47/63
日記帳帰納
───夢を見る。
一番始まりの、紅の夢。
あの時はただ単に暇潰しを考えて楽しんでいただけだった。
遊んでいただけだった。
つまらない日々を凌いでいただけだった。
何もない時間を彩りたかっただけだった。
それ以外は何もなかった。
それがやがて“彼”に伝わった。
だから取り引きしただけだった。
次の藍の夢は一番辛い夢だ。
涙が溢れてしまう。
もしこんな出会い方をしていなければと考えてしまう。
もっと普通に話したかったと考えてしまう。
思いを伝えられれば良かったと考えてしまう。
こんな運命を持たなければ良かったと考えてしまう。
貴方がどうしてそんな事をしたのか考えてしまう。
それ以外の涙の理由は思いつかない。
それが自分の甘さだと気づいた。
だから今、こんなに苦しむことになってしまったんだと考えてしまう。
三つ目の夢は見たくない。
だって今度こそ私は裏切ってしまうだろうから。
“彼”との始まりの契約を忘れて裏切ってしまうだろうから。
秘めた想いが今までを裏切ってしまうだろうから。
だからそうなる前に。
──心を殺して貴方を殺す。




