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第7話『読者モデル』-4
ユウトが発動した黒猫さんは軽々と十メートルを超え、まだ息のあるコウを狙って突進した。
攻撃本能のままに地面を叩く。
「あ、僕、あれの解除のしかた分かんない」
四ブロックの破壊力は凄まじい。
何度も何度も巨大な肉球が叩きつけられる。
駅の床が砕けた。
そこから一斉に俺たちの足下まで亀裂が走る。
これまでのデバイサーバトルで、すでに耐久力が限界だったのか。
半壊していたコンクリートが砕け散り、地面に巨大な穴を開けた。
崩壊した地面。
一瞬で足下から地面が消えた。そのまま地下空間へと引きずり込まれる。
声をあげる時間もなかった。
手を伸ばしても届かない。
やっと四人が集まったのに、俺たちはあっけなく引き離された。




