10章 ー09
「少し変わった娘ですが、宜しくお願い致します」
"少し変わった"は余計じゃない?
「いえ、いつも楽しく一緒に過ごさせて貰っています。もうすぐ私はジハ国に赴きます。また色々と憶測が飛ぶかもしれません」
嫌だな、アルフレッド様がジハ国に行くの。
「ですが、私が欲しいのはリリアだけなので、彼女が不安がっていたら大丈夫だと声をかけてあげてくれませんか?」
"私が欲しいのは"……!
私もお父様も真っ赤になってアルフレッド様を見る。
本人はなんでもない顔をしてニコッと笑った。
「それでは私はそろそろ失礼します。良い夢を」
笑顔で立ち去るアルフレッド様を、赤い顔のまま見送った。
「リリア、以外と王子殿下は情熱的だね」
「恥ずかし限りでしたね」
平然と親の前でもあんな事を言うなんて……。
私を励ますつもりだったのだと思うのだけど、それにしても恥ずかしセリフをよく平然と言えたものよね。
「兄様は姉様の事が欲しいのですか?僕の姉様なのに?」
「別にアルフレッド様は姉として私が欲しい訳ではないのよ」
「ふーん?」
嫁として欲しいと思っているだなんて、私から言えないけど…。
「さ、ケビンもう寝なさい。リリアも疲れているだろうからもうお休み」
「はーい」
ケビンはいつの間にか後ろに立っていたヴァイセンと部屋に戻って行った。
「お父様はバングル公爵婦人と交流はありますか?」
「いや、いや!そんな位の方と交流なんてないに決まっているじゃないか」
一応、お父様も貴族ですわよね?
まぁ、気持ちはわかりますけど。
「公爵婦人のお屋敷にコリンダーが咲いてましたの。それもお父様が色を濃くして人にあげていたラベンダー色の物が」




