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10章 ー08
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「お帰り、リリア!」
屋敷に着くと、すっかり辺りは真っ暗になっていた。
「ただいま、お父様、ケビン」
ケビン眠そうに目をこすっている。
「遅くなってすみません」
「勿体ないお言葉!」
アルフレッド様の言葉にお父様が頭を低くする。
私もケビンももう慣れてしまったけど、アルフレッド様も一応、王子様だものね。
「そう畏まらなくても良いです。あと1年も経たないうちに身内になるのですから」
ん?
「結婚式はいつしますの?」
「リリアが卒業したらすぐのつもりだったのですが……」
初耳よ?!
「早いですかね?」
うん、そう、そう。びっくりするわ。
「いえ、全く問題ありません!」
お父様?!
「婚約が決まっているのに家の手伝いをするのを変でしょうから、卒業と同時に嫁ぐのが一番だと私も思います」
淋しいですがとお父様は笑った。




