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スタジオから!

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 映像がニュース・スタジオに切り替わった。さっぱりした服装の若いキャスターがふたり、判で押したような笑顔をカメラの前に並べている。


「いまご覧になっていただいたのは、昨年コロンビアで撮影された、実際のUFO漁業の映像です。こんばんは。BBQのバーバラ・バンデクロフトです」

「ジェレミー・ペリンです」

「ご覧のように、UFO漁業は大変危険な産業です。世界中で毎年二千人以上が命を落とし、六千人以上が後遺症の残る重大な怪我を負っています。しかし、UFO漁業の従事者は増える一方です。ある統計によると、2033年度の世界のUFO関連事業従事者は24万7千人。実に全従事者の1%前後が、毎年事故死している計算になります」

 女性のアナウンサーが、これまた職業的な曇り顔で言葉を切る。

「バーバラ、なぜそんな危険な産業に労働者が集まるんだろう?」

 相方が受けると、女性アナウンサーは慣れた手つきでテーブルに伏せた資料パネルをめくり上げた。

「この数字をご覧ください。UFO漁業者の平均年収です。基本は歩合ですので、最低額は保証されません。不安定ではありますが――」

「ほう、これはすごい」

「銛撃ちと呼ばれるもっとも危険な配置ですと、おおよそ年収50万ドル。綱引きと呼ばれる人々で、おおよそ20万ドル。あとはハンマー手、解体手、検品手など、あとのほうの工程に関わる人々でも、おおむね10万ドル近い収入があります。この数字は平均ですよ。中~後進国では大変な高給です。銛撃ちのトップスターは、世界クラスのプロスポーツ選手よりも高収入だと言われています」

「人が集まるわけですね」

「ええ。ただ、収入は危険に比例します。先ほどUFO漁業従事者の年間死亡率は1%前後とお伝えしましたが、それは産業全体で平均した場合です。銛撃ちに限りますと、34%にも跳ね上がります。つまり、毎年三人に一人が死亡してしまうということですね」

「すさまじいですね」

「そうです。しかし、貧困にあえぐ各国の若者は、こぞって捕UFO業に志願しているというのが現状です。漁協の前には、地方から出てきた青年たちが列をなしています。なり手が多すぎるために、土地によっては複数の漁協が設立されて、漁場を巡る抗争も絶えません。UFOスポットの近くには繁華街が栄え、さながら不夜城の様子を呈しています」

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