第五十八話 ルカとエリザ姉
「ルカ、エリザ姉はいつもこんな感じなの」
俺はエリザ姉とほとんど一緒にいるルカに聞いてみた。
「はい、残念ながらそうです」
やっぱりそうなのか。本職のメイドが残念と本音を本人の目の前で言ってしまっている法ン等に大変なんだろうな。
なんでエリザ姉はこんなに戦いたのだろうか。マリー母さんも小さいころはこんな感じだったのかな。ダンジョンに行ったときはこんな感じだったし、マリー母さんに限らず、マリー母さんの家族自体がこんな感じで好戦的なのだろうな。マリー母さんのお父さんは強いって聞くからな。その血が濃くて本能が戦いたいと思っているのだろう。
俺はそう決めつけて一人納得していた。まだエリザ姉とリヴィアの戦いはリヴィアが押されながら続いている。俺はルカにリヴィアの働きぶりを聞いてみることにした。
「ルカ、リヴィアをどう思う?」
「まじめな子で空いている時間に積極的に学ぼうと聞いてくるいい子ですよ。エリザ様のお相手をしてもらっているのでとても助かっています」
時間が空いていないときはエリザ姉の相手をしているだろう。毎日模擬戦をした後にメイドの勉強をしているみたいだな。大変そうだな。
ちゃんとメイドの勉強もしようとしていてリヴィアも妹に続いて頑張っているな。このままやめてしまはないようにしっかり、リヴィアへのご褒美とかケアとかしていかないとな。しかし、ルカのとても助かっていますといった時の顔の表情は変わっていないが、心なしかエリザ姉との模擬戦が少なくなって喜んでいるようにも見えるな。
ルカ的にはちょっと仕事が減って、だいぶすり減っていた心身共に回復していっているのだろう。ルカだって今は強いがだんだんエリザ姉も強くなってきているから、模擬戦が大変になってきているだろうから仕方がないけどな。
「くっ」
「はっ」
リヴィアがエリザ姉の攻撃に耐えきられなくなってきているようだ。最初っから押され気味だったが、もう体力が限界の状態での再戦を始めていたためそう長くはもちそうにないな。あのメイド服も動きずらそうだな。
俺が来たことにはまだ気づいて内容だ。
カン、カンと木剣のぶつかり合う音が鳴り響き、リヴィアはなんとか木剣で剣を受け止めて、受け流して頑張っているが、その防御をかいくぐって、リヴィアの体にエリザ姉の木剣が体に当たった。
当てちゃうのね。エリザ姉は誰にも容赦はしないようだな。リヴィアも頑張っていたがもう本当に限界みたいだな。リヴィアの強さはペルナ姉よりも少し弱いくらいだな。ペルナ姉ならエリザ姉に負けはするが、何戦やっても、疲れはしないな。経験が違うからな。
そろそろ、俺も話がしたいし助け舟を出しすか。
俺は近くに数本置いてある木剣の1本を手に取って二人が間合いを取ったときエリザ姉に向かって木剣を投ようとした。
「何?」
「レイル様!?」
ルカは俺が何をするのかと興味を持ちながら見ていた。レイアは俺の名前を呼んで驚きながら止めようとしたが、俺はそのままエリザ姉に向かて木剣を一度も動きを止めずに投げた。
「くっ、何?」
エリザ姉は少し驚きながらも余裕をもって木剣を振って木剣で弾いた。
エリザ姉ならこれくらいスピードなら余裕で受け流したり躱したり、今みたいにはじいたりは朝飯前だろう。さすがに木剣で弾き返して反撃は来ないか。
「レイル様」
「レイル来てたの? ちょっと待って」
ようやく二人が俺が来たことに気づいた。リヴィアはメイドになったためか様付けで呼ぶのが慣れてきたようだ。エリザ姉はこちらに気付いたが、戦いを続けたいようだ。たぶん俺も最後は模擬戦をすることになるんだよなどうせ。
エリザ姉はすぐにリヴィアに木剣を突き付けて決着がついた。
「レイルもやる?」
好戦的だな。疲れないのだろうか、子供なのにメイドよりも体力があるというのはおかしいと俺は思うがエリザ姉は特にそれに対してうれしがったりとかはなく本人は良くも悪くも気にしていないようだから気にしないでおくか。
取りあえずリヴィアと話がしたいな。
「いや、リヴィアに話が合ってきたんだけど」
「ふーん」
俺がリヴィアに会いに来たことを告げるとエリザ姉は興味がないような感じになった。
リヴィアは助かったという表情になっていた。うーんこのままだとエリザ姉が誰かを誘って暇つぶしの模擬戦をしそうなのでレイアに模擬戦でもやらせるか。
「あっ、レイアと戦ってみたら」
「えっ? レイル様・・・(やめてください)」
「・・・(頑張ってね)」
「・・・(えー)」
レイアは俺の発言に驚き俺の顔を見て無言でやめてくださいという顔を俺に向けてきたが、俺も視線を返して無言の会話をして見送った。レイアは未だに諦めずこちらに無言の抗議を視線で送ってきている。
よほど戦いたくないのだろう。エリザ姉は最近強くなってきているからね。騎士たちも気を抜くと一太刀はもらってしまうが、攻撃を当てて怪我をさせてしまうとマリー母さんに怒られるし、手加減も難しいから手抜きもできないのでメイドたちのエリザ姉との模擬戦は難しいところがあるからな。
「まぁ、それでいいか。レイアやろう」
「はい・・・(はぁー、レイル様~どうして)」
エリザ姉が木剣をレイアに手渡して手を引かれてそのまま連れていかれた。
あっ、捕まったな。レイアは手で引っ張られながらも振り向いて俺に無言の視線で抗議をしていた。俺はそれを笑顔で見送った。レイアは犠牲になるがこれでしばらくはリヴィアと話ができるだろう。
「リヴィア大丈夫?」
「はぁ…はぁ、は、はい、大丈夫です」
息切れしているな。マラソンをした後みたいだ。どれくらい戦っていたのだろうか。まさか昼食が終わってからずっとて訳はないよね。そうなると3~4時間くらい戦っていることになるな。エリザ姉、楽しいのはわかるがもちょっと休ませてあげて欲しいな。俺は何も言えないけど。
「少し休んで、座っていいよ」
俺はリヴィアに座っていいと指示を出す。メイドはよくわからないが座ってはいけないという習慣なのか規律なのか主に命令されない限り何も言われなければ常に動けるように、立っていることが多いいからな。指示を出さないと疲れていても立っていないといけないから休むことができないから俺はそれを念のため命令した。これならばルカも容認してくれるだろう。たぶん命令しないと怒られる可能性もあるからな。
レイアもそんな感じだったので命令していつも座っていいよと言っているため、座っていることが多いい。
リヴィアは椅子を持ってきて俺の隣に椅子を置いて座った。
「はい」
ルカはそのままレイアとエリザ姉の試合を見てしまったので、俺は部屋に用意されていた水をコップに注いで隣に座っているリヴィアに差しだした。
「水飲む?」
「あ、ありがとうございます。ゴク、ゴクふぁー」
リヴィアは俺から水の入ったコップを受け取るとのどが渇いていたのか、ものすごい勢いで一気に飲み干した。
いい飲みっぷりだな。相当のどが渇いていたのだろう。俺はリヴィアの持っていたコップを持ってもう一度置いてある水を入れようとした。
「すみません。レイル様、あとは私がやりますので」
ルカが俺の前に立ち水の入ったポットを俺から取ろうとしたが、もう入れる態勢に入っているので、もう自分で入れようか。
俺はルカの手を躱してよけた。今の体制でポットを渡すと水がこぼれたり、落として割ったりしたら危ないからね。
「いや、いいよもう注いでいるから」
「レイル様、大丈夫です自分でやるので」
今度はリヴィアがポットからコップに水を入れている最中にポットとコップを取ろうとしてきたので俺は後方に動いて躱した。危ないな。変わるなら変わるでタイミングを見計らって取りに来てほしい。俺は少し二人から距離をとって水をコップに入れた。
「いいよ。リヴィア、座っていて、僕が入れておくから」
「すみません」
「申し訳ありません」
二人は俺に給仕係をさせてしまったことでルカとリヴィアは頭を下げて謝った。俺が勝手にやったことだから別に謝らなくてもいいのに。まじめすぎるのもよくないな。




