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第七十二話 レイアとルカ

 朝練が終わり、レイアを置いて部屋に帰った。


 そのあと、疲れ果てたレイアがゆっくりとドアを開けて入ってきた。


「レイル様ひどいですよ。なんであんなこと言ったんですか。私レイル様に剣なんてそんなに教えてないじゃないですか」


「試合の合図」


「(ギクっ)それは軽いジョークですよ。あはは…」


 レイアは俺に水の入ったコップを渡しながら誤魔化しつつ言ってきた。ダメだなこのメイドに救済のチャンスはないようだ。


「頑張ってね」


 まぁ、主人に対してやることではなかったな。そんなことを二度としないように教育するのが主人の義務だからな仕方ない。


 俺はレイアが明けっぱなしにしていたドアに立って、レイアを待っているエリザ姉を指さしながらレイアに言った。


「は…い」


 レイアは俺の話を聞きながら俺が指差す方向をゆっくりと確認して後ろを振り向くと後ろにエリザ姉が来ていた。諦めたかのように返事は小さくなった。


「レイル。ルカをここ置いていくからレイア借りてもいい?」


「(お願いです。もうしませんからぁ~)」


 レイアはきらきらとした視線を涙目になりながら俺に送ってきたが、俺はその視線を冷たい眼差しで跳ね返した。



「(もうだめだよレイア。レイアのおかげで三人の体力が救われると思って諦めて生贄になりなよ)いいよ」


 俺はさらに冷たい眼差しで言った。


「リヴィアも行くよ」


「はい」


「(そんなー)」


 エリザ姉はリヴィアを呼び、レイアの手を引っ張り自分の部屋に戻っていった。俺は廊下に出て、レイアに手を振りながら見送った。見送っている間エリザ姉に聞こえないように俺に視線で語ってきた。


 まぁ、仕方ないことだ俺はそのまま手を振って、そっとドアを閉めた。


「バイバイ」


 よしこれで気分は晴れたな。本でも読むか。あっエリザ姉のメイドのルカをどうしようか。とりあえず椅子にでも座ってもらうか。


「ルカ椅子にでも座る?」


「すみません。あとは私がやっておきますので、レイル様は椅子に座っておいてください」


 ルカは俺が持ってきた椅子に座らずに、俺がいつも座っている子供用のいすを後ろに引いて、座ってくださいと促してきた。


 別にいいのにな気を使わなくても、メイドだから仕方ないのはわかるけどね。


 俺はルカが用意した椅子に本を手に取って座った。


「ルカも座っていいよ」


「はい、わかりました」


 ルカはお辞儀をしてから、椅子に姿勢正しく腰掛けた。まじめだけどこれが普通なのかな。レイアを甘やかしすぎたかな。


 すると、横にいるルカが質問してきた。


「レイル様は普段朝連が終わったら何をしているんですか?」


「本を読んでいるだけで何にもしてないよ」


「他にすることはないんですか?」


 落ち着きがないな。いつも午後は毎日エリザ姉の相手をしているから、何もしないことは逆に落ち着かないのだろう。

 

 仕方ないから、相手でもしようか。


「じゃ、軽く模擬戦でもする?」


「はい!」


 俺はエリザ姉がたまに持ってきて忘れていった木剣が、結構部屋に置いてあるのでその木剣をルカに渡した。


 俺は今回どうしようかな。ルカは確かフットワークがよかったな、ルカを使って剣で遊んでみるか。ここだと痛そうだから外でやりたいな。


「この部屋狭いし、どうせなら外でやる?」


「はい、それでは行きましょうか」


 俺とルカは着替えて誰もいない練習場に来た。念のため数本木剣を持ってきたから折れても続けられそうだ。今日は自主トレしている騎士はいないし、地面も草のクッション担って、心置きなく戦えそうだな。


 俺と、ルカは向かい合って木剣を構えてた。


「ルカからお先にどうぞ」


「それでは行きますよ」


 ルカはそのまま優しく切り下してきたので、先に攻撃して胴を決めた。


「ルカ、隙だらけだよ。もっと早く振っていいからね」


「はいわかりました」


「じゃ、僕から行くよ」


 俺は全方位から攻撃を仕掛けるルカはいきなりの連続攻撃で驚いているようだが、さすがに、騎士ということだけあって、すぐに対応してきた。


 まぁ、まだまだ、ウォーミングアップなんだけどね。


「ほらほら、もっと早くなるよ。本気出したほうがいいともうよ」


 俺の攻撃がだんだん早くなっていき、対応が苦しくなってきたルカは一回後ろに下がって体勢を立て直した。


 もっと、体を温めてから遊ぶか。


「レイル様強いですね。さすがわ、エリザ様を倒しただけありますね」


「僕が防御に入ろうか?」


「いえ、このままで大丈夫です」


 俺が今度攻めると、ルカは見事に対応してきた。


 これは魔法の身体強化を使ってきたな。まぁ別にいいけどね。


 俺はルカが、普通に避けられるくらいの速さで攻撃して、ちょっとフェイントを入れると焦っていた。


「ほんとに大丈夫?」


「大丈夫です」


「攻撃してきていいんだよ」


「わかりました」


 守るのがつらくなってきたのか妥協して攻撃に回ることにしたようだようやく攻撃してくれるのか。ルカは体を強化しながら、攻撃してきた。


 いい打ち込みだな。俺としてはもっと力を加えてくれればいいんだけどそれはさすがにできないか、すべての攻撃を余裕をもって受け切った。


「レイル様ほんとに強いですね」


「もっと本気出さないの? こんなもんじゃないよね」


「危ないですからそれはできません」


「そう」


 俺はルカの懐に入って、重心が前に来ていたので俺は木剣を服に引っ掛けて前に投げ飛ばす。これがしたかったんだよね。


「きゃ」


 ルカは投げ飛ばされて、かわいい声を出して草の上に叩きつけられた。俺はルカに近づいて手を取り立ち上がらせる。今、もろに腰を強打しなかったか。


「腰、大丈夫?」


「はい大丈夫です」


「もうやめようか」


 俺はルカが腰をさすっていたので腰を痛めたのかとルカの体調を思い、やめようかと提案すると子供に負けて悔しかったのか、木剣を構えた。


「もう一回やりませんか?」


「うん、いいけど、結果は変わらないと思うよ」


 ルカは再び木剣を構えて、魔素で身体を強化した。ちょっと自棄になってきちゃっているな。このままの状態だと、魔素を纏った状態でも意味がないよな。俺はルカが攻めてくるのを待った。


 中々攻めてこないな。


「こないの? さっき俺の動き見ていたでしょ、多少本気を出しても大丈夫だよ」


「はい、わかりました」


 ルカはさっきの俺の動きを見て大丈夫だと思ってくれたのかようやく本気を出すことを決めたようだ。そして、迷いを捨てたのか前傾姿勢になって今にも襲い掛かろうとしていた。


 とりあえず来てほしいな。たぶん倒すのは簡単だろうからな。


 全身に魔素を纏って大人げなく、直線で俺に迫ってきたが俺はルカが木剣を振り上げる動作の隙にちょっと前に出て懐に入る。ちょうど、ルカの左足が一本浮いていたので足が地面につく前に木剣でその足を払った。


 払われた足は、地面につかずにルカから見て左にスライドしてルカは勢いを失いバランスを崩し、左にこけた。


 これって柔道の出足払い見たいみたいなものなんだけど、うまく決めるとちょっとの力だけで倒せて気持ちいんだよね。


「ルカ大丈夫、痛くない?」


「大丈夫です、もう一回です」


 また、危ない体制でこけたが身体強化しているから大丈夫そうだな。


 なんかやけ気味になってきたな。いったん冷静になってどうしてこけるんだろうと考えないと、同じことになるんだけど今のルカには難しそうだな。


 そのあとも、重心が簡単にわかってしまう動きなので後ろに引いたときは押して倒し、足を前に出しては木剣で足を払って倒したり、面白かったのでずっと倒し続けて遊んでいたたら、ルカが涙目になってきたので、やりすぎちゃったか、かわいそうだと思いもうやめることにした。


「ごめんね、ルカ」


「うぅ」


 俺は謝って、ルカを手で引いて一緒に帰った。これじゃ、どっちが子供だかわからないが俺のせいなので、部屋に戻るまでずっと慰めることになった。


「すみませんでした」


 ルカが、俺に解放されたことを謝ってきた。

 

 これで一件落着かな。


 俺はルカをヘトヘトになって疲れているレイアと交換した。。


「ルカどうしたの?」


「なんでもありませエリザ様」


 涙目になっていたことをエリザ姉に指摘されていたが、恥ずかしかったのかすぐに胸を張り姿勢を直して何でもないと言った。レイアは疲れ果てて、俺は引きずって帰る羽目になった。



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