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季節は夏。
7月も始まったばっかりだというのに、とっても暑い。
梅雨の嫌な時期が終わったと思ったらこれ。
色々な季節があるのは地球のいいところ。
でもこんなに暑いとじりじりと地球を照らしている太陽を恨めしく思う。
でも太陽がないと生活もできないから困ったものだとも思う。
早くカナ来ないかな。
多分、もうすぐ来てくれる。
今日は日曜日。
カナと遊ぶ約束をしていた。
私とカナはずっと2人でいることが多い。
私がカナに告白した時からそういう傾向はあった。
でも本格的になったのは球技大会の後ぐらいから。
それからだんだんとカナ以外のクラスメイトから話しかけられることが少なくなった。
「2人組を作ってください」
っていう先生の言葉。
前まではその日、その日で組む人が違った。
ナツミとか他のクラスメイトが一緒にやろうって誘ってくれてたりもした。
でも今はずっとカナとやっている。
多分、クラス内では私とカナが2人でワンセットみたいな扱いになってるのかもしれない。
ナツミとは今でも仲はいい。
でも変に遠慮しているのか、私とカナが一緒の時は話しかけてこなくなった。
ずっとカナといる時は挨拶だけで一言も話さないって日もあるぐらい。
だから主に家でLINEとか電話とかでやり取りすることが多い。
同じクラスなのに、なんだか変な感じ。
でもナツミがそうやってでも私とコミュニケーションを取ろうとしてくれるのは嬉しいって思う。
きっと他の人ならだんだん疎遠になって、友人から他人になるところだろう。
ナツミはやっぱり他の人と違うと思う。
カナは自分以外信用しちゃ駄目っていう。
私も心のそこから信用できるのはカナだけって思う。
でも、やっぱりできるだけは仲良くしたいって思ってしまう。
本当はカナはそういうのもやめて欲しいって思ってるかもしれない。
そこまでははっきりとは言わないけど……。
「お待たせっ!」
そんなことを考えているとカナがやってきた。
カナを見ただけで、私はなんだか嬉しい気分になる。
ほとんど毎日会っているのに不思議だ。
「今日も暑いね」
「そうだね」
なんてお約束のやりとりをする。
でもカナが言うとそんなに暑そうに見えないのが不思議。
「じゃあいつものとこでゆっくりしようっ!」
「うん」
そして私達は待ち合わせ場所から移動する。
カナと一緒にいる時はカナさえいれば後は何にもいらないって思えるから不思議。
でも家とか、カナがいない時はそうじゃない。
結局のところ私の本質は寂しがりで我儘なんだろうなって思う。
なんだか嫌なところだけお姫様っぽい気がする……。
そこがいいころってカナは言うけど、ちょっと複雑な感じ。
嬉しいのは嬉しいんだけど。
「今日も予約してくれてたんだね」
案内されたのはいつもの個室。
最初来たときは緊張したけれど、何度か来ているうちにとても居心地のいい場所になった。
そしていつもこの喫茶店では個室に案内されている。
「予約取れた時にしかこないからね」
私のためにわざわざそんなことをしてくれるって思うと、とっても嬉しい。
カナと私は同じ椅子に座っている。
椅子は大きめで2人は普通に座れる。
ちょっと無理すれば3人座れるかもしれないっていう大きさ。
向かい合って座ることもできるけど、隣り合って座るのが私達の普通になっていた。
恥ずかしいとも、変だとも思わない。
だってこれが私達の普通だから。
今日も私はオレンジジュース、カナはコーヒーって感じ。
私も早くカナみたいにコーヒーを飲めるようになりたいって思う。
「もうすぐ夏休みだね」
カナに言われてそういえばもうすぐだなって私は気がつく。
もう7月だからあと20日ぐらい?
高校に入学してもう4ヶ月も経っているのかって思うと、なんか凄い気がする。
入学して色々あった気がするけど、1番はカナに告白したこと。
あれがなかったら、カナが同じクラスじゃなかったら今と全然違う高校生活を送ってたと思う。
この喫茶店に入ることもなかっただろう。
「うん。高校最初の夏休みだからちょっと楽しみ」
私はカナに言った。
何をしようとか計画どころか、ぼんやりとも考えていなかった。
いつもだらだらって感じで過ごして、なんとなく過ぎていくのが夏休みっていうイメージ。
きっとナツミは毎日が部活で忙しいんだろうなって思う。
「いっちゃんは何かすること考えてる?」
「そうだね。あんまり考えてないけど……」
そういえばお母さんに部活に入ったら?って言われたことを思い出す。
あれはちょうど球技大会の朝だった。
その後別に色々あったわけじゃないけど、すっかり忘れていた。
「部活に入るのもいいかなって思ったんだ」
「部活?」
「うん。今まで転校が多くて考えたことなかったけど、高校はずっと同じところに通えそうだから」
「だから部活をしたいって感じかな?」
「したいってほど強く思ってないけど、なんとなく」
表情は変わらないけど、なんだかちょっと嫌そうな雰囲気があった。
カナはあんまり私に部活とかしてほしくないかもしれない。
「入りたい部活ってあるの?」
「とりあえず運動部はやめとこうかなって思う」
「じゃあ、文化系の部活?」
「うん」
「いっちゃんはそっちの方が合ってると思うっ!」
「運動あんまり得意じゃないしね……」
それに運動部っていうととっても頑張るっ!っていう感じだし、今から入っても絶対についていけない気がする。
ナツミならやればできるっ!って言いそうだけど……。
「文系なら何がいいかな?」
私はカナにたずねる。
そもそも私はどんな部活があるのか、あんまりよく知らない。
「えっと確か……」
カナさんはちょっと考えて言う。
「漫研とか映画研究とか演劇部とか色々あったと思う」
「天文部とかあれば嬉しいんだけどね」
「天文部はなかったと思う……」
「そうなんだ」
ちょっと残念。
まぁ天体観測は家でもできるから。
明日、何かいい部活がないか探そうかなって思っていると……
「そうだっ!」
ってカナさんは大きな声を言った。
その声でちょっとびっくりしてしまった。
大きな声とかあんまり得意じゃない……。
「どうかしたの?」
私が言うとカナさんは嬉しそうに言う。
「良いことを思いついたの」
さっきまでは私が部活をするのがちょっと嫌そうだった。
思えば部活に入ったら、そこでの人間関係ができる。
地球人とはあんまり仲良くしない方がいい。
そう思ってるカナからすれば私が部活をするのを心配するのは当然だと思った。
でも今はそんな雰囲気は全然なかった。
「わたしといっちゃんで天文部を作るっていうのはどうかな?」
「天文部を作る……」
新しい部活を始める。
消極的な私からは出てこない発送だなって思った。
でもとってもいい考えだと思う。
「とっても素敵でしょっ!」
「そうだね。でも新しい部活って難しそう」
「部活じゃなくてもいいの。同好会でも」
「同好会?」
「部活ほどじゃないけど予算や部室をもらえるの」
「部室っていいね」
今はカナと学校で2人になれる場所はあんまりない。
でも部室がれば昼休みとか放課後にのんびりできて、とっても良さそうだなって思った。
「でしょでしょっ!」
カナさんも多分、同じように考えてるみたい。
「明日、先生に聞いてみるねっ!」
とっても張り切った声でカナは言った。
この行動力が臆病な私と大きな違いで、カナの1番素敵なところだなって思った。




