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童話 タンポポ 綿毛に乗って 旅をする  作者: 白山月


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自然の猛威と、力強い旅立ち

しかし、その平穏な時間は長くは続きませんでした。 急に空が真っ赤に染まり、遠くの森からモクモクと激しい煙が上がり始めました。轟音とともに、すべてを飲み込むような恐ろしい山火事が迫ってきたのです。自然の容赦ない厳しさが、牙をむいたのです。

恐ろしさに体が震えすくむフワに対し、バイソンたちは決してパニックを起こしませんでした。群れの大人たちは、互いに子どもたちをしっかりと守り、風下へと力強く、落ち着いて歩みを進めはじめます。どんなに過酷な試練が目の前に立ちはだかっても、決して諦めず、命を燃やして力強く乗り越えていく――その現地の動物たちのたくましい背中を、フワは必死の思いで見つめました。

「ぼくも、負けていられない……!」

激しい熱風と、バイソンたちが大地を蹴立てる凄まじい地響きの中で、群れの一頭がフワのすぐそばを駆け抜けました。その巨体が巻き起こした力強い上昇気流と、ふさふさとした毛並みから放たれた温かい風が、フワの小さな体をフワリと包み込みます。 「お前も、強く生きるんだよ!」 バイソンが力強く頭を振った瞬間、フワの綿毛は勢いよく空へと押し上げられました。

バイソンは、風を起こして、フワを助けるために上空に運んでくれたのです。

火の手から逃れるバイソンたちのたくましさと優しさを背中に感じながら、フワは確信しました。 「あの人たちがいるこの大地なら、きっと大丈夫。ぼくも、もっと強くなって、もっと遠くの素晴らしい世界を見に行くんだ!」

不安や後悔は、もうどこにもありませんでした。フワは誇らしく新たな風に乗り、さらなる高い空へと旅立っていったのです。

フワの眼の前には、また広い海が広がりました

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