転生女子高生、演劇秋のたいカイ(後編)
こうして、二人は、一時間待ち、時計台木のツルにからまった、緑の翼をつけた天使のような鳥を捕まえることができた。
しかし、ミカニルとリーデルは、もうリスと第二王女に、王家の魔法による願いを叶えるコインと、魔法の靴をもらっている。
二人はこれ以上願うことはなく、鳥の鳴き声だけをレコード石に録音した。
あとは、鳥を自由にしてあげようと、からまった木のツルをほどいて、離してみる。
すると、二度三度と羽をバタバタさせた緑の鳥は、その羽を三枚ほど落としながら、空中へとまいあがり、そして、ヒュンと、上空に去ってしまった。
二人は羽根を持ち帰ることにする。
逢えた記念に、ビンに入れて、飾っておこう。
王の元に、レコード石を届けると、さっそく王の臣下たちが、レコードをコピーして、レコード石を増やしていった。
それを街中に並べておくことで、その音をきいて魔物たちは、攻撃をやめて、帰っていくらしい。
王には、たいそうほめられて、土地に建物をわけると言われた。
後日、リーデルは、魔法の靴をはいて、都会に買いものにいく。
ミカニルは、王家のコインをつかい、詩人となり、幸福なうたをとおして、ひとびとに、小さな幸せの奇跡を届けている。
持ち帰った緑の小さな羽根は、家の戸棚に飾り、出歩くときには、財布にいれて、二人は持ち歩いている。
ミカニルは、街の公園で、今日も小さくても幸福なうた、を歌っている。
ひとびとは集まり、感動して、いろいろなアイテムや食料を手渡してくれる。
リーデルは、都会に買いものにでて、必要なものを揃えて、帰ってくる。
魔法の靴のおかげで、いくら歩いても疲れない。
王に感謝されて、分けられた土地や建物は、二人はときどき様子みにいき、そこで一年に一度だけ、魔法のパーティーをひらくことにしている。あのリスや王女姉妹もきてくれる。
あの緑の羽の効果は、とてもよく効く。
研究熱心な、妹王女に調べてもらった。
緑の羽根の効果ひとつめは、
きみよいつまでも幸せであれ。
緑の羽根の効果ふたつめは、
あなたに恋して、魅力上昇。
二人は、パーティーが終わったら、明日も旅にでるだろう。
ミカニルは、幸せであれと、皆に歌い、リーデルは、恋を応援して成功に導く探検隊だ。
いつも二人には、仲間ができて、周り笑顔であふれていく。




