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第五十一話 合流


 体力を回復させてやるか。俺はヘレナの手を取り回属魔法のバックストレングスを発動させようとした。


「ひゃ、何!?」


「疲れているよね」


「別に疲れてはいない」


 意外と意地っ張りなのかな。ちょっと足が震えているからこういう性格の人って我慢することがあるから無理やりにでも回復させたほうがよさそうだ。俺はもう一回手を握り体力を回復させた。回復魔法は対象に触れて発動すると効果が上がるらしいからな。


「バックストレングス」


「体力回復か、すまない」


 ちょっとだけ切り傷もあるし、一応ヒールもしておこうか。ヘレナさんもすごいな体力回復の魔法のことを知っているのか。家の図書室にある魔法の本に書いてあったがこの魔法は確かマイナーな魔法だったはずからな。さすがは強いだけあって物知りだな。


「ヘレナさん少し休憩しようか」


 俺は連戦で消耗した武器の手入れのことを考えて休憩を提案してみた。


「いや回復してもらったし、仲間が下で待っているから仲間を向かいに行ってからでいいか?」


「うん、わかった。行こうか」


 仲間思いのいい人だな。俺だったら武器とかは必要としないし、肉体は自分で回復できるからから確認しなくてもいいけど、騎士だから武器とか防具とかすこし安全な場所で確認したほうがいいと思うから念のため。

 

 あの剣一応ヘレナの持っている中で一番使っている愛用の剣だと思うからな。俺がいるし安全だと思うのだけど万が一俺より強いモンスターが来ても、倒せはしないが、何とかできると思うからね。


 俺はヘレナの隣に並んで、アンニカとリアナのいる階に向かった


「レイルさんは強いですね」


「レイルでいいよ。ヘレナさんこそやっぱり女性騎士は強いですね」


 ほんとに女騎士は強いよな。家の護衛兵とかほとんど女性騎士だし、マリー母さんも日ごろ見ていて強いからな。エリザ姉も騎士としての才能があって現役並みに強いからな。


「じょ、女性騎士?」


 うん?なんでそこを疑問に思うんだ。女性じゃなかったのか。いや、どう見ても女性だと思うんだけどな。


「えっ、女性ですよね」


「あ、あぁ」


 うん、女性だよね。よくわからないやもうどっちでもいいか。俺は考えるのをやめた。


 あっそうだ。ヘレナさんに魔法コントロールのことについてきてみるか。戦いの中、雑味のない正確にコントロールされた魔法だったからな。俺も上手になれば魔法は次の段階に行けるんだけどな。


「ヘレナさんは風属性の魔法はどうやってコントロールがうまくなったんですか」


「ヘレナでいいよ。それより私の魔法が見えていたのか」


「風属性の魔法ですよね」


「そうだ、特に何もしてないけど」


「ほんとに?」


「本当だ」


 この人は才能派のエリザ姉タイプの人か。俺は魔法操作の才能はないみたいだからな。仕方ない魔法操作は長く生きていそうなアニェーゼにでも帰ったら聞いてみるか。


 しばらくこんなやり取りを続けながら下の階に向かうための階段をヘレナを先頭に下りていると、下の階から戦闘音が聞こえてきた。誰か戦っているのか?ヘレナにはまだ聞こえていないようだ。急ぐか。


「ヘレナさん行きますよ」


「へっ、レイル?」


「戦っている音が聞こえます」


 俺は階段を歩いているヘレナを抱えて下の階にダッシュで向かった。下の階につくとリアナとアンニカがゴブリンと戦闘中だった。

 

 たぶん血の匂いに惹かれてやってきたのだろう。どこでもそうなのだがモンスターは血の匂いや獲物の匂いに敏感で、匂いをかいだら様子を見に来たりして狩れそうなら襲ってくるので今回は二人が休憩をしていたので襲ってきたのだろう。ダンジョンのモンスターは比較的に量が多いいみたいだからな。この二人なら、多少の時間なら大量のゴブリンが来ても数時間は耐えられそうだな。


 ヘレナはゴブリンたちに向かって風属性のウインドブレイドを叩き込んで全滅させた。


「リアナ、アンニカ大丈夫?」


「はい大丈夫です」


「その子は」


「この人はレイル私を助けてくれた人だ」


「そうなんですか。ありがとうございました」


「いえいえ」


 アンニカはヘレナの言ったことを素直に信じてお辞儀をしながら感謝したので俺も、一応お辞儀を返して返事をしておいた。またアンニカさんもお辞儀をしてきたので俺もお辞儀をしていた。


「いつの間にか師匠と親しい間柄に。ほんとに? この子がですか」


 アンニカとお辞儀をしている最中にリアナが俺の顔を覗き込みヘレナから話を聞いた。普通はこの世界ではリアナみたいな反応をすることが一般的でアンニカやヘレナみたいな対応をするほうが珍しいだろう。


「失礼だぞ、それに師匠と呼ぶな」


「はーい」


 リアナはヘレナの話を聞き流しながら全く反省はしていないが答えた。


「レイルもパーティーに加わることになった。いいか?」


「はい」


「師匠が他人をパーティーに入れることは珍しくないし、毎回毎回私たちに聞かなくても、れにどうせ入れるでしょ?」


「そうだが、それに師…」


「はーい」


ヘレナが注意する前にリアナは返事を軽くしてそのまま階段を昇って行った


「はぁー、すまない。レイル変な奴がいて」


「大丈夫です」


 そのままヘレナのパーティーに参加して俺は上の階に向かっていった。先頭にヘレナその左斜め後ろにリアナがくっついてヘレナにしゃべりかけては無視され続けている。


 その次にアンニカがいてその後ろで俺は殿を務めていた。そういえばアンニカって魔法使いだよね。アンニカさんにも魔法のコントロールの練習法を聞いてみるか。


「あの、アンニカさん」


「はい?」


「アンニカさんは魔法使いですよね。何かコントロールの練習とかやったことありますか?」


「はい、ありますよ。私は魔法適正は高かったのですがヘレナさんの魔法みたいに上手ではなかったので追いつけるように頑張っていますから」


「そうなんですか。どんな練習をしているのですか?」


 俺はアンニカに顔を近づけて食い気味に聞いた。アンニカはちょっと戸惑った顔をしながらも答えてくれた。


「えーっとですね。魔素を使い切って魔力の量を上げたり、魔法を連続で使って魔力を上げたり、コントロールは葉っぱを操ったりですかね」


「どんなふうに葉っぱを操るんですか」


 アンニカさんはおもむろに懐の巾着袋から葉っぱを取り出して浮かせて見せてくれた。その取り出した葉っぱはアンニカさんの人差し指でいったん静止してからゆっくりと回転したり、指の向く方向に向かったりして自由自在に操っていた。


「こんな感じで」


「すごいです。いいものを見せて頂きました。ありがとうございます」


 俺は先ほどのアンニカさんのような感じで、喜びを表現した。


 ほんとにすごいな。俺がやっても空中で浮かすことすらできないだろう。せいぜい葉っぱに魔素を纏わせるくらいしかできない。俺も今度訓練してみよう。


「いえいえ、これくらいならヘレナさんなら練習しないでも簡単にできます。私なんてまだまだですよ」


 アンニカは褒められて照れながらも、それに対して否定してパーティーのリーダーを立ててきた。ヘレナさんって頼れて何でもできそうな雰囲気があるから仕方ないよな。それでもあれだけのコントロール性は普通の魔法使いよりすごいのではないのか。今まで他の魔法使いを見たことがなくて比較対象がいないけど。たぶんすごいことだろう。


「そんなことないですよ。もっと自信を持ったほういいですよ。アンニカさん」


「いえ、私ハ、ハーフエルフですし」


「エルフだと」


 アンニカさんは小さな声で自分の種族をつぶやいたが、俺はその小声を拾った。


 何エルフだと、あの不老長寿美麗のエルフだと冒険者になったら一度会って話てみたいと思っていたんだよね。ハーフエルフということはアンニカさんの両親のどちらかはエルフということ、エルフの国生まれなのかな?こっちに来て生まれてきたのかな?エルフってどんな感じなのかとかハーフエルフも長生きするのとか、いろいろと聞きたいな。俺はちょっと興奮しながら聞いた。


「そうですよね(やっぱりこういう反応ですよね)」


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