イラスト部 皆で遊びだす
イラストルールその漆 ゲームの研究には時間を費やせ
「それに時間を費やして何の得になんだよ!!」
「今日こそ遊ぶよ!」
昨日は結局押し通されイラストを描くことになった。
つーかこれが普通なんだよ。遊ぶのがまずおかしいんだよ。
何も言わねぇけど。
つーか言えねぇけど。というより言わない。なんだかんだ言って楽しいんだよなぁ、これ。……あれは嫌だけどな。
「あや、何して遊ぶのっ?」
福谷先輩は静かに息をつく。諦めている感バリバリだ。
「じゃあこれで。」
そう言って取り出したのはトランプ。ていうか部室に遊び道具があるってどうなんだよ。……まあ、このトランプ持ってきたのは俺なんだけどな。はい、文句も何も言えませんよ。だって持ってきたの俺だからね。
「で、負けた人は罰ゲームOK?」
全員が頷く。
絶対負けらんねぇ。
この部活の罰ゲームはとりあえず……うん、思い出したくもない。この部活での罰ゲームはきっと大人になると黒歴史の一つとして闇に葬り去るんだろうなぁ。というよりも無理にでも消去してやる、記憶から消し去ってやる。
「まあ、ゲームなんだけど【ババ抜き】でいいよね?とりあえず一学期初めのゲームな訳だし?全員が知っているゲームってことで。」
「……いいよ。」
「ん。」
「オーケーだよっ。」
「ああ。」
「構いません。」
「わかった。」
【ババ抜き】それは簡単なゲームに見えてそうでもないのだ。いや元々は、ほのぼのやるようなゲームなのかもしれない。……この部活じゃなければな。運、その場の駆け引き、それを駆使して戦う。ある意味緊迫している。
そんな事を思っている間にも配られていくカード。
さすがだ、ほぼ揃っていない。大抵の確立で数枚は揃うはずなのだがな…。
何て無駄なスペックなんだろうな。