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迷宮第三層ミパティス

 リリアは起きあがる。

 起きた部屋の机の上に、設計図が載っている。

 飛空艇ミパティスの文字が、なんとか読める。



 飛空艇のなかのようだ。

 魔法でかたち創られる迷宮は、空にもあるらしい。



 どこかに窓はないかと探してみるが、先は廊下で、そこから、光があるから、廊下にでてみようと思い、設計図を手に取り、それを持っていき、廊下にでる。



 急にまぶしくなり。



 窓をのぞいてみるが、空の上ではあるが、雲のなかなのか、それとも、朝方なのか、景色はぼんやりだ。

 廊下の先に、外にでられそうな扉もあるけど、それはきっといまは開かないだろう。

 スピーカで、声が聴こえてくる。


「ようこそ、飛空艇ミパティスに。

 さぁ、扉の先で君を待ってるよ」


 ミパティスがいう。

 廊下を歩いていくリリア。

 廊下の壁には、写真がたくさん飾られている。

 どれも、風景や空などで、妖精写真は入っていない。


 ミパティス号は、空を移動しながら、それ自体が迷宮化している不思議なのりものだ。


 廊下の先、扉をあけると、昇る階段があった。

 階段をあがり、戸を上にあけると、また、まぶしくなる。



 そのまま飛空艇の甲板にでた。


 甲板の先端、風をきりながら、背中を向けているのがミパティスだろう。

 ミパティスは、短髪背が少し高い。

 瞳はグリーンで、髪の色もエメラルドグリーン、空色の上下の作業着の姿だ。

 ポケットループには、スパナやドライバーなど、工具を提げている。

 作業着の上に黒のジャケットをはおり

 ジャケットの腕のところになにかマークがみえる。

 飛空艇にも同じマークがいくつか入っているところがあるため、ミパティス号のマークなのだろう。

 年齢が相当上だが、顔つきは若く、口にくわえている細い巻いてあるのは、健康 嗜好品(しこうひん)らしい。



 リリアは、前回のことを想い出す。

 ミパティスの試練をクリアできないと、気を失い、また寝ていた部屋に戻される。

 何度も部屋に戻され、回復アイテムで体力を回復しながらも、なかなかに悔しかった。


 今度は、一回でおわりにしたい。

 ミパティスがふりかえる。


「ミパティスきたよ」

「や、久しぶりだね。リリア、あれからどれくらいだろう」

「迷宮は時間の感覚はほとんどないから、わからないよ」

「そうだった」


 ミパティスは、妖精のなかでも背が高く、スラっとして、髪は短い。

 ブーツをはき、作業着のようでいて、けれど、オシャレな上下に、ジャケットをきているため、もし、街なかなら、どこかの貴族の出かも、と想うくらいだ。


「リリア、まずはここからの眺めでもみてくれないか」

「変わらずすごいね。いまどの辺だろう」

「いまは、海から渓谷(けいこく)に入るところで、河を越えていくと、魔法教会が観えてくるかな」

「そっかぁ。通常転移でも、ここまでは高くこないから、すごいよ」

「よし、わかった。じゃさっそくだね」

「ミパティス今回はなに?」

「スカイクラゲを三匹とスパイフィッシュを五匹だね。捕まえてきてくれないかな」

「どれも空の上にいる魔物ね」

「なに、迷宮内は魔物のエリアとも繋がっていて、そのまま放してあるから、この飛空艇を歩き回るだけで、すぐにみつかる」

「捕まえる方法は、どんなでもいいの」

「そうだね、ほとんど魔法は解放してあるけど、転送魔法による道具の転送ができないから、中にあるのをつかって」

「わかった」

「夕方になったら、休戦にするから、それまでは自由に歩きまわって」

「いいえ、それまでには終わらせるわ」


 リリアは、飛空艇内の廊下を歩きまわることにした。

 廊下の壁には、剣や刀、斧などが備えてある。


 剣を二つと、予備に刀をひとつ手にとる。


 歩くとすぐに、スパイフィッシュがまとめて現れる。



 バトルの開始。


 スパイフィッシュの攻撃。

 リリアにダメージ。

 リリア、手に剣をもち、全方位切。

 まとめてダメージ。

 再びのスパイフィッシュの攻撃。

 リリア、すばやくよける。

 リリア、転移魔法により、横にまわりこむ。

 そのまま、列衝剣(れっしょうけん)

 衝撃波が、スパイフィッシュの群れにあたる。


 まとめて、五匹を倒した。



 近くに置いてある網で、その五匹を捕まえる。


「ふう。まずはスパイフィッシュの群れ」

「次は、スカイクラゲだ」


 回復アイテムで、体力を回復させる。

 ルーレ師匠に、剣術や格闘、弓術、教わっていてよかった。


 さらに歩くと、階段がある。



 その階段ふきんで、バトルになった。


 スカイクラゲ四匹だ。

 一匹余分だけど、いいでしょう。

 リリア、剣を両手もちにする。

 スカイクラゲの攻撃。

 リリアにダメージ。

 リリア、回転二連切り。

 スカイクラゲにダメージ。

 さらに攻撃。

 リリアにダメージ。

 リリア、転移で横にまわる。

 列飛翔波(れつひしょうは)

 三匹にダメージ。

 さらに攻撃。

 リリアにダメージ。

 二連回転 飛翔波(ひしょうは)

 スカイクラゲにダメージを与えて倒す。


 バトルの終了だ。



「ハァ。これで、ノルマはいいはず」


 先ほどの場所に戻り、網を持ってきて捕まえる。

 転移を二度ほどして、網を持ったまま、

 甲板に戻ると、ミパティスが笑っていた。


「いや、早かったね」

「はい、これ」

「ああ、たしかに、ノルマはクリアしてる。一匹多いけどな」

「クラゲでしょ。多い分には、ね」


 リリアは、回復アイテムで、体力を回復させながら、会話する。

 すると、一匹はいらない、と返されてしまう。


 すると、クラゲが起きあがって、仲間になりたそうに、こっちをみていた。


 仕方ない、あとで転送して倉庫で飼うとするか。

 スカイクラゲが仲間になった。


「これで、材料は集まったな」

「え、なに食べるの……魔物?」

「食べてもうまいが、薬の材料だ」

「え」

「魔物のエリアから、逃げてきたようだが、だいぶ弱っている。MSP切れで、自身で回復できないのだろう」


 みると、ミパティスのそばには、幸せ緑羽鳥をいれた鳥かごがあった。

 少しサイズがおおきいようだ。


「たぶん魔のエリアにいった妖精に届けものをした帰りの飛行中に、魔物に攻撃されたのだろう」

「そっかぁ」


 となりをみると、スカイクラゲが、なんだか申しわけなさそうにしている。


「きみのせい、じゃないんでしょ」


 クラゲの頭をなでると、ぷにぷにしていた。


「ほら、レベルをあげたいスキルは何だろう」

「預言者レポートをお願いします」

「いまのレベルから、さらに引き上げるから、だいぶすごいスキルになるね」

「お願いします」


 ミパティスがスキルの調整をおこなうと、上空に転移陣が出現する。


「そうだ。いまなら、転送もできるだろう」


 ここで戦闘につかった剣と刀、設計図に、それにスカイクラゲをリリアの倉庫に転送した。

 あと、回復アイテムも転送して、スカイクラゲがしばらく困らないようにしよう。



 最後に、上空の陣に手をだすと、身体が浮きあがり、吸い込まれていく。


「ミパティスありがとう」

「次は第四層だね。いってらっしゃい」


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