第百話 決着
ベアトリーチェの金剛剣が俺の目の前に迫る前にベアトリーチェに近づいた。俺が近づいたことに気づいたベアトリーチェだが、そんなのことはお構いなしに、金剛剣を振り下ろしてきた。
よし間合いも十分、発動するか。
そしてついに俺は最強の技を解き放った。
「秘技。千守千連打」
この技は元々は一秒間に片手で千回の掌底放ち計二千回、防御と攻撃を兼ねて作ろうとした技だが今では、一秒間に片手で五億回放てるようになり、計十億回すべての攻撃を防ぎつつ相手をボコボコにするわざだ。現時点で俺の中の最強の技で秘技にして、本当のピンチの時に出す技だ。
そして、俺の秘技とベアトリーチェの金剛剣が衝突し俺の速攻の連続攻撃と金剛剣が拮抗していた。
この金剛剣、威力が結構あるみたいだ。これはどちらが長く技を維持できるかの勝負になってきたな。俺の秘技。千守千連打は肉体改造された体をもってしても一時間の発動限界があるからな。それまでに金剛剣に勝ってベアトリーチェに技を食らわせ決着をつけないといけない。
一分が経ったが俺もベアトリーチェも技が終わる気配がなかく、いまだ拮抗状態が続いた。その衝撃の余波で地面が少しずつ吹き飛び天井には穴が開き始め空が見え、大きな岩が落ちてきたりした。俺たちはそんなことを無視して戦い続けていた。
この金剛剣はもしかして常時発動型なのかな。そうだった場合俺が負けてしまう。ならば金剛剣を躱して、瞬間移動とかで躱わされないように横または正面から近距離で千守千連打を当てるしかない。
俺はベアトリーチェの右側に躱そうと左足を左前に出し、右足を右斜め後ろに引いてベアトリーチェの右横に躱わそうと動いた。
「ここだ。はあぁぁぁ!」
俺が躱そうとする一瞬の隙をついて、ベアトリーチェは金剛剣を左斜め上に持ち上げて俺の逃げる方向に向かって金剛剣を振り下ろしてきた。俺はすぐに姿勢を低くして右側に躱そうとしたが左肩から左手にかけて金剛剣を食らってしまう。
仕方ない。これを囮に使うか。
俺は何とか耐えようと左肩に力を入れて金剛剣をやり過ごそうとしたが、左肩に金剛剣が触れた瞬間すぐに今の俺の防御力では、防御できるものではないと悟り左側を捨てることにした。左肩から先を失ったが、無視してベアトリーチェの左下に潜り込んだ。
「くっ、だが捉えたベアトリーチェ」
俺は残った右手でベアトリーチェに向かって片手の千守千連打を体全体に向かって繰り出した。
「なにっ!?」
ベアトリーチェは防御することも攻撃することも何もできなくなり、俺の体力が切れるまで千守千連打の掌底を叩きつけ続けられた。
そして、約一時間がたち俺の体力が限界になり千守千連打が止まった。俺とベアトリーチェはお互いに地面に倒れた。ベアトリーチェは再生することもできずに息を引き取っていた。俺は千守千連打が俺の限界発動時間を超えたため、全力を出し切り大気中にある気を吸収して回復すらできず全ての機能が使えない状態になっているため倒れている。
しばらくは動けそうにないな。ベアトリーチェは完全に動かないだろう。しかし、この状況で襲われたら終わりだな。
俺は回復するまでしばらく失った左側の血を頑張って止血しながら、俺とベアトリーチェとの戦いで天井にぽっかりと空いた大穴の先の空を眺めて、戦いの余韻に浸っていた。
中々の戦いだったな。ベアトリーチェは今までで戦ったんなかで一番強かった。まさか全力を出して戦うことになるとは。楽しかったが、この地下世界のこと聞けなくなちゃったな。ベアトリーチェが多分この地下世界のラスボス的な存在だろうが倒しても何も起きないな。まぁ、楽しい戦いもできたし別にいいとするか。そろそろ、気力と体力も回復してきたか。
俺は気を回復させて、すぐに失った左側を再生さると右手小指に激痛が走った。
なんだ。
俺は右手を見てみると激痛の走った右小指は黒い変な模様が痛みを伴いながら出手来ていた。
これはベアトリーチェの呪いか。分身以外にも黒い模様が出てきているみたいだ。俺は状態異常や精神対策は訓練してきていたが、呪いに対する訓練していなかったな。どうなるかわからないからしばらく様子を見てみるか。呪いに対する訓練しておけばよかったな。今度アニェーゼにでも相談して訓練は始めるか。どうせアニェーゼなら呪いについても知っているだろう。
少し経ったが右手小指に現れた黒い模様は消えなかったが痛みは消え、特に何も起こらなかった。
大丈夫そうだな。とりあえず帰える道が天井に空いた穴しかないからそこから地上に出るか。
俺は足に気を集中させて、跳気を使いこの空間から抜け出そうとしたとき空から何かがこちらに向かって降りてきた。
二人。敵か。
俺は体に気を少し纏い戦闘態勢に入った。そして俺の目の前に二人の俺と同じくらいの赤髪の長髪の赤い服を着た少女と水色の短髪の青い服を着た少女が着地した。赤色の少女がこちらに向かって飛びつこうとしてきた。
俺を拘束して倒すつもりか。
俺はすぐにこちらに向かって飛んでくる赤髪の少女を右手でアイアンクローをする形で頭を握り地面に叩きつけながら抑えつけた。
「はぁ~、まったく、すみません主様」
俺は水色の髪の少女の行動を見ると頭を抱えていため息をつきながら俺に深くお辞儀をして誤ってきた。
なんか様子が変だな。誰かと勘違いをしているのか。目でも見えないのか。よくわからないな。
「人違いじゃない」
俺が水色の髪の毛の少女が死んでいるベアトリーチェを見てからこちらの全身を見て何かを探すようにじっくりと、頷きながら見ていた。
「いえ人違いではありません。あなたが主ですよ」
人違いではないようだな。だがなんで俺が主なんだろう。ラスボスを倒した特典か何かか。
確認したのは多分、俺が変わったところは右手小指に現れた黒い模様、これがその印みたいなものなのだろう。だが、一応もう一度聞いて確認してみるか。
「主って、僕のこと」
「はい、そうです」
「なんで?」
「そこの者を倒したからです」
「むー(いたーい)」
するとさっきから地面に押さえつけられていた赤い髪の毛の少女が苦しくなったのか、もがき暴れ始めた。
「あっ、ごめん」
俺は頭を押さえつけられていたがっていた赤い髪の少女は起き上がると俺に向かってまた飛びついてきたので、向かってくる俺は再び頭を掴んで、今度は地面に叩きつけずに、空中で頭を押さえ拘束した。
「げはっ」
じゃ、さっきからなんで俺に飛びつこうとしているんだこの子は馬鹿なのか。赤色の髪の少女は俺の手の中で俺に飛びかかろうと手足を自たば出させて暴れている。
「この子は?」
「それは私の姉です」
自分の姉をそれ呼ばわりか面白い性格をしている子だな。
「なんで突っ込んでくるの」
「主の匂いを覚えようとしているんですよ」
犬みたいな子だ。絡むのが面倒そうだ。この子はとりあえずこのまま拘束して、おとなしくさせておいてあんまり話さないで、今は水色の髪の少女と話をしようか。
「なんで?」
「あなたがここの支配者になるからですし、私たちは今生まれたばかりですからね」
この地下世界の支配者になったということは、やはりベアトリーチェはこの地下世界のラスボスだったみたいだな。かなり強かったし下手すれば俺が消されていた危ない戦いだったからな。とりあえずこの世界を支配したら何ができるんだろう。聞いてみるか。
「支配者になったら何ができるの?」
「さぁ、私たちはあなたが支配者になった事実は直感で知っていましたが生まれてきたばかりなので、何ができるかはわかりません」
何ができるのかはこの子達でもわからないのか。というより生まれてきたってどういうことだ。
「生まれてきたばかり?」
「はい」
生まれてきたばかりなのに服は着ているし、ちゃんと歩いている。それに言葉ができている。あんな高いところから落ちても全然平気とかいろいろ、おかしいところがあってよくわからないが人とは生まれ方が違うのだろう。気にしないでおこう。
はぁー、疲れそうだ。




