2章 ー06
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ガイヤの婚約者騒動がなんとかなって一安心。
私はルンルンで温室へと向かった。
私が温室に入ると、水槽のメグが水面近くに上がって来て、左右に激しく泳ぎ、エサくれアピールしてくる。
ケビンもエサをやるので、ケビンが来てもこの歓迎の舞をする。だけど、エサをやらないお父様が来ても歓迎の舞をしない。
この自分に懐いている感じが堪らなく可愛い。
「みんな、健康ですか~?」
泳ぎ方やエサの食べ方を見て、健康状態を確認する。
「あら!これだけぷっくりしてたらもうすぐ、卵産むかも」
丸々と太ったメグがいる。
尾を左右にゆっくりと振って、水草をつついている。
ぷっくりしてるメグの可愛いこと。
温室の水槽は緩く勾配を付けてある。
一番高い位置に貯水タンクがあり、そこに私は井戸水を追加した。
タンクに空いている穴から水槽に水が流れ、メグ達は一斉に流れに逆らって一生懸命泳ぎ始める。
一番下流の水槽側面下部に穴が開けてあり、急いでそこを塞いでいる板をどかし、バケツを置く。
汚れた水が水槽から排出されバケツに溜まっていく。
「よし」
バケツが満タンになる前に板で塞ぐ。
この水は庭のコリンダーの花にあげるの。
コリンダーは背の低い植物で、この水をやると色の濃い花が咲く。
前庭にコリンダーを植えてあるから、バケツの水は余ることはない。
「姉様!」
「ケビン!」
コリアンダーに水をやっていたら、ケビンが私を見つけて走ってくる。
「お帰りなさいませ。もう帰っている頃なのに、お姿がなくて探しました」
ケビンったら…!
そう言ってにっこりと笑うケビンは天使のようだわ。
「メグにエサをやってたのよ」
「ずるいです。僕もあげたかったのに」
プクっと頬を膨らませるケビンの愛らしいこと!
「では、明日帰ってきたらやっといてくれる?」
「はい!」
ケビンは私と違い他の貴族のように家庭教師が勉強を教えに来てくれているから、頼んでおいたらケビンのやりやすい時間にエサをやってくれる。
私の許可なくでしゃばらないのがケビンの良いところね。




