転生女子高生、転落
公演は、成功したが、九ノ葉学園の大会の結果は三位だった。
りーあは悔しいが、順位が決まったなら、仕方ない。
公演の結果をきいたあと、本来なら帰るべきだったが、悔しさものこり、一年生で集まり、カラオケにきた。
一時間だけ歌い、解散になる。
とおやと、りーあ、それにえみとめぐみは、カラオケからでたあとも帰る気に、なかなかなれないでいた。
時刻は夜の七時半。
夜の道、自転車をおして歩いていると
とおやくんが
「何か見えたよ」
といい、自転車をとめて、ビルの七階だての階段を登っていく。
「なんだろう」
三人も上がっていく。
五階分階段をのぼったところで、とおやは階段で、何か発見する。
階段の手すりにひっかかるように、羽根がついていた。
それは、キラリと光る緑の羽根だった。
まるで、脚本にでてくる、妖精の鳥の羽根だ。
それをひろって、降りようと階段の外がわの手すりに手をかけたとき、とおやくんは右の肩にかけていた、荷物が外側に落ちそうになった。
慌てて、荷物をひっぱる。
するとその勢いのまま階段の低い手すりを越えて転落しそうになった。
りーあは転落しそうな、とおやくんに手を伸ばす。
けれどつかめたのは片手だけ。
階段の手すりの向こうにいるとおやくん。
とおやくんの荷物はそのままビルのしたまで落下して激しい音をたてた。
りーあは片手同士でつかんでいるとおやくんを放さないようにして、なんとか手すりにつかまっている。
しかし、それもほんの数秒間で片手ではささえきれなくて、手が離れそうになる。
階段の遠くで、誰かの叫びがきこえるが、きっと間に合わないだろう。
りーあは片手だった手を両手で持とうと手すりから身を乗りだした。
しかし、態勢は悪くとおやが何か言おうとした瞬間に、二人は手すりの向こうがわに引きずられてしまった。
落下していくとおやとりーあ。
その空中で、一瞬、とおやくんが何か言った。
たぶん、「ごめん」だと思う。
地面に叩きつけられた衝撃があるが、もう何もわからない。
わからない、けど、助けられなかった。
それはわかった。
(空白)
いつからだろう。
とおやくんに惹かれたのは。
きっと、学園に入り演劇部にきて、照明の機械を操作する、その横顔に、ぐっとくるものがあったのだろう。
ああ、わたし、とおやくんに恋していたのか。
もっと伝えたかった。
話していたかったよ。
みんなとも、これでお別れなのかな。
オワカレ
おわ、り、か、な
(空白)
どれ位時間が経っただろう。
辺り一面光の靄に包まれている。
周りには誰かいるのだろうか。
横になっているのか、座っているのかも
よくわからない。
けど、この景色は知っているような気がする。
なんとか光のまぶしさから、眼をしっかり開けてみる。
周りを観てみる。
霧のようにも観えるが、服や手は濡れていない。
起きて、視線を動かす。
すると、起き上がった後ろに誰かいるような、そんな気がした。
声が聴こえる。
「りーあ」
え、だれなの
「りーあ」
ねぇ、だれ
「利凛雨。
ねえ、声聴いてわからないの?」
「だれなの」
「わたしは、
結花 利凛雨」
「え、それって」
「わたしはわたし。
あなたはあなた」
ようやく姿が観えると
そこには、妖精の姿のわたしがいた。




