第4話『ドラゴン襲撃』-4
そしてキバの手元にある、もうひとつのデバイス。
「このすばらしい力をオレ様が有効に使ってやろうってんだ。感謝しろよ、ザコども」
左腕にはシャッコウがインストールされたデバイス。
キバの右腕に噛みついたトザンのデバイス。
「いいねえ。これぞ、ダブルデバイサァァァーッ!」
とんでもない奴が新たな力を手に入れた。
その絶叫をかき消す勢いで、突然どこからか飛行機が墜ちてきた。
まるであいつを狙ったように迫ってくる大型の飛行機。
「せっかく人が上機嫌だってのに、邪魔してくるのかい。何様だァ?」
シャッコウを数メートルよけて地面に突き刺さる機体。
とてつもない大爆発と激震。
たった今、あの巨大な飛行機ですらキバをさけて墜落した。
世界が怯えた。
赤く染まった視界。絶望。吸い込んだ息すら、うっすらと喉を焼く。
「ちっ、むかつくデバイサーだな。どこにいやがる」
マップを見ながらキバが叫んだ。
「このオレ様にケンカ売るとはいい度胸だァ! 先に殺してやるッ!」
走り出したシャッコウ。
「お楽しみはあとに取っておこうぜ、壁無レンガ! 必ず、必ず、あとで殺してやるからよォーう!」
追いかけることはできなかった。
飲み込めなかった苦い苦い悲しみが喉の奥に張り付く。
無力だった自分への怒り。
命の重さを知らないキバへの怒り。
『残りデバイサー、五十四』




