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魔王メイドエクリナのセカンドライフ  作者: ひげシェフ
第五章:再起と絆の魔剣

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◆幕間:氷紅茶の語らい◆

訓練場で一人、木剣を振るうライナ。

セディオスの指導を守り、黙々と素振りを重ねていた。


「はっ! とうッ!」

汗が滲んでも構わず、振りは止まらない。


そこに――


「少し休憩せぬか、ライナ」

紅茶とおやつ、そして顔拭き用の布を持ったエクリナが声を掛ける。


「ん? あ! 王様! ありがとう!」

おやつに気づいたライナは素振りを止め、二人で木陰の長椅子に腰を下ろした。


「ほれ、これで汗を拭くと良い」

「うん!」

ライナは全身の汗を拭き、グラスを手に取る。ちり、と氷が鳴った。


「うわ、冷えてるね! あ、氷が入ってる!」

ゴクゴクと飲むと、微かなレモンの香りが抜けた。


「最近ティセラが造った氷製造術具があってな。紅茶と合わせてみた。悪くないであろう?」

「冷たくて、おいしいよ!」

「隠し味はレモンだ」

エクリナはどこか誇らしげに微笑んだ。


 ◇


「セディオスとの訓練はどうだ?」

エクリナが本題に入る。


「やっぱり、セディオスはすごいよね! 剣の技ってすごいんだ、知らないことだらけだよ!」

ライナは嬉しそうにまくし立てる。


「でも、昔みたいな『圧』を感じないときもあるかな……」

「温泉の時もそうだったけど、本当に魔力量が減ってるんだね。

最初に会った時は、一瞬で僕は負けたのに……」

少し残念で、少し寂しげな響きが混じった。


「それが、セディオスの選択だからな。あの代償があって、今がある」

エクリナは氷紅茶を一口含み、続ける。


「神との戦いで負った魔核の減退の影響は大きい。

それでも足掻き、藻掻いておる。それがセディオスの矜持だ」


「だったら、僕も全力でいかないとね……。実は真剣で戦ったとき、手加減した方がいいのかなって一瞬思ったんだ」

「でも、それはダメだよね……」


「ああ、全力で戦ってやれ、ライナ。たとえ今は敗れても、あやつは必ず次に食らいつく」

エクリナは穏やかに微笑んだ。


「うん、そうだよね!」

ライナは力強く頷く。


成長するライナ、抗うセディオス。

二人の訓練は、今日も続いていく。

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