第13話 戦場
第13話 戦場
ゴーグルを着けると、目の前に、あの見慣れた戦場が広がった。
『START』
四方から敵兵が襲ってくる!
……落ち着いて。 目で読む。 振りかぶった角度を見て、弾いて、救う!
『ガキィン!』『ズバッ!』
会場から「おおお〜!」というどよめきが上がったのが、ゴーグルを装着していても聴こえた。
一体、また一体……。
……身体が自然に動き、続々と敵が消えていく。 特訓の成果が出てる!
ただ、なぜか時々、敵が勝手に消える時がある。
もしかして私、一流のアスリートが経験する『ゾーン』ってやつに入ったのかな!?
次!
次!
うん! 悪くない手応え……いや、過去一の手応えがコントローラーを通じて脳内に伝わってくるっ!
そして残り時間三十秒。 ひときわ大きな敵兵が現れた!
よし、ここは最後の切り札……ガンモードで一気に……!
『カチッ』
……え?
目の前には、あの憎き『EMPTY』の文字が……。
え!? うそっ!? なんで!?
私、まだ一発も撃ってないのに!?
大きな敵兵が剣を振り上げた!
……パニックになりかけた、その時。
兄貴との特訓の一場面が走馬灯のようにフラッシュバックした。 (戦場でこの表現はちょっとヤバいが……)
『剣は相手を救うためにある』
……そうだ! ここは原点に立ち戻り、この敵の『悪しき部分』を祓う!
私は咄嗟に銃をサーベルに戻し、敵の急所を狙った。
敵の振り下ろした剣を受け流した後、ネオン・サーベルを大きく振りかぶったっ!
「ロイヤル・ミルキー・マーーーックス!」
『ズバァァーーン!』
『TIME UP』
ゴーグルを外すと、会場が大きな拍手に包まれていた。
はぁ、はぁ……。 全身汗びっしょりだ。
そして、スクリーンに最終スコアが映し出された。
……え?
会場が、一瞬静まり返った。
私のスコアは、トップバッターの富田さんと同点だった。
「同点! 同点です、同点です! まさかのど、ど、同点ですっ、どうしましょ! どうしましょ!?」
司会の方まで動転してどうするの(笑)
――そうですね。 まずは落ち着きましょうか(苦笑)
しばらく審査員席で話し合いがおこなわれた後、会場にアナウンスの声が響いた。
「……これより、急遽、延長戦を行います! 延長戦は『VSモード』! お二人による、直接対決です!」
会場が、どっと沸いた。
VSモード? 直接対決!?
それって、私が富田さんと直接闘うってこと!?
あんなガチ勢さんと戦って勝てるわけがない!
私は、既に戦う気力を無くしていた……。




