表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢者サマのおふね◇キオウのこと  作者: 神代きい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/54

故郷を迎える◇明日へ

 さっきまでの暗く重い空気はどこへやら。英雄王と若き賢者にお近づきになろうと押し寄せる人達。

 笑顔と歓声に包まれて、広場は一気に華やいだ。

 屋根の上であぐらを組んでそれらを眺めるレイヴとジーク。相変わらずなキオウにやれやれと苦笑している。

「…あー…、死ぬかと思ったぁ~…」

 しがみついていたラティに屋根へと降ろされた途端、特大のため息をついてへたり込むキーシ。

 お疲れさん、とレイヴが笑う。

「も~うっ、キオウさんってば何を考えてるのよ!? 人達が一気に『わーッ!』て来て、潰されるかと思った…っ!」

「もう少し飛び立つタイミングがズレていたら、ボク飛べていなかったよ~。キオウさん、ひど~いっ」

「何にも考えてねぇだろ、あの賢者サマは」

 あっさり切り捨てたジークであった。

 その隣には、守護者によって群集の波から逃れたウィズジー。

 いつものピシッとした雰囲気を和らげ、自然体な笑顔で立っている。

「アゼルスめ…、やはり威厳はまだ損なっておらんな。自分の存在すべてを最大限に利用しおって」

「キオウもオヤジの真似をしてたよな。恐ろしい父子だぜ」

 ジークは笑い、広場に目を向ける。

「お? あれって大臣サマ達だろ?

 あー…、わ~……。全員揃ってアグナルのダンナに土下座していやがるぞっ!

 俺、こーゆー光景って大好物ッ!」

「さすがにそれはちょっと同意しかねるなぁ…と言いたいけれど、そうも言いきれない俺がいる。

 皆サン揃って陛下と姫達のゴキゲンとりに必死だねー。タイヘンだなぁ」

「キオウさんとアゼルスさん、すっごい笑顔~」

「ちょっ…、おいおいおいおいッ! アグナルのダンナ、土下座組の連中をあっさり許しちまったぞっ? いいのかアレで!? 暗示関係なかったヤツも絶対ぇ混じってるだろおいッ!」

「これが我が甥にして我が国の愛すべき王、アグナルだ。

 ふっ…、安心せい。我が甥を見下す愚か者は、あとで私が灸を据えてくれる」

「さ、さすがはあの閣下の叔父君ですねー…。あは、あはは…」

「あーっ。アゼルスさんと話しているあの人ね、教会の神父さんだよー。コウモリさん達とお茶したときにね、お菓子を差し入れしてくれたんだー」

「何よそれラティ! つまりアンタはただ遊んでいただけってことじゃないのッ!」

「そんなことないよーっ」

「キオウの傍におる老人は…そうか、あの子の世話をしておった者だな。ジャフレといったか」

「キオウさんのおーおじさ~ん、その人どれ~?」

「ほれ、キオウの右隣で泣いておる」

「わ~おっ、確かにすっげーおヒゲだねぇ。チビキオウがリボン結びたくなる気持ちもわかるよ」

「俺は納得いかねーっ! てか、現役の王は許したとしても、アゼルスのダンナは許しちゃいねぇよなっ!? あとでキッチリと落とし前つけさせるよなっ!?」

「ジーク落ち着いてよー」

 完全な野次馬となった仲間達は、心の底から笑い合った。


 ――――この『今』を、胸に刻み込むかのように。



 その日から、ショウカは再び平穏な時を刻み始めた…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ