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fragment17

 風の魔女アネモネは、法王庁に収監された最初の魔女だ。


 記録庫を調べたが、当時の記録は破損されていて、庭師の記憶からも、読み取れる情報は何もなかった。


 不思議な魔女だった。


 地下牢で僕が彼女に正体を明かした時の驚愕と動揺は、とても予言を行う魔女とは思えない程のものだった。


 彼女曰く、自分の未来についてだけは何も見えないらしい。


 だが、本当にそれだけなのだろうか。


 彼女は、姉上に何か強い罪悪感を抱いている。それが何かを話すのだけは固く拒み、その代わりとして僕の申し出は全て承諾した。


 これから起こる幾つかの事の予言のうち、法王庁から数名分の魔女の灰が持ち去られるという予言は、とても有益だった。


 アネモネについては、これからも色々と身体を持たない僕の役に立ってもらえそうだ。


 魔女の灰----。

 はじまりの魔女からそれぞれの魔女に分散した『力』がそこには凝縮されている。


 分散した全ての『力』を集めるためには、それぞれの『力』を持つ灰を手にしなければならない。

 そのために残された時間はあまりない。


 だけど、僕はどんな手を使っても、必ず全ての『力』を宿した灰を手に入れて、僕自身の身体を取り戻す。


 破壊の魔女として、この世界を壊す。

 

 ----必ず。

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