表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/381

人ではない者

 法王庁の地下に収容されていた魔女は、その外見も、能力も、全てバラバラだった。


 だが、一つだけ共通点があった。

 それは、死なない、という事だ。


 時代や地域で差はあるものの、魔女という疑いで捕らえられた者は裁判という名の私刑に掛けられた。


『人ではない者』に対して、人は驚くほどの残忍さを発揮できる。

 その残忍さの見本市のような行為の数々は、私に聞くよりも、それこそアンソニーのような庭師にでも聞けば幾らでも列挙してくれそうだ。


 魔女裁判でよく挙げられるのが火刑だが、実はそれに至る前の拷問で多くの者が命を落としている。

 もっとも、焼けた釘を爪の間に打つ、万力で指を締め上げるといったものはともかく、逆さ吊りにして水に浸けるなどというのは、絶命を前提にしたようなものだ。

 これらの苛烈な拷問を繰り返されれば、どんなに気丈な者でも気力は尽き、体力は奪われ、そのほとんどが弁明も許されずに魔女として死んでいく。


 それでは、その拷問を耐え抜けば、魔女でないことを証明できるのだろうか?

 答えは、否だ。

 

 一通りの拷問を終え、息も絶え絶えの女を見下ろした異端審問官は、高らかに宣告するのだ。


 『人であれば絶命しているはずの拷問を耐えた者は、すなわち魔女である』と----。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ