第1話 僕は勇者マルセロ
初投稿。
「うぉ~りゃ~!」
渾身の一撃が魔王を貫く。
「とっととくたばりやがれ~!」
気合の一撃は魔王の首を胴体と切り離した。
「はぁ・・はぁ・はぁ・・・。終わったよな?もう動かないでくれよ・・・」
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『『ウォーーーーーーーーーーー!!!!!!勇者様ーーーーーーー!!!』』
僕の名前はマルセロ。職業勇者。
今、魔王を倒しアーノルド帝国の帝都カルツに戻ってきた。
5歳の時に神の啓示を受け、勇者として10年間訓練をし3年前、魔王討伐の旅に出た。
僕は魔王打倒の為、世界を回りスキルや魔法を覚えて回った。
この世界は人族・亜人族・獣人族・魔族という4つの種族が生活している。
さらに言ったらご察知の通り剣と魔法のファンタジーな世界で生活している。
人族はアーノルド帝国を中心とし大小様々な国が17国ありそれぞれが同盟を組んだり、単独で魔族と戦争を続けている。
亜人族はエルフやドワーフといった種族が種族毎に集落を作り人族の国や獣人族の国の中で暮らしている。
獣人族はアーノルド帝国の東に位置するバッキ大草原一帯をバッキ大草原王国としアーノルド帝国と共に魔族と戦争を続けている。
さて、魔王とは。
人族・獣人族最大の脅威で「魔を統べる王」。強大な力を持ち人族・獣人族に幾度となく戦争を仕掛けてきた敵である。
そんな魔王を僕はタイマンの末撃破し、今に至っている。
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「よくぞ戻った。勇者マルセロ。そちの活躍で魔王及び魔族に切り取られた土地を再び我らのものとすることができる。
魔族に追われ故郷を捨てざる得なかった者達も喜んでおることだろう。」
帝王ダンテ3世。現アーノルド帝国王。魔族に土地を追われた者を手厚く保護する等人望に厚い王様である。
「ところで勇者よ。此度の事誠に天晴れである。褒美を授けたいが、これだけの事となると正直どうすれば良いかさっぱりわからん。なので勇者自身の希望を聞いた上で褒美を与えたいと思っている。」
「え・・・。希望ですか・・・」
「うむ。希望を言ってくれ。最大限の褒美だ。欲しくないものをもらっても困るだろう。」
ハッハッハッ。と王は楽しげにこちらの反応を窺う。
「え。あぅ・・・。どうしましょう・・・」
僕は答えに困ってしまった。
お金は魔物や魔族を倒した際に手に入れた素材を売っていたので余るほどある。
武器・防具も一流の鍛冶職人が作ってくれた物がある。
それに何を要求していいのかさっぱりわからない。候補とか出してくれればいいのだがそれもない。
困った様子を楽しそうに眺める王は
「わかった。一旦保留としよう。褒美とは別に帝都に屋敷を準備しておいた。そこで考えて改めて決めようではないか。」
という事で僕は王様が準備してくれた屋敷へと帰ることになった。
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「欲の無い若者だな。」
「左様でございますな。魔王を倒すほどの力があればこの国を寄越せ等と言ってくるのかと思っておりましたが。」
「ハッハッハッ。そんなことを思っておったのか。」
「えぇ。宰相などという面倒な役職を頂いておりますので常に危機管理を怠らないようにしなければなりませぬので。」
ジト目で宰相ルーズベルトは王を見据えていた。
「ハッハッハッ。それは済まぬ事をしたな。マルセロは昔から欲も無く真面目な子だからな。力を手に入れても変わらぬだろう。」
帝王ダンテ3世はマルセロが啓示を受けて旅に出るまでの10年間、剣を教え続けていた。
また宰相ルーズベルトも計算や社会情勢などの座学をマルセロに教えていた。
「まぁ。どんな答えが返って来るか楽しみ待とうではないか。」
2人は楽しげに笑いあうのであった。
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王と宰相が僕の話をしている頃、僕は帝都にもらった屋敷に到着した。
大きくもなく小さくもない。1Fにリビングや水廻りがあり2Fには個室が5つ。
1人で住むにはいささか大き過ぎるかとも思われるが「帝都に屋敷」は帝国民の夢なのでマルセロは舞い上がっていて大きさの事に何も考えていなかった。
「ほぇぇぇぇえ。帝都に家だよぉ。夢みたいだなぁ。」
とはしゃぐだけはしゃぎ備え付けのソファに腰を下ろした。
「それにしてもこの家は一人暮らしには広すぎるな。まっ。将来結婚とかしたらちょうどいいのかもしれないし、王様からのプレゼントだし大事に使わないとな。」
と。暢気な様子でソファに転がった。
「とりあえず生活用品を買いに行かないとなぁ。あるのはこのソファとテーブルだけだし。ベッドは大きいのがいいかな。家事なんてやったことないから家政婦さんでも雇って身の回りの世話をしてもらったほうがいいのかな。部屋はあるから住み込みでお願いできる人を探したほうがいいかな。」
とソファから立ち上がった。
「うぅ~ん。お金はあるからなぁ。とりあえず市場とか言って家政婦さん探しに行くかなぁ~。お腹も空いたし。よし!とりあえず街にでるか!」
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「おぉ~勇者様!うちの焼き鳥食ってってよ!」
市場を歩くとあちこちから勇者であるマルセロに声が掛かる。
勇者として10年間この地で修行をし各地を旅している間も帝都に戻ってきていたので顔は知られているのであった。
さらには『勇者様御用達』という看板が出ている宿屋や武器屋・防具屋・道具屋・更には屋台などもあった。
「ちょちょちょちょちょ。この看板は何?」
マルセロは『勇者様御用達』看板を掲げている宿屋に入って行った
「おぉ~マルセロ!勇者様であるマルセロの御贔屓の店ってアピールに決まってるだろ!」
「いやいやいやいやいや。こんな看板掲げても集客増えるわけじゃないでしょう。」
「残念だな。この看板のおかげで魔王を倒したって話を聞いた途端にごらんの通り大盛況だよ。」
宿屋の1階が飯屋になっているので覗いてみると昼をだいぶ過ぎた時間だというのに大盛況であった。
「おぉー!勇者マルセロ様!」
目ざとく見つけた客が声を掛けてくると回りの客も
「おぉー!本当に勇者様御用達の店だったんだな!」
「勇者様こちらへ!」
などと騒ぎたてマルセロは店内へ引きずり込まれた。
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「これじゃあゆっくりご飯も食べれないなぁ・・・」
飯屋を出てきたマルセロはクタクタになりながら再び市場を歩き始めた。
「おぉ~い!マルセロ~!」
と手を振りながら一人の若者が寄ってきた。
「よぉ。ネス。」
彼の名は商人ネス。5歳で帝都に来て最初に出来た友達である。
5歳からの訓練で共に宰相ルーズベルトに座学を教わった学友である。
「帰ってきたなら最初に訪ねるのは親友の所じゃないのか?」
「いやぁ~ごめんごめん。すっかり忘れてたよ。」
「酷っ。親友である俺の事を忘れたなんて。」
「悪い悪い。謝る謝る。で。市場でおまえは何してるんだ?」
「あぁ~一応仕事だな。奴隷の運搬。」
「奴隷の運搬?って奴隷?
」
「そう。奴隷の運搬。半獣人が大量に魔族の土地に居たんだよ。『勇者様』が魔王を倒してくれたおかげで俺たち商人も魔王に切り取られた土地へ行けるようになってな。そこで発見した半獣人の奴隷を帝都に連れてきたんだ。」
「?半獣人?」
「あれ?マルセロは半獣人を知らないのか?」
「知らないよ。半獣人って何?」
「人族と獣人族の合いの子の事だよ。人族でもないし獣人族でもない。獣人族の能力も中途半端だし、人族の顔に獣人族の耳としっぽ。奴隷以外の需要がない存在だな。」
「え?どういうこと?半獣人ってのは奴隷以外に生きる術がないの?」
「マルセロは本当に何も知らないんだな。ってことは半獣人も見たことがないのか?」
「うん。見たことなんてないよ。」
「百聞は一見にしかず。ちょうどいい。一緒に見に行こうか。」
「ああ。そうするよ。」




