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神速の騎士王  作者: 天月 能
5章 永久凍土地帯ヴァレンティナ
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No.57:永久凍土地帯ヴァレンティナ

 ある日、団長フィリクスとエリスとアーサーが皇帝に呼ばれた。

 ノックをし部屋に入り皇帝ディオニスから少し離れた所で片膝を地面に付けた。


「突然すまんな。時間も押している、早速内容に移らせてもらう。今回の入った依頼は調査をしてほしいとのことだ」


「調査ですか。なら騎士団でなくとも調査団に頼めば済む話では?」


「うむ、依頼書によると何があるかわからないため実力のある騎士団員3人を要請すると書いてあってな。依頼である以上無下にはできん。それでフィリクス、エリス、アーサーに集まってもらった」


「調査なら僕よりシャルロットの方が向いていますよ」


「それが『私? ムリムリ、今アーサーが言ったソロモン王の父であるダビデの存在を調査中だから。それとルキアノスも。暇そうだったダリウス、ユリエルも同様ね』とか言われてな」


「お察しします」


「というわけで頼むぞ。場所は我が国最北端の大地、永久凍土地帯ヴァレンティナだ。今日の夜から出発してくれ。そしてアーサー、学院長には私から言っておこう」


「ありがとうございます」


3人は部屋から出た。準備するため各自家に帰ることにした。

 アーサーは家に帰ると着替え、寝袋、非常食、武器を全部ダイダラに収納してもらい準備ができた。部屋でボーッとしているとノックの音がした。


「よぉ、アーサーが任務ということで早々と帰宅してきたケイ兄さんでーす」


「ふざけないで帰ってきた理由と何でここに来たかの理由をお願いします」


「任務だから一目見ようとしたのは本当だ。あとこれを渡しにきた」


兄ケイは綺麗に加工され装飾された鉱石を渡された。


「これから行く所は寒いしな。これに魔力を注げば一定の時間あったかくなる」


「ありがとうございます。兄さん意外と気が利くね」


「これでも兄貴なんでな。弟を心配するのも兄貴の務め。俺はアーサーみたいに力は無いし、立派でも何でもない。誇りである弟に出来ることなんてこれくらいしかないんだよ」


「頑張ってくるよ兄さん。といっても今回は調査らしいし。そんな危険でもないからすぐ戻ってくるよ」


「おう、帰ってくるの待ってるよ。あぁ、それとさっきダリウスさんがきて馬車を貸すよだってさ」


「帰ってきたらお礼するよ」


アーサーは立ち上がり家を出た。途中エリスにも会い一緒に城まで向かった。

 夜になりフィリクスも到着し、早速出発した。運転は3人で交代しながら行くこととなった。ちなみにアーサーは本の中から帰還後少し練習していた。

 カタコト、カタコトと馬車はゆっくり進んでいる。ヴァレンティナまでは大和国に行くほど遠くはないため1週間と少しで着く予定だ。

 ヴァレンティナは昔どこの国に属さない場所だったが場所が場所だけに生活も人が増えるたびに苦しくなってきた。よってどこかの国に属する必要があった。その時ヴァレンティナの最高責任者はアルナイルを指名して今に至る。

 長い馬車の旅は終わりついにヴァレンティナに着いた。フィリクスは馬を木にくくりつけエリスとアーサーは馬車から降りてあたりを見渡した。


「何もないけどここであってるの?」


「多分あってるんじゃない?」


「ここはヴァレンティナの入り口。2人とも荷物を持って行くよ」


「「はい」」


3人は必要な荷物を持ち針葉樹林の中を歩いた。

 森を抜けると人がいて集落がある。がしかしフィリクスはこっちと集落とは別の方向を指差した。

 集落の外を半周ほどしまた森の中へ。入ってすぐに小屋があった。フィリクスが扉を叩くと老人が出てきた。


「アルナイル帝国からきました。団長フィリクス・メイヤーとエリス、アーサーの3名です。あなたが依頼人のラヴレンチ・ロディナさんですか?」


「ようこそおいでなさった。私がラヴレンチ・ロディナじゃ。狭い部屋ですがどうぞ中に」


3人は言われるがまま中に入った。1ルームで中は意外と広い。3人はソファーに座った。


「では早速依頼の件ですが」


「では端的に申しましょう。今回のしてほしい調査は永久凍土が溶けてきているかどうかじゃ。この町の地面は凍っている。さらにすぐそばの海もかなり厚い層で凍っている。じゃが近年、その氷が溶けていてな、溶けてしまえば水位が上がり数ある集落に海水が流れ込み生活どころではなくなる。以前にも注意を喚起したが一向に聞き入れてくれん」


「つまり今回の調査ではっきりさせ住民の避難を要請すると?」


「協力願いたい」


「わかりました。では早速準備します」


外に出て器具を出した。これはシャルロットが作った地下の状態をを見るための魔法道具。魔力を送り込めば使える。アーサーはそれに魔力を送り込んだ。それを見たラヴレンチは突然アーサーの手を握った。


「お主、なんて魔力の持ち主じゃ。量も多いが質が高い」


「いきなり何ですか」


「アーサーと言ったな。年は、年齢はいくつじゃ」


「年は16です」


「16でこの魔力、素晴らしい! どうじゃ、もしよかったらわし秘伝の魔術を受け継いでみないか?」


「秘伝魔術?」


「そう、氷属性の魔術じゃよ」


「いや俺、氷属性の適性ゼロなんで使えないですよ」


「わしの魔術は適性なんてものはない。良質多量の魔力が有れば誰でも使えるものじゃ」


「いいじゃないか。やってみたらどうだ?」


「団長まで……じゃあやってみようかな」


「そうときたら早速練習じゃあ。団長殿、アーサーを借りてもいいかの?」


「いいですがあくまでこっちメインなので」


「わかっておる」


アーサーはラヴレンチに連れられてさらに森の奥まで行かされた。誰もいない樹林の奥に着くとラヴレンチは立ち止まりその氷の魔術を見せてくれた。オフィーリアとは全く別種の魔術でアーサーはその氷の性質に驚いた。



この章は短めの予定です。

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