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53話 召喚特典



改めて、スキルを見てみると、レベルの偏りが激しいのがわかる。


ASは、SPの制限もあるから、重要なスキルしか上げてないから分かるけど、


PSの方はもう少し上がっててもいい気がする。



はい、沢山のスキルを一気に意識できない自分のキャパの低さの所為ですね。わかります。



大体、意識しないと発動しないなんて不親切だと思う。


スイッチみたいに、


一度ONにしたら、OFFにするまで発動し続けてくれれば良かったのに…………。



…………無いのかな? そう言うシステム。



スキルシステム関係なら、それに携わっている女神に聞いた方がいいな。



『おーい、レイア、トール。

教えてほしいことがあるんだけどー!』


天に向かって【念話】を送ってみた。


はは、なんて、来るわけねーじゃん。


レイア達にも仕事はあるし、そんな簡単に来てくれるはず無いだろ。


なんて思っていたら


『『呼びましたか?』』


うん、普通に来てくれた。2人とも。


マジか。


予想外の事態に、すぐに対応できない自分がいる。


『ひーちゃん、どうしたんです?』


『盟友の聞きたい事とは?』


話出そうとしない俺を見て不思議に思ったのか、2人とも首を傾げながら聞いてきた。


『えっと、来てくれるとは思ってなかったっす』


取り敢えず、本音を言っておいた。



………

……



2人曰く、そう言うシステムはあるらしい。


『ありますよ? 地球から召喚された勇者達は、スキルシステムなんて知りませんからね。その人達のスキル使用を補助する為に、転生時に【スキル操作補助】と言うスキルを渡しています』


トールが丁寧に説明してくれた。


まぁ、確かに、地球にはスキルなんて無かったしな。


いきなり、今まで聞いた事も無いスキルを使って戦え、だなんて無茶振りにも程があるもんな。


『それに、勇者に選ばれる者は、スポーツ万能、成績優秀、などのゲームやラノベなどから無縁の存在が多いので、勝手が分からないのです』


要するに、召喚されるのはリア充ばかりだから、ゲームやラノベばかり呼んでいた俺より、スキルシステムの適応が難しいのだろう。


勇者=リア充、か。


勇者だけは殺されてたまるか! むしろ、俺が勇者を滅ぼすくらいの勢いで行こう。


そう堅く心に誓った。


『何か、ひーちゃんから禍々しいオーラが出てるのです』


『非リア充の醜い嫉妬ですよ。 お姉様、近付いてはいけません。非リア充がうつります』


周りが何か言っているが、そんな事は知らない。俺は決めたのだ。俺が勇者(リア充)を滅ぼすと!


いつの間にか目標が《勇者撲滅》にまで飛躍してるじゃねーか! なんて突っ込むものはいない。


『つか、おい待てトール。今聞き流してはいけない事言いやがったな。非リア充を病原菌みたいに言うんじゃねぇ! あと俺は非リア充じゃねぇ!! 』


いつの間にか、俺を非リア充にカテゴライズしているトールに訂正を要求するが、


『それより、お姉様? もしかして盟友には【スキル操作補助】を渡してないのですか?』


トールは、俺の言葉は完全にスルーして、レイアに話しかけていた。


『忘れてたのです……。ゴメンなさいなのです』


レイアは、涙目になりながら上目遣いで謝ってくる。


こいつ、初めて会った時は生意気な子供だったのに、最近キャラ変わりすぎじゃね?


この小動物的女神に謝られると、つい許したくなる。


『気にすん『可愛いので許します!』


俺が言う前に、トールに言われた。


『流石ひーちゃん! 器が大きいのです!』


レイアは、許して貰え、泣きそうな笑顔から一転して太陽のような笑顔に変わる。


『お、おう。許したのはトールだけどな』


一応訂正を入れておいた。


『トールもありがとなのです!』


レイアはトールに抱きついてそう言った。


『お姉様可愛すぎます! お姉さまの可愛さをここまで引き立てれるとは、流石盟友! 恐れ入りました』


レイアの無邪気な笑顔とは正反対な、邪な感情しか無い笑顔を浮かべて、そう言ってくるトール。


『俺は何もしてないけどな!?』


何もしていないのに、流石! って言われるのも違和感があるので、再度訂正を入れておいた。


『そう言えば、トールちゃんは、なんでひーちゃんの事を《盟友》と呼ぶのです?』


『それは、私も盟友も、《お姉様》『ちょ、ストップストップ!』


何この女神普通に答えようとしてくれてるんだ!


馬鹿正直に答えるトールを止め、腕を掴み、レイアから離れたところに連れて行く。


『突然何ですか? まさか、今更同盟を抜けたいとかですか?』


自分の発言を途中で遮られたせいか、少し不機嫌な様子で言ってくる。


『そういう訳じゃなくて、レイア本人の前で《お姉様最高同盟》なんて言わない方がいいだろ?』


そう諭すが、


『何故ですか?』


心底わかっていないご様子。


この人、賢いのかアホなのか分からない。


『じゃあ、自分に当てはめて考えてみろよ。自分の事を、「トーリウルス様最高!」と語り合ってる集団が居たら気持ち悪く無いか?』


『宗教と同じでは?』


こいつ、神様だった! 崇め奉られる方のタイプだった!


『い、いや、少し違う。どちらかと言うと、

「トーリウルス様、最高! はぁはぁ」とか

「トーリウル様は萌えーーー!」とか

「トーリウルス様は俺の嫁!」の方だな』


少し言い過ぎた感は否めないが、トールのお姉様愛を考えると、問題無いだろう。


『うわ、それはだいぶ気持ちが悪いですね…………』


姉の事を話している時の貴方は、そんな感じです。などと余計な事は言わない。


『だろ? だから、本当の名前は黙っておこう!』


普通に返しておいた。


『わかりました。では、どう言う名前にしますか?』


トールがそう尋ねてくる。


『そうだな……例えば『2人だけで秘密の会話とか、ズルいのです! 仲間外れは嫌なのですよ!』


答えてる途中で、レイアが参戦してきた。


『そんな、お姉様を仲間外れになんて、する訳無いじゃないですか!』


『じゃあ、なんの同盟なんです?』


グッと詰め寄って聞いてくる。


(ちょっと盟友! 何か良い名前は無いんですか!?)


トールがアイコンタクトを送ってくる。


(今考えてんだよ!)


(早くしてください! お姉様が、段々涙目に…………お姉様可愛い……)


お前も考えろ!! と突っ込みを入れたかったが、今はそんなことをしている余裕は無い!


何かいい名前は……

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