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魔王メイドエクリナのセカンドライフ  作者: ひげシェフ
第二章:雷と炎が交わる刻

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18/119

◆第15話:些細な綻びと爆発寸前◆

翌朝――


「むう……王様、セディオスと紅茶飲んでた……楽しそうで……僕なんて……」

エクリナは、茶色の短髪を無造作に逆立てた長身の男――セディオスと共に紅茶を楽しんでいた。

無骨な体躯に似合わぬ、穏やかな笑みを浮かべながら。


庭先でライナが小石を蹴りながら呟く。

「僕だって、王様のそばにいたいのに……いつもセディオスばっかり……」

その目には、拗ねたような、それでいて切なげな光が宿っていた。


そのとき、背後から静かな声。

「……ライナ。あなた、昨日から機嫌が悪いですね」

「うっ……べ、別に。関係ないしっ!」


「……そうですか。では、そういうことにしておきます」

その返事の裏で、ルゼリアの心の奥に、針のような違和感が生まれていた。

(……あの子は、何かを抱えている。それは分かっているのに――言葉が届かない)


言葉の温度は冷たく、距離は近いのに遠い――

その違和感に、ライナの胸がピリついた。

「もう、やだっ!! みんな僕のこと、子供扱いして……見てくれないっ!!」


叫びと共に、魔力が暴発。小さな木々が弾け、紫電が駆け巡る。

「ライナ、落ち着きなさい!」

「やだっ! ルゼリアのくせに、偉そうにしないでよぉっ!!」


「たわけ!、何をしておるか! 館の庭を壊す気か、うぬら!」

怒気すら孕んだ声で現れたエクリナ。

「わ、王様……これは、その……」

「……ふん、後で話を聞いてやる。今は止めぬと、我が紅茶が冷めるではないか」


「「……っ!?」」


こうして――戦いの火蓋は、静かに、だが確かに切って落とされた。

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