を取る」


「喉が渇いてるなら、それは“必要”だ」


「……それで分かるのかよ」


疑いの声。


当然だ。


でも。


「やるしかない」


男は淡々と言う。


空気が重くなる。


誰も動かない。


その時。


「……俺が行く」


気づけば、そう言っていた。


自分でも驚く。


でも。


(このまま何もしない方が怖い)


そう思った。


「……大丈夫か」


幼馴染が不安そうに見る。


「ああ」


強がる。


「すぐ戻る」


そう言って、歩き出す。


一歩。


二歩。


スマホは――反応しない。


(……まだ大丈夫)


呼吸が浅くなる。


コンビニに入る。


冷蔵棚。


ペットボトルが並んでいる。


手を伸ばす。


触れる。


その瞬間。


スマホが、震えた。


(……来た)


ゆっくりと画面を見る。


95 → 96


「……え?」


思わず声が漏れる。


「増えてる……?」


一瞬、理解が遅れる。


「……は?」


後ろから声が飛ぶ。


「どうなった!?」


「……増えた」


自分でも信じられないまま言う。


「1……だけど」


ざわめきが広がる。


「マジかよ……」

「増えるのか……!?」


空気が、わずかに変わる。


絶望の中に、細い光が差す。


「……なるほど」


あの男が、小さく呟く。


「“必要な行動”には、加点がある可能性」


冷静な分析。


でも、その言葉は確かに希望だった。


「水、取っていいか!?」


別の誰かが叫ぶ。


「待て」


すぐに、男が止める。


空気が引き締まる。


「……まだ確定じゃない」


「たまたまの可能性もある」


「……でも!」


「それでもだ」


男は言い切る。


「条件を揃えろ」


静かな圧。


「何が“必要”だったのか」


「同じ状況で、同じことをしろ」


「違えば――減る可能性がある」


その言葉に、誰も反論できない。


「……喉が渇いてたから、水を取った」


自分が言う。


「それだけだ」


「……いや」


男が首を振る。


「“本当に必要だったか”が重要だ」


その一言で。


空気が変わる。


「……どういうことだよ」


「例えば」


男が続ける。


「水を取っただけじゃダメな可能性がある」


「飲むまでが“必要”かもしれない」


背筋が冷える。


(じゃあ……)


(中途半端は危ない?)


「……試すなら、最後までやれ」


男が言う。


「途中で止めるな」


その言葉は。


さっきの“失敗”を思い出させた。


「……分かった」


小さく頷く。


ペットボトルのキャップを開ける。


手が震える。


ゆっくりと、口に運ぶ。


飲む。


その瞬間。


スマホが、もう一度震えた。


96 → 98


「……っ」


息が詰まる。


「また増えた……」


その一言で。


空気が一変する。


希望。


でも――


同時に。


(間違えたら、死ぬ)


その事実も、より強くなる。


「……ルールはある」


男が静かに言う。


「でも、優しくはない」


誰もが、スマホを見る。


増える数字。


減る数字。


そのどちらもが――


命そのものだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


少しだけ、このゲームに“法則”があるように見えてきました。


ですが、その法則が本当に正しいとは限りません。


よければ、この先も見届けていただけると嬉しいです。



――あなたなら、この行動を繰り返しますか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ