イラスト部 顧問がやっと来る
イラスト部ルールその拾弐 抱きつかれたものは後ろに気をつけろ
「怖ぇぇよ!!」
「いい加減に離せって!!」
「名前。」
ったく
「咲子さん離せっっ!!」
「はーい。」
やっと離してもらえた。何でだよ、何で全員睨んでるんだよ。睨むのは俺じゃなくてあの先生だろうが!!
「あらあらぁ、怖いわよぉ。そんなんじゃダメよぉ。嫉妬はもっとちゃんと見せなきゃぁ。あの子そこに関してはぁ、鈍感なのよぉ。」
嫉妬??今のやり取りのどこに誰を嫉妬するんだ?分かんねぇな。どうせ先生に聞いても教えてくれないだろうし。
「光君後ろに注意…だよ?どれだけ咲ちゃんが光君のお母さんのお姉ちゃんだとしても…だよ?」
「怖いわ!!」
「……それで咲子……昨日は?」
「ああ昨日ねぇ?気づいたら最終下校時刻過ぎてたのぉ。」
「寝てたのね。」
「そうとも言うわねぇ。」
「そうしか言わねぇよ。」
一年生が何か聞きたそうな顔をしていた。だいたい分かるけどな。
「この人のことだよねっっ!?」
二人ともうなずく。
「あらぁ、新入部員ねぇ?初めまして、顧問の加賀 咲子よぉ。美術教師をしてるわぁ。光くんの叔母なのぉ。あまり来ないけどぉ、よろしくねぇ。」
「ついでに言うとサボり魔ね。」
「もお彩ちゃん、それは言わないでよぉ。」
いや否定しろよ、まず。確かにサボり魔には違いねぇけど。
「それで咲ちゃん今日は何の用なのかなっ?」
「あららぁ、用があるの分かっちゃったぁ?」
「……まず…用がなきゃ来ない……でしょ?」
一度としてこの人は用がなく来たことがない。それはそれでダメな気はするが、顧問が居ても居なくても活動する部活だ。基本的に遊んでるだけだからな。基本的には…な。
「でもぉ用があるのはぁ私じゃぁないのよぅ。」
…まさか。
「ももは何て?」
「明日放課後美術室、だそうよぉ。」
マジかよ。
ワクワクしているものと、ため息をついてるもの、そしてどういう意味か分かっていないもの。
「楽しみね。」
「あんたはそうだろうな。」
「……また…」
「ん。」
「楽しみだねっっ。」
とりあえず明日のことよりも今俺は着替えてもいいのだろうか?




