第五十六話 注入
「おっ、誰かと思ったらレイルか。やっぱり戻って来たのか」
「うん、なんか変わったことあった」
「特にいつも通りだ。あるとすればダンジョンの壁が回復してきたくらいだな」
特に変わったことがあるわけではないか。
どうしようかな。アニェーゼをこのままここに待機させておくか地下訓施設にでも来てもらうか。正直どちらでもいいのだが、アニェーゼを使って特にやることもないし、このまま霊薬作りに専念してもらおうかな。
「とりあえず。しばらくはあの部屋使って霊薬作りに専念していいよ」
「いいのか?」
「いいよ、霊薬作りが終わったらまた考えるから」
「すぐに終わらんかもしれんぞ」
「大丈夫だ。俺もアニェーゼと似たようなものだからな」
「わかった」
テイムして見たはいいが、何がしたいわけでもないからな使い道がわからない。まぁ、観賞用としておくか。コレクションはしたかったしね。
「ピンチになったら俺を呼びなすぐに駆け付けることができるようになったから」
「助かる」
あれ、反発してこないな。助けなどいらんみたいなことを言うと思ったのに、難しい性格だな。反発したほうが俺的には楽しいからいいんだがな。
「素直だな」
「お前に負けているからな少なくともレイルのほうが強いだろ。それにあの戦闘で溜めた魔素なくなってしまったからな」
アニェーゼは落ち込みながら、今までの口調で言って色を失った魔晶石を取り出して俺に見せてきた。
現実はちゃんと見るほうなのか負けて落ち込んでいるのかはわからないが、意外とかわいいところもあるんだな。しかも、溜めていた魔素をあの時使い果たしてしまったのか。後で魔蘇回復してあげようか。
あっ、そういえば、アニェーゼも一応魔法使いだったんだな。アニェーゼからも魔素の操作の訓練方法を聞いてみるか。
「そうだ、魔法を教えてくれない?」
「魔法? 別にいいがなんでだ? 魔法は使えていたじゃないか」
「詳しく言うと魔法の制御について教えて、上級魔法ができないんだよね」
「そんなことか、簡単だ日々訓練すればいいだけだ。」
「えっ、やっぱり訓練するしかないの」
「そうだ。制御は毎日訓練していくしかないな」
やっぱり毎日コツコツとやっていくしかないのか仕方ない。気の操作も毎日やって魔素の操作に追いついていたからな。頑張るか。俺は葉っぱの練習をする分身をさらに10人増やした。
聞きたいことも聞けたしあの色を失っている石の回復を手伝ってやるか
「その石って必要なの」
「これか戦うためには必要だな。この石はラードゥガゴーレムを瞬時に召喚するために必要なものだからな」
「あのゴーレムって石を使わなくても普通に召喚できるの」
「あぁ、時間は少しかかるが召喚はできるぞ」
「やっぱりそうなんだ。俺も手伝ってそれに魔法入れてあげるよ」
「我が自分でやるからいい」
アニェーゼがいつも通りの反応で切り返してきたので俺は石を持っている手に俺の手を重ねて魔素を注入させていく、これってもしかしてあのゴーレムの属性だから全属性を混ぜるのかな。アニェーゼに聞いてみようか。
「そう言わずに、これは属性を混ぜるの?」
「そうだ」
やっぱり全属性を混ぜるのか。俺は混ぜるのは魔素操作がそんなにうまくないから、俺がそのまま混ぜるのかなりの確率で失敗することが多いいので、アニェーゼに任せるか。
「じゃ、俺が魔素を渡すから属性混ぜるのはお願いしてもいい」
「別に手伝わなくてもいいのだけど、仕方ない」
アニェーゼは引き下がりそうのない俺の顔を見て、諦めて仕方なく一緒に石に魔素を注入することにしたみたいだ。俺はアニェーゼにすべての属性の魔素を送っていく、アニェーゼは俺から送り込まれてくる魔素を上手に自分の体内に流し込んでその魔素をすべて混ぜて、虹色の魔素にして石に注ぎ込んでいく。石は徐々に虹色になっていく。
結構な量使うんだなこれ。たぶん濃縮しているのだろう。俺は魔素が切れそうになってきたので大気中の魔素を吸収して回復してさらにアニェーゼに渡していく。
数分後石は完全に色を取り戻した。アニェーゼも魔素操作上手だな。伊達に長く生きていないな。
「できたみたいだね」
「あぁ」
これでもしここに強い敵が来てもアニェーゼは全力で戦えて、俺が助けに来る間くらいの時間は耐えてくれるだろう。
そういえば、アニェーゼって倒した冒険者から奪ったものとかたくさん持っていたな。いろいろ使い道がありそうだから、いらないものがあったらもらっておこうか。どうせここに来た冒険者を霊薬作りが終わるまで、これからも倒して増えていくだろうからな。
「あといらなくなった。武器とか布とか半分くらい欲しいんだけど」
「あぁ、いいぞ」
アニェーゼはアイテムボックスからいろいろ入った箱を取り出して、いらないものを箱から取り出して床にたくさん置いていった。これくらいあればだいぶやれることが増えそうだな。
「これくらいでいいか?」
「うん、これくらいでいいよ」
俺はアニェーゼいらなくなったものをもらった時にあった大きな布に適当にとりあえず布に包んで数袋作って俺は長い棒に袋を通して持ち上げて方に担いだ。また戻ってこないと全部運べそうにないな。
「すごいな」
俺がいろんなものを入れた袋を一気に数個棒に刺して持ち上げた光景を見てアニェーゼは言った。
「定期的にこっちのに遊びに来るから、またね」
俺はそう言い残して最後の袋を持って掘ってきた道を走っていった。
アニェーゼは俺がそう言って走って消えるのを見て疲れたように自分の部屋に戻っていった。
俺は地下訓練施設に戻り、布を広げて、アニェーゼからもらったものを整理した。まずは素振り用の剣を取り出した。これでようやくちゃんとした素振りと動きができるな。今までは岩を手で加工していた剣の姿をした重い岩だったからな。柄もしっかりしているから型を作るのにすぐにできそうだな。
俺はさまざまな種類を剣、刀、槍など種類ごとに分け、かっこいい武器は壁にかけておいて他の武器は取りやすいようにきれいにすべて並べて置いておく。
次は布を取り出してちゃんと色ごと素材ごとに分けた。この布は魔法を使った服とかを作る練習のために使うもので、前からやりたいと思っていたが、材料がなかったからこれで物を作ることができる。一応魔素操作が下手でも一つの属性なら込められるから練習はできるから大丈夫だ。
次は防具か、もらったはいいが何に使おうか。それぞれの防具を着てその動きを確認してその防具の特徴に慣れることくらいしかできないな。その後の使い道が思い浮かばないな。
次は薬と変な草たぶん薬草だろうあとはポーションか薬草以外面白い使い道がないな。薬草はここに生やして育ててみようか。あとは魔晶石とあのダンジョンのモンスターの素材かこれはいろいろと使えそうだな魔石はそこら辺の石でも作れるがこの魔晶石は見つけないとないからな。ダンジョンでとれたモンスターの素材は装備品を作るのに向いていそうだな。
これで道具の使い方と道具の作り方が勉強できるな。俺は分身を召喚して服作りの役割の分身、薬と薬草を育て性能調査の役割の分身、装備品を作る分身、防具を着る分身達を出して、作業につかせた。
あとは武器も作ってみたいんだよね。武器を作るには専用の部屋とか専用のものが必要だから、もうちょっと自由に行動できるようにならないと、難しそうだな。7歳くらいには家を出れるように頑張らないとな。
この部屋もそろそろ作り替えないとな、もう素振りの風圧とかいろいろ試したせいで、ちょっと壁がぼろくなってきているからな。やれることは多そうだな。




