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神速の騎士王  作者: 天月 能
4章 アルナイル・クロニクル
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よりみち:Knight's Memories3-2

ここで出てくる中継と写真ですが、魔術的手段の1つと思ってくれれば幸いです。

 1ヶ月後、アルナイル帝国では剣魔祭で国中が大盛り上がり。会場はすぐに満席になり見れない人は中継で見ることになるがそこでも人だかりができていた。

 シュバリエはこの1ヶ月間何も問題行動は起こさず自分を高めてきた。受付も済まし待合室で待たされた。

 待合室では沢山の今大会の参加者が集まっている。貴族、見た目一般人など様々。

 1回戦、シュバリエの名前が呼ばれた。シュバリエの登場で観客は大盛り上がり。対戦相手の登場時も同じくらいの歓声が響いた。司会はお馴染みのルキアノスだ。ルキアノスの開始の合図で試合はスタートした。

 シュバリエの戦闘スタイル上待って様子を見るなんてものはない。攻めて攻めて攻める。対戦相手は魔法を使うようだ。一方シュバリエは全身エンチャント、しかもただのエンチャントではない。魔法の域で魔術に迫るほどのエンチャント。つまりある程度なら肉体強化のためほとんどダメージはいかない。

 相手の攻撃は躱し自分の攻撃は思いっきり食らわせる。貴族だろうと関係ない。1回戦はその一発のパンチで締めた。

 続く2回戦、3回戦……5回戦、6回戦と全て勝ち進んだ。そして決勝戦では多少苦戦はしたが機転をきかせ勝利した。

 ここからが本番だ。最終番の騎士団員と戦い勝てば晴れて騎士団員入りできる。この時の団員はNo.28エリス・ギャレット。容姿端麗、見目麗しいと男性ファンは多い。花と写った写真が公開されその時の写真が反響を生み《花百合の騎士》と呼ばれるようになった人物だ。

 休憩の後、ついに最終戦が始まった。観客の興奮度は計り知れないほど上がっている。


『さぁ最終戦、早速選手入場だ! まずは騎士団側、その花は毒花かそれとも咲き誇る黄金の花(こがねのはな)か、No.28エリス・ギャレット!」


エリスは微笑み観客に手を振りながら出てきた。その姿に観客、主に男性が歓声を上げた。


『そして今回の挑戦者は、名無し選手! 剣は使わずエンチャントのみを使うとんでも選手。エリスに勝てるのかどうか、注目でございます!』


両者出揃い会場中央に立った。


「なんで名無しなんて名前にしたの?」


「俺ぁ、家族も国も全部捨てた。もうあんなんはごめんだ。だから名無しだぁ。それに最後の戦いが女とはな。俺ぁ女に興味はねぇ、さっさと勝たせてもらう」


「舐めてたらやられるよ、名無しくん」


『では、最終戦、スタートだ!』


「悪いけど先に使わせてもらうね。闇よ、万物を飲み込み侵食し叛逆者には斬撃を、オスクリタ・チェーロ」


名無しは何が起こったか確認した。しかし特に何も起きていない。闇と言っていた割に景色は普通だ。名無しは何もないとしエリスの方を見たがもう目の前にエリスはいなかった。

 周りを確認してもいない。とりあえずエンチャントをかけ探していると突然腕から血が出てきた。さらに体中を斬られた。傷は浅いが血はタラタラと流れて出ている。


「クソッ! 出てきやがれ!」


「私はずっとそこにいる。見てないのは名無しくん、君なんだだよ」


また一発斬られた。


「目で見ようと思うと見えない。その野生の勘で探してみなさいな」


少しムキになっていた名無しは一回落ち着いた。神経を研ぎ澄まし極限まで高めた。


——見るんじゃねぇ、感じろ。魔術に飲み込まれるな。


「そこだぁ!」


名無しはエリスがいる方へ渾身の力を込めてパンチした。エリスには当たらなかったがついに姿を現した。


「もう逃がさねぇ」


エリスは名無しのパンチを躱しながら距離をとった。


「距離取ってないでかかって来いや」


「流石に危ないから奥の手を使うね」


「奥の手?」


「この魔術は、ただ気配と姿を消すものじゃないの。これは昔この国で処刑用として使われていて、それを私なりにアレンジして昇華させたもの」


エリスは2本の剣同士を強く打ち付けた。すると名無しの体が斬り裂かれた。


「は?」


突然の痛みけれど理解した。叛逆者には斬撃を。つまりこれは叛逆者に対して使われていた魔術。遠くからでも息の根を止めるための魔術だ。


——やべぇ、早く片付けねぇとやられる!


エリスの居場所は見失うことはない。あとは近づいて渾身の一発殴るだけ。

 エリスは名無しのパンチを躱しながら剣同士を打ち付けている。名無しは体のあちこちを斬り裂かれいる。しかしもう痛みなんてものは考えていない。とにかく殴るだけ。

 ついに終わりが見えた。エリスも名無しの迫力に押し負け段々鈍くなってきた。しかしパンチを食らえば終わる。避けきれないものは剣で流していたがその剣が壊れてしまった。すぐに壊れた剣を捨て携えている剣を抜く時には遅かった。名無しは完璧にエリスを捕らえその腹に渾身の一発を食らわせた。エリスはその勢いに飛ばされて壁に打ち付けられた。すぐに審判員がエリスの状況を確認しに行った。エリスは立てないと判断された。


『勝者、名無し選手ーー!!激闘の末見事勝利勝ち取った!』


名無しは勝ったが斬られた数が多い。フィニッシュコールとともに意識が遠のいていきやがてその場で倒れた。

 医務室に運ばれてシャルロットによって治療された。輸血し傷を修復するだけの単純作業の為すぐに終わり意識が戻った。

 翌日、牢屋で一眠りしフィリクスに呼ばれて部屋に行かされた。部屋にはフィリクスとエリスしかいない。


「ご苦労さま。いい勝負だった」


「……」


「君の気持ちはわかる。今回、君は犯罪を犯した。被害に遭った商人からは終身刑しろと言われていてね。けど僕らは騎士団。昔はどうだったかわからないけど今は彼らの言葉なんて意味は無い。君は償いとして取った分を弁償し謝罪、しばらくの間国から出ることを禁じ、1年間減給となった」


「あんだけのことをしてそれくらいで済んでるなら安いもんだ。今日から色々自粛すらぁ」


「それなら良しだ。僕はフィリクス・メイヤー。今回戦った彼女は騎士団偵察部隊長、エリス・ギャレット」


「偵察部隊だぁ? はっ、偵察部隊であそこまでやられたんか」


「これでも部隊長ですから」


名無しに対抗し胸を張り自分の立場を主張した。


「そこはさて置き、君の名前だけど、どうする?」


「あんたが付けてくれ」


「そうだなぁ……そうだあれにしよう。ユリエル。うん、それがいい」


「ユリエル?」


「実は僕が生まれる時の名前の候補の1つで両親が揉めた結果フィリクスになったんだけど。父親は今でも残念がってるほど思い入れがある名前だ」


「そうかい、ならこれからはユリエルでいかせてもらうわ」


そしてNo.29として席を置くこととなった。29番目の魔神アスタロトと契約もした。今でも借金は返せていないが少しづつ返していっている。商人達もユリエルの謝罪を受け入れ、今では国内にいる時はその商人らとともに仕事をしている時もある。



これで第4章は終わりです。次回からは第5章を随時投稿していきます。読者の方々へ、読んでくださり感謝しています。

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