表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/77

転生女子高生、花火タイかい前編

 とおやくんからの花火は十九時から、というメッセージをスマホで確認する。

 これで三回めだ。

 それをみてから、寮の部屋をでる。


 午前中から午後にかけては、演劇部の練習に参加していた。

 演劇部でみゆさんと会うと、照明について話したいと言って、照明室にきてもらった。


「リリラリルム リミルレレルラ」


 と魔法の詠唱をする。

 みゆさんに転生魔法を使った。

 この前の預言者レポートが気にかかり、使おうと決めていたのだ。

 みゆさんは、驚いたようだ。


「何かの練習?」


 と聴いてくれたので、


「海外の脚本とかにも興味があるんだ。

 海外のおまじないなんだよね」


 と伝えた。

 そのあと、照明の聞きたいことについてたずねてみたりしていた。

 そのあとには、上限オーバースキルで、今日の上限は1540まで上がっている。


 これ以上は、あまり魔法は使わないと思うが、念のためとMSP回復しに寮に戻っていた。

 そして、十九時にあわせて、少し早めに寮をでる。


 管理人にあいさつをすると、


「花火楽しんでね」


 といわれた。

 レンタルの自転車にのり、待ち合わせのいつものショッピングセンターに向かう。

 もう各家では、庭にバーベキューセットをだしたり、ベランダで椅子をだして話していたりと、通常の感じとは、かなり違い、特別な街並みになっている。

 その街並みを自転車で通りすぎていく。


 途中浴衣をきた女のひととすれ違ったりすると、

 今日の格好はこれでよかったかな、と少し心配になる。



 自転車ではしると、混んでいるもののまだ停め場所がある。

 ショッピングセンターの駐輪場所に停める。

 カギをかけてポケットにしまう。



 今日の格好を改めてみる。


 少し短い丈の白い色のワンピースだ。

 歩くのは夕方だが、帽子もかぶってきた。

 まずはショッピングセンターで休憩しようと、食品売り場で飲みものを二つ買った。

 一つはいま飲む用のやつだ。


 ひとがたくさんいるため、座るところはあきらめ、

 ホールとなっている一角(いっかく)で、飲みものを飲む。

 ゴミ箱に捨ててから、お手洗いによる。

 そのあと、待ち合わせのゲームセンター前まで移動する。

 時間は十八時半だ。


 くみさんが、ゲームセンター前で、手をふって待ってくれていた。

 くみさんは、ショートパンツにTシャツで、上着をきている。

 メガネをかけているのはいつも通りだ。


「お待たせ」

「こんにちはー」

「とおやくんとななちは、ゲームセンターで遊んでるみたい」

「そうなんだ」

「あ、戻ってきたよ」


 とおやくんとななちが近づいてきた。

 手にはキャラクターの小さなぬいぐるみを二つ持っていた。


「こんにちはー。ひと多いね」

「そうだね」

「はい、これあげる」

「え、いいの?」

「いまななちと、とったやつ」

「ありがとー!」


 さっそく持っているカバンにつけた。

 くみさんももらって、嬉しそうだ。


「じゃ、いこうか。

 花火十九時からだから、早めにいこう」

「わかった」

「飲みものどうする? わたしは買ってきたよ」

「そっかぁ。

 歩きながら探そう。外でもあるかも」

「わかった」


 四人して、エスカレーターで1階まで、おりて、ショッピングセンターをでる。

 出てすぐに、飲みものの屋台があって、そこで三人分飲みものを買う。


 ショッピングバックにいれながら、

 歩いて、花火があがる近くまでいくことにする。

 もう混雑していて、前を歩いていくひとたちを多少追い抜きながら歩いていく。


「とおやくん、足早いね」

「早めに向こう岸いって、屋台で何か買おうよ」

「わかった」


 花火のあがるのは橋を渡って少し河川敷(かせんじき)を歩いた先の会場だ。

 橋のふきんにさしかかり、屋台が多くなってきた。

 この辺りからは、もう歩行者天国になっている。

 とおやくんとななちが飲みものを持ち、どんどん歩いていく。


 くみさんとわたしは、少しおくれ気味だ。

 慣れない靴を履いてきたせいか、少し足が痛い。

 靴は昨日買ってきたばかりだから、履き慣れていない。


 屋台の列をながめながら、ひとごみのなかを歩いていく。


 予告花火がひとつ上がった。


 パーンと川の上空ふきんでひとつひらくと、皆が驚いたように、そちらをみて、花火が始まることにワクワクしている。

 ようやく橋を渡り終わると、


「何にする?」


 と聴かれて


「お好み焼きとチョコバナナかなぁ。

 たこ焼きも買おうよ」

「お面売ってたね」


 みんなで話し始める。

 まずお好み焼きに並び、次にはたこ焼きに並ぶ。

 その間にななちはお面を二つ買ってきて、

 とおやくんとななちはお面を横顔につけた。


 チョコバナナを買って、四人して持っている袋がたくさんになったところで、花火が上がる。

 ひとつ、二つ。


「うわー。すごーい!」


 わたしとくみさんは思わず上がる空をみている。

 またひとつ上がった。

 立ち止まっていると、とおやくんが、


「もう少し先に公園あるから、そこで見よう」


 といって歩きだす。


 四人して、はぐれないように、ひとごみを歩き、十五分くらいいくと、小さな公園があった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ