第4話『マトリョーシカ』
急いで帰宅し、観たかった番組を堪能してから封筒を探した。
ちょうど良い大きさの物が、なかなか見付からなかったが、どうせ自分に送るんだから、見てくれはどうでも良い。
やっと見付けた大き目の封筒に、鈴森さんの手紙を入れて糊付けした。
封印で☓を書こうとしたが、鈴森さんのラブ・ストーリーが☓になっちゃったら可哀想なので『寿』と書いて封印した。
封筒の中に封筒を入れる……何処かで、そんなおもちゃを見た事があったな〜。
はっ! 今は、そんな事はどうでも良い。 問題なのは、病院で、この手紙を受け取った後だ!
エントランス、廊下、職員出入口……院内、汎ゆる場所で防犯カメラが、文字通り目を光らせている。
ちっ! 何処かに、奴らの眼をかいくぐる『盲点』は無いだろうか? 私、何かを見逃して無い? 思い出せ! 思い出すんだ! 私ーっ!
……って、文字だけを見ると『この人は、一体どんな犯罪を企んでいるのか』と心配になるが、その実、鈴森さんが落とした手紙を本人に返すだけの話だ。
でも当時、私は本気で悩んでいた。 若かったんだなあ〜 ←遠い目
ま、まあ、私がこの手紙を病院で手にする迄には1〜2日、猶予がある。 その間に考えるんだ! この少ないキャパの頭脳を総動員して……ね!
よしっ! 今日は、もう寝よう! ←切り替え早っ!
その夜
私は、ゾンビ化した鈴森さんに襲われる悪夢を見た……。
この前の『プリン』の時(本編、第五章『プリン』第2話『惜別』をご参照下さい)の時もそうだったが、今回も、何故か最近、眠りの質が悪い。
『はっしー』こと、レントゲン室の橋本を誘って、ジムに行って、ひと汗かくか? ……等と、下らない事を考えていたら、いつの間にか眠りに就いていた。
翌朝
今回の騒動(?)の大元である、例の封筒を入れた『封筒』を家の近くのポストに投函してから病院に向かった。
な〜んにも解決していないのに、妙に清々しい気分なのは、なんでだろう?
等と考えながら病院に到着した。
……!
そこで私は、信じられない光景を目の当たりにした! ←オーバー




