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前の夜、三回生が酒類を持って二回生の部屋を訪ねているのは見た人がいた。

そこでそのまま酒盛りになったのだろう。

そして理由はわからないが三回生が二回生を殺して逃げた。

状況としてはそう見られる。

凶器は部屋にあったバットで、二回生はそれで頭部を強く数回にわたって殴られていた。

頭蓋骨は砕け、脳もつぶれていたという。

古いコンクリート造りなのに、やけに防音がいいのが災いして事件の発覚が遅れた形となった。

全国ニュースにもなり、当然のことながら大学では大きな問題となった。

そこで大学から通達があった。

寮でのアルコール類の摂取は禁止。

破った者にはそれなりのペナルティを与えると。

学生もそうだが、大学側も酒の上でのもめ事が原因であると考えたようだ。

さすがにあれほど頻繁に行われていた部屋飲みが、ピタリとやんだ。

静かな夜となった。


あの事件があってから三か月ほどたったころのことだ。

夜に突然一人の先輩が俺の部屋を訪ねてきた。

大量のビールをもって。

俺は部活動をしていないので、親密にしている先輩は少ないのだが、いないわけではない。

そのうちの一人が来たのだ。

「先輩、ここでビールはまずいですよ」

「うるせえ。何か月も我慢したんだ。もう我慢できない」

そんなに飲みたかったら一人で飲めばいいのにと思いつつ、先輩には逆らうことができずに部屋で飲み会が始まった。

そして飲んでるうちに俺は強烈な睡魔に襲われ始めた。

俺はもともと酒には弱く、飲むと眠たくなるたちだ。

目の焦点が合っていない先輩が、壁に向かってなにかぶつぶつ言っているのを聞きながら、俺は夢の世界に深く入っていった。

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