表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

57/64

第8話 親指

 真也(しんや)さんは、びっくりした様子で、それでも真摯に答えてくれた……


「前にも言いましたが、お恥ずかしい話ですが、僕は今迄、女性と付き合った事がありません。 中々出逢いが無かったから……。 でも、小説やドラマを()て、とても憧れていました。」


 ……ウエイターさんが、飲料のおかわりを持って来てくれた。 高級レストランなのに、二人共、ウーロン茶だ。


 真也さんは……


「僕、いつも(はるか)さんとデートする時は電車移動ですよね。……何故(なぜ)か判ります?」と逆に、私に質問した。



 私は、戸惑いながらも……少し考えて


「事故…とかに巻き込まれないように…ですか?」


「それもありますが」


 ……真也さんが、照れた表情で……


「赤信号にならない為……です」……と言った。


 ……!?


「以前、何かの本で読んだ事があるんです。『女性は、デートの時に、相手との未来を想定している。 ドライブデートで赤信号ばかりだと、困難な未来を暗示しているようで、別れを切り出されるかも知れない』……って……」 


 その言葉で、私は全ての疑問が解消された。


 真也さんは、本当に女性と付き合った事が無いし、一番確信したのは…


 私と『別れたくない』と想ってくれている…って事だ。


 デートで失敗して、私が別れを切り出さないように……って、一生懸命に頑張ってくれてたんだ!




 私は、可笑(おか)しいのか、喜んでいるのか、もう、悲しい(くらい)の嬉しさで、うつむいて泣き出してしまった。


 真也さんは慌てて立ち上がり、私の背中に手を当てて、真新(まあたら)しいハンカチを差し出してくれた。


 

 …ウエイターさんも、驚いて駆け付けてくれた。 


 私は()ぐに「すみません! 嬉し泣きです!」 ……と、ウエイターさんに伝えた。


 ウエイターさんは、笑顔で真也さんの肩を軽く叩き、ドヤ顔で親指を立てた。


 なんであんたがドヤ顔やねん!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ