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序章:200年後の人類史
プロローグみたいなものです。
21世紀は暗黒の時代だった。
文字が生まれ、歴史が始まって以来、人間の積み重ねてきた失敗の負債と、人々の愚かしさが顕在化した時期であった。ここで最悪の場合、今に至るまでに人類の時代は終わっていたはずで、その可能性が最も高かった。そんな時代で、私たちを今日まで継承してくれた当時の人々には感謝してもしきれない。
さて、歴史の授業のようで申し訳ないが、もう少し語らせてもらおう。現代は逆に、栄光の時代だ。人々は歴史の様々な時代で夢に見た、真に平和で、自由な時代を作り上げる事ができた。世界中の全ての人が普通に働けば生活に困らず、必要なところに必要な分だけの資源が自然に分配され、自然という有限のリソースは食い潰されなくなった。成長の呪縛から経済は解放され、研究分野は多様化した。そして2045年、国際連合主導で世界各国にある無数のコンピューターを使った新たな世界シュミレーション計画が発表された。それと同時にその世界と現実の私たち人間が違和感なく生活できるような完全なVR技術の開発も進められた。人類史上初めて、全ての人々が協力する壮大なこのプロジェクトは、2125年、実に80年以上もかけて達成された。




