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神速の騎士王  作者: 天月 能
4章 アルナイル・クロニクル
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No.52:ダビデの危機

>>その1古い囲いを抜く/囲いの部分を少し掘る/石のブロックを作る。


 まずこの3つを同時進行でやらなければならない。今までの眷属に加えさらに浮遊・接続の眷属フリンロート、穿ちの眷属エレツを呼び作業を開始した。

 フリンロートが古い囲いを抜き、アーサー、エレツが囲いの部分を少し掘る、アルケミスト、クラフト、ドラフト、アダマが石のブロックを作る役割となった。

 村が大きいため時間がかかる。堀を作るだけでもう昼過ぎだ。休憩していると少年ソロモンがやってきた。


「やぁ、何をやってるの?」


「囲いを新しくしようとしててこれから石を積み上げていって石の壁を作ろうかなと」


「なんだ、僕を呼べばすぐ終わるのに」


「ん?」


少年ソロモンはアガレスを呼び出しアーサー達騎士団員がよくやる魔神との一体化をした。そしてアガレスの力で一気に壁を作った。


「あーなるほどね、うんうん、いやーすごいよほんとに、うん」


今までの努力が一気に消し去った瞬間だった。ともあれ壁はできた。

 次の日、村の中が慌ただしかった。少年ソロモンは知らないため気にしていないが今までこの慌てようを見たことがないためアーサーは気にかかった。仕事用ハウスに着くとダビデが苛立ちを露わにしている。アーサーは内心ビビりながらも何があったのか聞き出してみた。


「隣の村の奴らが我が村の子をさらったのだ。返して欲しくば村の地権を寄越せと言っている」


「なんて奴らだ。父上、何としても取り戻さないと」


「えっと、どの村がそう言ってるんですか」


ダビデは地図を取り出しアーサーに見せた。村には象徴となるシンボル模様があり村がある場所にはその模様が記入されている。


「その村はこれだ。アルファルド村と言って周囲の村々からも孤立しているんだ。理由は言わないでいいだろう」


アルファルド、アーサーはこの言葉を知っている。ウラノメトリア時オフィーリアとギルバートが戦った時の場所。西の商業地区を含め周辺をアルファルドという地名だ。アーサーはダビデの指す村の模様を見ると思い出した。この模様はアーサーが初めてこの時代に来た時襲いかかってきた兵が持っていたものと一致する。


「村長、その模様もしかしてこれですか?」


アーサーは懐から奪ったものを見せた。するとダビデと少年ソロモンはそれに食いついた。


「アーサー、どうしてこれを?」


「いや、何というか襲われたんでやり返して奪いました」


「でかした。これがあればいける」


「えっとそれ貴重なもの何ですか」


「あぁ、これは命の次に大事なものだ。奪われるとそれは隷属するという意味を持つ。1つ奪われたてもかなり効力を持つからね」


どうやらかなりの代物らしい。どうせなら2つ取っていればと思ってしまった。


「よし今すぐに行こう。ソロモン、しばらくの間村を頼むよ。そしてアーサー、ついてきたまえ」


「自分もですか?」


「これ取ったの君だろ? なら行く必要がある」


ダビデは少し微笑んだ。ダビデは村を出てアーサーと共にアルファルド村へ向かった。

 アルファルド村に到着した。大きさはアルナイル村ほどではない。村に入ると村長によって出迎えられ、そしてそのまま村長の家まで連れられた。


「アルファルドの長よ。なぜこのようなことをした。直ちに返還しないとなれば武力行使も考えている」


「何、あなたをここに呼ぶために攫ったまで。来たとなればすぐ返還させるつもりだ」


不敵な笑みを浮かべるアルファルドの村長。アーサーは幾度となくこの笑みを見てきた。この村長は何かあるとみていい。アーサーは懐にあるこの村のシンボルを取り出した。


「横から失礼します。これはこの村の者が持っていた物だ。これを返して欲しければ今すぐ人質の身柄を解放しろ。俺はここの奴等ほど甘くはないぞ」


「脅迫のつもりですかな? 確かに大切な者だがそれはこの村では通用しない。ただの板切れだ」


「ならなぜ持っている」


「名残、でしょうな」


これはもう通用しない。行く道中決めていたことがダメになってしまった。


「まぁまぁそんな焦らずにお茶でも飲んでください」


「それより早く人質を」


「飲んでからお話を聞きましょう」


ダビデはお茶を飲み干した。これでいいかという顔でコップ机に強く置いた。


「では、話の続……き……を」


「ダビデ村長?」


ダビデの口から大量の血が出ている。次第に苦しみ始めその場で倒れた。


「村長!」


アーサーはすぐに起き上がらせ腹を殴り腹の中の物を吐かせた。アーサーは剣を抜きアルファルドの村長に向けた。


「貴様、何をした! 内容次第では斬る!」


「知らんよ。村の者が勝手にやったのかもしれない。私に言われてもねぇ?」


アーサーは村の兵に囲まれ槍を向けられた。村長の合図でアーサーを刺そうとした。アーサーは神速を使いその輪から抜け出した。兵たちは自分たちで槍を刺してしまい一面が血だらけになった。


「合図したってことはあんたも同罪。ここで死ね!」


アーサーはアルファルドの村長を斬ろうとした。しかしダビデがそれを止めた。


「やめ……なさい。私は大丈夫……だ。早く連れ去られ……た子を取り返して帰……ろう」


「……わかりました」


アーサーはダビデを抱え外に出た。外に出てアルケミストを呼び出した。


「アルケミスト。村長を村まで頼む。事情はソロモン王に伝えてくれ」


「任せとき」


封印を解き元の大きさに戻りダビデを乗せダイダラから取り出したロープで落ちないよう固定した。そして猛スピードで村に向かった。あとは人質を取り戻すだけだ。そしてアーサーは村中を探した。



今まで4枚程度の量しか書いていませんでした。4枚だと話の進みが遅いのでこのNo.52から少し量を増やします。


ですがこの神速の騎士王のコンセプトの1つ、何かの間の時間に読むということ自体は変えません。


これからもお願いします。

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