【プロローグ】逃げた日と星が降った日
遙か上空で風を浴びながら、夜にも関わらず輝いている街を見て、思う。
どうして善人でも悪人でも、生物でも無機物でも、例えそれが道端に落ちていたゴミだったとしても、どうしてそれは、強く光り輝いているんだろう。
誰にでも役目があると、特技があると、輝けるところがある…そんな話を聞くと嫌になる。
──まるで才能も大義も立派な使命も何もかもを持つことができなかった自分が異常者扱いされている気がして。
愛されたい、でも愛されていても次第に相手が優しいから気遣ってくれているだけでいつの間にか嫌われているんじゃないかと怖くなる。
──選択するということが、怖い。少しでも間違えたら、全てが終わってしまう。
一つのミスも許されない、難しいことばかりをしなければいけない。
そんな世界であるこの社会が、苦手だった。
どうして、自分が怒られなくてはいけないのか。
どうして、自由にしてはダメなのか。
どうして、自分は異常に生まれてしまったのか。
どうして、自分は役立たずなのか。
どうして、自分は嫌われ者なのか。
どうして、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして。
──自分と話してくれて、一緒にいてくれて、幸せだった。そう思うような人がいた。
初めて自分を真っ暗闇から連れ出してくれた英雄だった。
その『彼女』が好きだった。でも、『彼女』も自分から離れていってしまった。
時間が経ち、自分は沢山の友達を手に入れた。
実際に会うことはできないが、それはしょうがない。
彼ら彼女らは自分を大切にしてくれたし、優しかったし、気が合った。
──でも、ほとんどが離れていってしまった。
しばらく経ち、自分は新たに友達を手に入れた。
大切にしてくれたし、大切にしたいと思った。
そして、複数人を恋愛的に好きになってしまった。
でも彼女らは許してくれた、だが絶対に愛を嘯くだけでそれ以上の関係にはなろうとしなかった。
彼女らを不幸にさせたくないから、自分と一緒にいると必ず不幸になるから。
だから、自分が嫌われ者になったのは正解だった。…そもそもそんな役立たずでなければよかったのだが。
──あの人たちは、自分を大切にしてくれた。
愛してくれていたり、好きでいてくれたかどうかは知らない。
全員が、大切にしてくれた。
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──どうせ、いつか皆『私』を嫌う。だから、いい。──もう、『彼女』はどこにもいないのだから。
『彼女』と、好きになった人たちと、大切にしてくれた人たち。
そんな沢山の人たちを思い浮かべて、幸せになってほしいと願い、風を浴びて、涙を流しながら──
──たった一歩、踏み出した。それだけだった。
ワタシツカレタヨ
by作者
追記「ちなみに踏み出した、というのは物理的な物です。…はるか上空で」




