第六十四話 マリー母さんは
「マリー様は、妊娠したのですよ」
「え、そうなの」
妊娠したんだ。今回は俺が生まれてから2年間妊娠していなかったから、もう生まないもんだと思っていたのだが違うのか。だってエリザ姉、双子のロベルト兄とペルナ姉、俺と続き代替2年周期で生んでいたからな。狙ってやっていたのではなかったのか。
めでたいことなんだろうけど、屋敷の人たちはあんまり喜んでなかったな。何回も生んでいるから慣れたのだろうな。
「夕食後本読んでいるときに、言ったと思いましたが」
本を読んでいるときは極力レイアの話は無視して聞き流しているからな。何か聞いてきても、うん、とか言って、適当に返事をしていれば何とかなるからな。
「集中していて聞いていなかったよ」
「妊娠したので、マリー様が動かないようにメイドたちが部屋に閉じ込めているんですよ」
「えっ、なんで?」
なんでマリー母さんを閉じ込めているんだ。安静にして休んでいるんじゃないのか。おかしい。何でだろう。
「マリー様は、体を動かさないと落ち着かないので、すぐに体を動かしたがりますからね」
俺が悩んでいる顔をするとそれを察した。レイアは俺の部屋で扉も締まっていて、誰にも聞こえないのに俺の耳元に近づいて小声で他の人たちに聞こえないように話した。
これはマリー母さんの精神と体に叩き込む教育の賜物だろう。マリー母さんに聞かれたら少し恥ずかしがられて、どこかに連れていかれて教育されるからな。まぁ、マリー母さんは昨日までダンジョンでエリザ姉でも疲れていしまうほどモンスターを狩りりまくり暴れまわっていたわけだからな。それは、見張っておかないとまずいよな。
うーん、いつ頃生まれるのだろうか、面白そうだし部屋に行ってみるか
「レイア行こうか」
「はい」
「入ってもいい?」
「どうぞ」
俺は部屋を出てマリー母さんの部屋に向かった。俺はドアの前に立っているメイドに許可を取り中に入った。
「あら、レイル遊びに来たの私今、暇なのよ。何かしていく?」
部屋に閉じ込められて暇なのかマリー母さんが誘ってきたが、俺はそれを無視して聞きたいことを聞いてみた。
「聞きたいことがあるんだけど」
「何? 聞きたいことって」
俺はマリー母さんの部屋にある窓に近づいて外を見てみると外にはもメイドがマリー母さんを監視していた。マリー母さん、前に妊娠中に窓から外に脱出をしたことがるのかな。
「子供はいつ頃生まれるの」
気になったことをマリー母さんに聞いてみた。
「そうね。お腹も大きくなってきたころだから、あと半年後くらいじゃないかしら」
マリー母さんお腹を見て何かを考えてから、答えてくれた。
そうか、半年くらい先なのか。俺が4歳くらいになったときに生まれてくるみたいだな。だいぶ先になるんだな。その間マリー母さんは戦う衝動に耐えきれるのかな。頑張ってほしいものだな。聞きたいことも聞けたし、部屋に戻って本でも読むかな。
「そう、じゃね」
「え、聞きたいことはそれだけ」
「うん、そうだけど」
「ちょっと、レイル何かしていきなさい?」
俺は別れの挨拶をして部屋を出ようと、窓から離れて扉に向かおうとしたがマリー母さんが俺を掴んで、マリー母さんに命令されながら近くに寄せられた。
そのあと、なんか強制的に遊ばされて暇つぶしの相手にメイドも参加してきて、俺がメイドとマリー母さんにいろいろされた後ようやく解放されてマリー母さんの部屋を出た。
それにしてもすごい数の騎士たちの厳重なマリー母さん包囲網だったな。たぶん24時間交代で見張っていそうだなあれは。
俺はマリー母さんから解放され、マリー母さんの部屋を出るとエリザ姉とばったり会ってしまった。
もしや。
「レイル、勝負よ」
最悪だ。俺はエリザ姉の部屋に腕を掴まれて、連れていかれて勝負することになった。意外と早かったなリベンジしに来るの。昨日の今日でか。まだ朝練しかしてない状態なのにな。一日の訓練では勝てないってことをわからせてあげるか。
中に入るとルカとリヴィアが昨日いた場所に立って観戦モードになっていた。約束された出来事か。
俺はエリザ姉から手渡された木剣を持ちエリザ姉は一につき俺もそのあとに続いて位置についた。お互い向かい合い様子見を始めた。
「始め」
またレイアが性懲りもなく試合の合図を言ってきた。まずい、その態度が習慣化する前にレイアには今度きついお仕置きが必要なようだね。眠っている間に悪夢でも見せようか。レイアにエリザ姉をけしかけるか。とりあえず、その口を黙らせるために今度ひどい目には合ってもらおう。
「はっ」
エリザ姉は気合の声とともに、怒涛の攻めをいきなり行ってきた。短期決戦狙いなのが見え見えだな。だが、その考え方は嫌いじゃないからあえてその戦いに臨み真正面から真向勝負したいけど、リヴィアに勉強させないといけないから今回は正攻法で行くか。
俺はエリザ姉にリヴィアでも見つけられる隙が見つからるまでエリザ姉の攻撃をすべて受け続ける。だいたいの動きは毎日相手をしているおかげでどんな攻撃をしてくるか感覚でわかるので、別に苦になりそうにないな。
うん、リベンジを果たすため強引に攻めるのはいいのだが冷静さにかけるとエリザ姉にあは隙ができやすいからもっと冷静にならないとな。エリザ姉に必要なのは精神をしっかりさせる修行だな。
そんなことを考えながら、しばらくエリザ姉の攻撃を一歩も動かず、すべて防いでいると少しエリザ姉の息ずかいが荒くなってきた。
そろそろ、頃合いだな。隙ができたら反撃しようか。
エリザ姉が大きく振りかぶって木剣を振り下ろしてきた。隙ができたな。俺はエリザ姉が木剣が振り切る前に胴体に一撃を食らわせて模擬戦を終わらせた。
「もー!」
エリザ姉は俺に顔を見せて頬を膨らませながら鋭い視線で睨んできた。俺はエリザ姉の耳元に近づいて小声で一言言った。
「昨日の今日で勝てるわけないじゃん、一週間くらいは訓練しないとね」
「うるさい」
エリザ姉は俺に耳元でそう言われて悔しそうな顔になりながら、次こそは勝ってやるという気持ちを思っているようだった。
次は勝たせて上げるから、それでもう模擬戦を俺に申し込みに来てほしくないな。あっ、いいこと思いついた。負けた時に言えば、レイアにエリザ姉をけしかけることができるかもしれないなな。
「また、エリザ様に勝ちました。すごいですね」
レイアめ。そんな言葉を言っていられるのは今のうちだけだ。調子には乗らせない一週間後が楽しみだ。
「レイル様すごいです」
「ほんとですね」
ルカとリヴィアは素直に驚いていた。こっちを見ると裏がなくて心が和む。レイアは内心しめしめと思っているのだろう。甘やかした付けが回ってきたか。それは一週間後に取っておいて、とりあえず今日の夜にリヴィアに会って今日の戦い方について教えてあげようか。
夜になり、レイアが寝たので俺は堂々と扉を開けて廊下を通る。マリー母さんの部屋の前には騎士がついていた。やはり24時間見張られているようだ。俺はその見張り役の目の前も堂々と歩いて通る。
今回は気で足音と気配を消して、さらにそれプラス魔法を使って姿を見えにくくしているから堂々と歩いても誰にも見つかることはなくリヴィアの部屋についた。
人にぶつかったら見つかるけどね。
部屋をノックするとリヴィアがいたので俺は部屋に入り今日の試合のことを聞いてからリヴィアの練習兼、話し相手をやり一日が終了した。ちょっと、明日からは一週間はエリザ姉が来ないことだし、アロサウルスにどれだけ対抗できるようになったか試してみるか。




