No.33:ラビュリントス・リアリティその2
オフィーリアの考えた策は下級悪魔と契約を結ぶこと。うまくいけばこの先の攻略はかなりはかどる。しかしそう簡単でないのはオフィーリアたちもわかっている。契約に必要なのは2つ。1つ目は悪魔に直接触れること。2つ目は名前をつけること。2つ目はともかく1つ目が大変だ。下級といっても並み以上の実力と耐久力がある。これを全て突破しなければならない。オフィーリアたちにとってできるかは賭けになる。
「ではまず様子を見るため攻撃は控えてください。どの属性を使うかによって契約する人を変えます」
「オフィーリアさん、複数個の属性の場合は?」
「その場合はある手を使います。とりあえず話し合いは終わりです。皆さん頑張りましょう」
下級悪魔がついに動き出した。最初はオフィーリアたちめがけて突進してきた。5人はバラバラにされ陣形が一瞬で崩れた。悪魔は休むことなく氷の魔術を使用してきた。その瞬間誰が結ぶのかが決まった。あとは触れて名前をつけるだけだ。
「皆さん援護お願いします!」
オフィーリアを除く4人は魔法や魔術を使い悪魔の意識が出来るだけ彼女に向かないよう大声で叫んだ。しかし悪魔は彼女の接近に気づきあと少しで触れようとした時、自分の周りに氷を発生させオフィーリアの接触を阻止した。しかしオフィーリアも黙ってはいられない。
「氷よ、全てを凍らし不毛の大地に花を咲かせろ。ブルーメン・エイス!」
オフィーリアが使える最強の魔術。アーサーに花の魔術師と言われ自分で作ったオリジナル。悪魔を氷でできた花や茎、ツルを使い相手を拘束し体温を下げる、茎やツルには棘があり拘束した相手に深く刺さる。オフィーリアは拘束している間に悪魔に触れた。
「オフィーリア・スタンフォードの名の下に契約の儀をとり行います。名前はフロスト。一時的ではありますがよろしくお願いします」
悪魔は消えオフィーリアの左手の甲に契約の証である紋章が浮かび上がった。オフィーリアを除く4人は彼女の下に集まり喜んだ。しかしずっと喜んでいるわけにはいかなかった。
5人は再びゴールに向けて歩き出した。地図を書きながら進みルートを絞っていった。歩いているとギルバートと出くわした。
「なんだ、オフィーリアではないか」
「何ですか、ギルバート。人と出会えば戦うのが決まりかもしれませんが、私たちは戦うつもりはないのでそこを退いてください」
「ふん、これだから困る。この競技のルールは戦い人数を減らしゴールする。単純な話だ。出会ったからには容赦はしない」
一度オフィーリアは考え直した。1つ目は進む場合、本当に道は続いているのか。行き止まりでギルバートたちが戻っている最中の可能性もある。行き止まりで逃げ場をなくし負けることは避けたい。2つ目はここで戦った場合、もし勝ったとしてその後も魔物や悪魔相手に戦うことができるのか。3つ目は逃げる場合、逃げた先には1つ行ってない道がある。その道に行くのはいいが1つ目と同じ状態になると危ない。しかし3つ目の方法が一番合理的だ。それにギルバートはこの先の道を知らない。うまくいけば逃げ切れる。
「皆さん逃げます! 急いで来た道へ!」
オフィーリアはブルーメン・エイスをギルバートたちの間に壁役として使った。少しは時間稼ぎにはなるだろう。
来た道に戻ってきた5人は作った地図を確認し行ってない道を確認した。
「見つけたぞ、オフィーリア」
ギルバートたちが追ってきた。いくらなんでも早すぎる。ブルーメン・エイスは悪魔も拘束するほどの強度を持っている。なのになぜ簡単に突破されたのか。答えは単純だった。ギルバートたち5人全員とも悪魔と契約を結んでいた。そうなってはあの魔術も意味がない。
「覚悟しろ、オフィーリア」
「そうですね。覚悟を決めた方がいいですね。ですが戦うのは私1人です」
「なに?」
オフィーリアは魔法を使った。使用先はギルバートたちではなくクラスメイト4人。4人は機能停止するかのように地面に倒れた。
「正気か?」
「正気です。かかってきなさい。勝てないでしょうがお相手します」
オフィーリア対ギルバートたち5人の戦いが始まった。勝ち負けは誰が見てもわかっているがこれがオフィーリアの最善でもあった。




