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ただ、この寮に何かがいるという話は別にあって、その話は一定数の人が信じていた。

それは十年くらい前のことだ。

いわゆる「見える」という新入生がはいってきたのだ。

そいつが言うことには「ここになにかよくないものがいる」とのことだ。

それはどんなものかと聞くと「はっきりと鮮明には見えなかったが、全身が真っ黒で、身体は人型。でも頭は犬ように見えた」と言った。

その三年後に入ってきた新入生が全く同じことを言った。

寮に入った初日のことで、まだ寮の噂話などまるで知らないというのに。

四回生になっていた最初の「見える」人はその新入生と会って話をし、お互いに見えたものが同じであることを確認しあった。

二人は宣言した。

「ここにはなにかよくないものが確実にいる。みんな気をつけろ」と。

そう言いつつ、二人とも四年間、卒業するまで寮に普通に何事もなく住み続けたのだが。


その寮で俺が二回生の時に、その事件はなんの前触れもなく起こった。

この時まで寮で誰かの部屋で酒盛りをするという習慣は残っていた。

そして日常的に行われていた。

そんな時のことだ。

野球部の二人が連絡もなしに練習に参加しなかった。

そして携帯に連絡してもつながらない。

二人とも寮住まいなので見に行くと、三回生の部屋は誰もいなかった。

そしてもう一人の二回生の部屋を見に行くと、そこには頭部をつぶされた二回生の死体が転がっていたそうだ。

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