第14話 秘密
神田君視点です。
俺は夜、金生を部屋に呼び出した。
「何すかいったい?女の子だったらよかったのに。」
コイツの言動はいちいちイラつくな。
「お前に聞きたいことがある。」
「聞きたいこと…すか?」
「そうだ。お前がこの『異世界』にいつ来た?」
「いつって…一年前っすよ。」
「そうか。花枝はいつこの『異世界』を知ったんだ?」
「え?俺と同じ一年前…」
「一年前に来たにしてはこの世界のことを“詳しすぎる”。本当は何年だ?」
俺はそう問い詰めた。
「…17年っす。アイツは、17年前にこの『異世界』に『転生』したんっすよ。」
…まぁ知ってたんだがな。
わかっていた上で俺は金生に聞いた。
「そうか。俺の思った通りだな。」
「アンタ…頭いいっすね…」
思考を読んだだけだけどな。
「その『17年』は、花枝にとっての『17年』でいいよな?」
「その通りっす。」
『花枝排施』…『レミリス・ソード・フォード・ドイルム』…『亜島公太』…
現代では花枝排施と、『異世界』ではレミリス・ソード・フォード・ドイルムと、『前世』では亜島公太と名乗っていたのか…
『亜島公太』…亜島か…あの有名な『亜島財閥』か?
…どうやら本当のようだな…
『前世』では『亜島財閥』の子供『亜島公太』、『異世界』では王女『レミリス・ソード・フォード・ドイルム』、そして現代では『花枝排施』だ。
思考を覗くだけではまだ情報が足りないな。
まだまだ謎の多い人物だ。
「せっかくだし『クエスト』行こうぜ!」
安沢がそう突然言ってきた。
「「「「「「『クエスト』だと?」」」」」」
「ん?なんか問題でもあんのか?」
「何かあるのか?」
「『クエスト』…オークやゴブリンに陵辱はぁ…はぁ…/////」
「…」
「何を言ってんすか?」
金生がそう言い…
「「「「「「最悪死ぬぞ。」」」」」」
河上、瀬戸、フレイス、オーラルド、花枝、金生はそう断言した。
その理由は何か。
それは今からコイツらが説明する。
よく聞いたほうがいい。
「この『異世界』のクエストはですね、簡単に言えば『長篠の戦い』レベルなんですよ。」
『長篠の戦い』、簡単に説明すれば、戦国時代に織田信長と武田信玄が戦ったと言われている戦だ。
「敵は手強い、負けることが多い、そして、報酬が割に合わない超鬼畜労働なんすよ!」
要は負け戦だな。
だが…
「あ、あぁ…よくわかった…ぜ…そんじゃ『クエスト』行こうぜ!」
「早く陵辱してくださぁい!/////」
「「「「「「「は…」」」」」」」
相澤を入れた7人はそう呟いた。
忘れているかと思うが、この二人はバカとドMだ。
というか、この小説にまともな奴などいない。
魔法の才能はあるが普通すぎる男、災難に合ってしまう女、大食いの女、王女、クズ、the otaku、そしてさっき紹介したドMとバカだ。
現に俺も『エスパー』だ。
…ていうか、フレイスだけがこの小説唯一のまとも枠だな。
全く、これじゃ説得は無理だな。
そう思いながら、俺たちは冒険者ギルドへ向かった。
一通り冒険者登録が終わった後、俺らは互いのステータスを見た。
神田恭弥 魔法属性 風 ステータス 知力、運などが平均より高めだが、その他は平均より少し下。
相澤英智 魔法属性 土、陰 ステータス 普通だが、統率力が平均より高め。
天宮燈香 魔法属性 水、陽 ステータス 防御力が平均より高めだが、ある部分がとてもなく欠陥している。
安沢雄 魔法属性 炎、陰 ステータス 平均より高めだが、知力があまりにも欠けている。
「神田君、もっと強そうだと思ったのにね。」
瀬戸にそう言われた。
まぁ、俺は『エスパー』だ。
その影響でだろう。
「そういえば、金生はステータスどうなの?」
瀬戸が金生にそう尋ねた。
「俺すか?あぁ、これっすよ。」
金生零太 魔法属性 雷、風、陽、陰 ステータス 平均を軽く超えているが、人間として守るべきことが欠けている。
「人間として守るべきことが欠けている…うわぁ…」
「なに失望したような顔してんすか⁉︎」
「それは元からよ。」
「え?」
瀬戸どころかこの場にいる全員だろうがな。
「さて、どの『クエスト』受けようか?」
花枝がそう言った。
「これとかどうですか…はぁ…はぁ…/////」
そう言って天宮が出してきたのは『ミミズ100体討伐』というのだった。
全く。
ドMは碌でもないな。
「これとかか?」
安沢は『中ボスを倒す(Lv.1の冒険者に限る)』だ。
うん、バカなのか?
あ。
コイツは元からバカだったな。
「仕方ない。これならどうだ?」
そして俺は『ゴブリン5体討伐』という内容の『クエスト』を提案した。
「確かに、これならLv.1の初心者でも簡単だな。」
河上がそう言った。
みんな気づいていないと思うが、その言い方だと相澤、天宮、安沢、俺のことをディスっていることになるぞ。
「はぁ、先が不安だな。」
俺は誰にも聞こえない声でそう呟いた。
私主人公だよね⁉︎
by 玲奈




