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驢馬

「で……電算式……魔術支援……システム……?」

 

 思わず鸚鵡返しをしてしまった私は、ずいぶんと間の抜けた顔をしていたのではないかと思う。

 だって、あまりにも繋がらない。


 電気の機械と、魔術----。


 こんな細長いコードで全く正反対の二つのモノが繋がるなんて、それこそ人間には成し得ない技ではないのか----。


 考え込んでしまった私の傍らで、少女は両手で勢いよく本を閉じた。

 もう全部頭に入ったのだろうか。


「それじゃ、どっちも下に運んでね」

 簡単に言ってくれるが、この少女の目には私が驢馬にでも見えているらしい。

「あ、これは私が持って行くから大丈夫!」


 手にした本を掲げて満面の笑みでそう宣言されると----何も言えない。


「そうだ、先に服の方がいいな……着替えないともうお昼になっちゃうもん」

「……はい」


 傾げた首が戻らない気分のまま、私は驢馬らしく従順な返事をする。


 こうして、私はひとりトランクを担いで螺旋階段を上がったり下がったりする羽目となったのだった。

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