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第1話 最強ボスがログインしました。


 今日はついにPFOのリリース日だ。1年前から毎日欠かさずプレイしているとは言え、この日は特別な日といえるだろう。今の時刻は午前8時でリリースの時刻まであと1時間というところまで迫っている。日曜日ということもあっていつもは昼に起きる人たちも今日だけはと朝早くからVR機器を装着しリリース日を今か今かと待ち望んでいる。


 キャラクターメイキングや世界観の説明、チュートリアルなどは受けることができるものの、まだ誰一人としてPFOのワールドにログインすることはできない。そんな中一人だけ、自由にログインすることができる唯一のプレイヤーが私ことメアリー。理由はPFOを作った『運営者』からの要望で、ボスとして振舞う代わりにリリースまで1年間多少の制約はあれど好き放題に遊んでもらっていいといわれたからだ。


 この条件に喜んで飛びついた私は、この1年間飽きを全く感じることなく遊び続けとんでもない成長を遂げた。その成長の最大の成果といえるものが先日挑戦し、結果すごい話題にもなった呪王龍カース・アポカリプス・ドラゴンというユニークボスモンスターのソロ討伐だ。そもそもユニークボスモンスター自体が複数人での討伐を想定されてるため、どれだけレベル差があろうとも単独の討伐は困難なものになっている。


「さてと、いつものようにステータスの確認でもしますか。」

 

 最後に一人だけの世界を楽しもうと思ったメアリーだが、残念ながら最終調整ということでPFOの世界に入れなかったので仕方なく待機空間でステータスの確認などを行った。

 

【ステータス】

 名前:メアリー

 Lv359

 種族:吸血(ヴァンパイア)魔王(エンペラー)

 称号:執行者⋯⋯悪を討つべく使命を与えられた。任意の相手の善悪を確認することができる。善に寄れば寄るほど獲得経験値や与えるダメージが減少し、悪に寄れば寄るほど獲得経験値や与えるダメージが増加する。

 魔王⋯⋯種族:魔族と敵対しない。他種族の好感度が最低値となり、敵対状態となる。また、MPに2倍の補正がかかり、消費MPが半減する。

 裏切り者⋯⋯友好種族を裏切った者に贈られる称号。種族:魔族に準ずる者を討伐した際EXP(経験値)が得られない。他種族を討伐した際に一定量のEXP(経験値)を奪うことが出来る。

 創造主からの贈り物⋯⋯特別な存在に対し、贈られる物。また本人の意思が存在しない場合、自動で敵を殲滅する。

 龍殺し⋯⋯大いなる存在を打ち滅ぼした者に贈られる称号。任意の敵対種族に対して状態異常『恐怖』を付与することができる。

 ユニークボスエネミー……唯一の存在であり、その種族の頂点に君臨するモンスターに対して与えられる称号。固有の武器、装備を生成できる。

 

 HP(体力):359,000

 MP(魔力):718,000

 STR(攻撃力):179,500

 VIT(防御力):17,950

 LUX(幸運): 718,000

 INT(知力): 718,000

 武器:嬢王の鎖針(装備中)

 防具:夜王の外套(装備中)

 パッシブスキル:MP自動回復(極大)、HP自動回復(極大)、状態異常耐性(大)、夜王の眼、執行者の責務、他

 アクティブスキル:吸血女王の飛翔(クイーン・バタフライ)吸血女王の夜(クイーン・ナイトメア)、魂喰い他


 日課となっているステータスの確認。運営の想定以上にレベルを上げた見ると少しやりすぎたかもとは思っている。100超えればいいといわれたレベルは300を優に超え、推奨レベル100以上のユニークモンスターでいいところを推奨レベル200以上のユニークボスモンスターを討伐しているのだから。


 とはいってもあのドラゴンは最後にふさわしい敵だった。レベルも2上がって気分も上場!正直相性が良すぎたというのもあったけど、画面映えしたようで何よりだ。


 リリースまでの時間を確認しようとすると運営のほうから私宛にアナウンスが届いているのを確認した。どうやら本格的にリリースが始まる前に『創造主からの贈り物』という称号の内容が変更になったから確認しておいてほしいということだった。


 もともとの『創造主からの贈り物』の効果は獲得経験値が2倍されるという単純で強力なものであった。ただリリースにあたって獲得経験値2倍が消えた代わりに私がログインしていなくても勝手に戦ってくれるいわゆる『自動戦闘』が可能になったということだ。


 いくら暇人の私でも24時間365日ログインしっぱなしは不可能だからこの仕様になるのは大変ありがたい。


 他に運営からのアナウンスがないことを確認したメアリーは念には念を入れて自身のステータスを見比べながら、きたるリリース時刻まで最終調整を行った。

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