表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/38

メールの誤字はぶっちゃけ気にしないし、それだいぶ前のメールだからこのネタ正直要らないね!!

 家に帰って、夕食を食べている時だった。


 僕の携帯が珍しく音を発した。


 一瞬何事か、アラームでも消し忘れたのかと思ったけど、携帯を見てみるとそれはメールの着信だった。


「春樹。行儀悪いから、あとにしなさい」


 怒られた。仕方がない。メールの確認はあとにしよう。


 僕はさっさと夕食を食べ、


「ごちそうさま」


 一言いうと、携帯を持って自室へと飛び込んだ。


 誰からのメールかが気になった。もしかしたら、メールを見た神埼さんからの返信かもしれない。……そう見せかけて誠からのメールという可能性もあるが。


 僕は、思い切って携帯を開いて受信フォルダーの中を確認する。


 ………………。


 メールは神埼さんからだった。


 震える手で慎重にボタンを押して、メールを開いた。


『今メールに気づきましたごめんなさい。

 でも、井上くんも授業中にメールを送るのは良くないよ。それは駄目です。

 帰り一緒になったけど、話ってなんだったのかな。井上くんが特に何か言いたそうな素振りはなかったと思うけど。

 あと、校門って文字が間違ってます。二度見してしまいました。

 他の人には話さないでほしいというのは了解しました』

 僕は慌てて自分が送ったメールを見なおしてみた。


 校門って文字が肛門って書かれてた。なんという下ネタ。これは恥ずかしい。授業中のメールはやはりダメだ。先生に見つからないようにメール作成するから誤字があっても気が付かない。というかなんでそんな変換なんだよ僕の携帯……。


 過ぎたことは悔やんでも仕方がない。問題は返信だ。


 ここでいくつかの選択がある。


 一、この流れでメールで告白。

 二、メールではちょっとと言って、電話にもっていって、電話で告白。

 三、ごまかす。


 大体はこんな感じだ。正直メールで告白するのはどうかと思う部分がある。それを言ったら今日神埼さんに告白した奴はちゃんと面と向かって告白した。そして振られた。その人よりもやってることが狡い。それに、神埼さんには好きな人が居る。だとしたらメールだと伝えたいことが色々伝わらない可能性が高い。そしてなにより、状況に応じた対応がしにくい。よって、メールでの告白は無い。


 次に電話での告白なのだけれど、これも正直前述のとおり狡い。


 つまり、まだ告白する場面ではない。ということだ。


 要するに今僕が選択するのは三。つまりごまかすということだ。


 これは逃げではない。戦略的撤退だ。


 問題はどうごまかすか、だがこれはもう考えてある。


『明日、会って話すよ』


 これで何の話かは神埼さんにはわからないし、状況に応じて対応することができる。


 これでいい。これでいいんだ。僕。だから、落ち込むことはない。決して逃げじゃないんだ。


『分かりました。ではまた明日。

 おやすみなさい』


 神埼さんの返信を見て、僕も現実から逃げるために、寝た。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ