第五十話 ヘレナ
もう倒してしまおうかな。いや、もう少し動きを見てみるか。
俺は片手に斧を持っているウォーミノタウロスを蹴って遠くに飛ばしすと、その衝撃で斧を落とした。斧を落とされたウォーミノタウロスは頭にある2本の角を使って頭突きをしてきた。その頭突きを短剣で受け止めて、左手でと右手にある短剣で2本の角を折った。2本の角を折られて武器を失ったウォーミノタウロスは蹴りを繰り出してきたがそんなに痛くなさそうなので俺はノーガードで受け止めた。続け様にすぐにパンチをしてきたがそれも痛くなさそうだったのでノーガードで受け止めた。
数匹ではだめだと判断したウォーミノタウロス達は10匹が連携をして襲い掛かってきたが、そんなに攻撃スピードも大振りでそんなに早くないので俺は全ての攻撃を躱し続けた。
もうこれだけかな。武器を持たない素のウォーミノタウロスの攻撃力はそんなに強くないとわかったからな。
テイムはいいか。というか俺の中ではゴブリンと同じでミノタウロスとかって、異世界とかでビックネームだからそんなに珍しくないモンスターなのでテイムしたいとは思わないな。攻撃パターンも大体わかったのでどうしようかな。
俺がウォーミノタウロスをどうしようか悩んでいると急にウォーミノタウロスが一列になって俺を置いて走っていった。なんだ?
俺の近くにいるゴブリンたちは自分たちの攻撃が俺に通らないのに棍棒や剣や弓などの攻撃をしたり、しがみついて来たりしていてウォーミノタウロスの後にはついていかずにそのまま俺を攻撃し続けていた。
俺からは見えないがあの方向にはヘレナがいるな。ウォーミノタウロスは3mくらいの身長があるかな。たぶん、俺がゴブリンに埋もれているのを見て諦めて、ヘレナを見つけたから攻撃目標を変えたのだろう。俺も追うか。
俺は一直線に並んでいるウォーミノタウロスの後ろについていった。
のんびりと後ろから追走していると、ウォーミノタウロスの全身から赤いオーラみたいなものが出てきて目が赤くなり筋肉も盛り上がり走るスピードが信じられないくらい上がった。
なんだいきなり早くなった筋肉もすごく盛り上がっている。やばいヘレナが攻撃される。助けるか。
俺の前にはいまだゴブリンと戦闘するヘレナの姿が見えた。そろそろ気づいてもいい位置だが大量に集まっているゴブリンに集中していて気づいてないようだ。
「ウォーミノタウロス!?」
ようやく気付いたのかヘレナはウォーミノタウロスがこちらに向かってきて来ることに驚いた顔をしている。
「バーサークモードか」
これが、モンスターのウォー系の半数が使えるというバーサークモードという狂乱状態になる技か、確かあれは自分自信を暴走させることによって我を忘れて何も考えられなくなるが、筋力と身体能力が5倍くらい上がりどんなに傷つけられても、攻撃し続ける厄介な状態になると書いてあったな。
一列に並んでいるからヘレナには1匹にしか見えてないとおもうんだよね。よし背後について援護するか。俺はヘレナと背中合わせになるようにウォーミノタウロスを追い越して後ろに入った。
「大丈夫? 僕も手伝っていい?」
俺は後ろに入ってヘレナにモンスターを一緒に倒していいか聞いてみた。
「誰? 子供!? 別に構わない。手伝ってもらえると私としてもうれしい(あの背中に背よっている剣の紋章、オルトシーニ家か)」
ヘレナは余裕な顔で話してきた。どうやらヘレナは優しい性格のようで、顔色一つ変えずに手伝ってもいいと許可をしてくれた。モンスターを横から入って倒すことは冒険者の中ではマナーが悪いみたいだから念のため許可を取った。
「わかった。じゃ、この向かってきているなんか赤くなって向かってきているウォーミノタウロスたち…」
「たち?」
ヘレナは俺の言葉を聞いてウォーミノタウロスが1匹ではないことを気付いたようだが、まぁ少し遅かったようでウォーミノタウロスたちに囲まれしまった。ヘレナは厳しい顔になり、頬には少し汗が滲んでいた。
しかし、我を忘れたとは思えない連携ぶりだな。動きが染みついているということなのか。とりあえず弱らせてヘレナに止めを刺させるか。たぶん、このダンジョンに来たということはレベル上げに来ている人が多いいから、ヘレナもレベル上げに来ているのだろうからな。
俺は経験値が必要ないからヘレナにより多く経験値が得られるようにしてあげないとね。
ヘレナは背中にある盾を左手に持ち構えどこからか新しいショートソードを取り出した。アイテムボックスか装備を整えた。本気ということか。それでも、さっきの表情から察するに少しヘレナには辛そうみたいだな。
何匹引き付けようかな。新鮮な奴1匹とさっき能力調査をして弱らせた2匹の計3匹を任せて残り7匹を弱らるか。
「僕が7匹引き付けておくから、あとよろしく」
俺は聞こえているかどうかはわからないがヘレナに向かっていった。ヘレナは集中しているのか聞こえていないようだ。
俺は大剣を横にして3匹を残して切らないようにウォーミノタウロスを吹き飛ばして分断した。ゴブリンも引き付けておくか。俺はファイヤーボールでゴブリンの気を引いて釣った。
俺の武器の中で通常攻撃で一番早く倒せる直剣の双剣で行くか。刃がボロボロだからモンスターを弱らせるには適しているからね。俺は大剣をしまい直剣の双剣取り出した。ヘレナが倒すまでいい感じに弱らせておくか。
それから2分後俺と対峙していたモンスターはすべて、動きが鈍くなってきた。ウォーミノタウロスもバーサークモードで肉体の限界を超えて動き痛みを感じなくなっている状態でも、俺はがんばって死なない程度にボコボコにした。ウォーミノタウロスは満身創痍になっていた。俺の双剣は2セットとも折れたので次いでにウォーミノタウロスに突き刺して捨てておいた。
暇になったな。
ヘレナはウォーミノタウロスの攻撃を盾で受けながら剣に風属性のウインドを纏わせて、風によって切れ味を上げて切っているがゴブリンみたいに真っ二つにはできないが肉を断つことはできている。しかし、バーサークモードのウォーミノタウロスには効いていないようだ
俺はいらなくなった短剣を六本取り出して3体の腿に向かって短剣で骨ごと吹き飛ばした。倒れたウォーミノタウロスをすかさず風を纏った剣で切りウォーミノタウロスを倒した。
「すまない」
「後もよろしく」
俺はボロボロにしたモンスターたちをヘレナに渡した。
「いや、それは悪い君が倒したものだ」
「僕経験値いらないから」
「私もいらない」
「なんだいらないのか」
へー、経験値いらないのか無駄足だったな。もういいや面倒だからウインドカッターを使うか。俺はウインドカッターを使い全てのモンスターを切り裂いていった。
「ありがとう、助かった。私はヘレナだ」
意外と好意的だな。俺意外と方向音痴だからこのパーティーは上に向かっていこうとしていたから、このパティー入れてもらえば道を知っていそうだから確実に速そうだな。また迷うと面倒だからな。2階くらいまで案内してもらいたい。
「僕はレイル。早速で悪いんだけど、道がわからないんで2階くらいまで連れて行ってもらってもいいですか?」
「別に構わないよ。ほかに仲間がいるけど大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
フードをかぶり顔を見せない俺に対して今回もヘレナは嫌な顔を見せずに背筋をよくして疲れを見せずに許可してくれた。いい人だな。




