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転生女子高生、夏マツり後編

 りーあは自転車ではしり、十七時にお祭りの会場になる小さめな会館についた。

 この広場を使ってお祭りは、カラオケ、それにビンゴ大会がおこなわれるようだ。

 自転車を駐輪場所にとめて、ぐるりと見回してみると、

 とおやくんとくみさんの姿がみえた。


「こんにちは」

「こんにちはー」

「ななちは?」


 ときくと、

 ななちも自転車でつくところで、駐輪場所にいた。


「みんな揃ったね」


 とおやくんのところに近づくと


「なかなか可愛いね」

「そう? ありがとー」

「くみさんも可愛い格好してる」


 くみさんは、ジーパンに少しフリルつきの短め丈のシャツ、それにパーカーを着て、眼鏡をしていた。

 パーカーの頭にはネコミミがついているやつだ。

 ななちが近づくと、さっそくネコミミのフードで遊んでいる。


「ななち、さわらないの」

「いいじゃん、可愛いし」

「そう? でも、いたずらしない」


 どうやら、ななちはパーカーが気にいったようだ。

 とおやくんとななちは似たような格好で、

 ジーパンにTシャツそれに長袖を着ている。



 とりあえず飲みものを買うことになり、会場に並んでいる屋台から、飲みものが売っているところを探す。

 サイダーやコーラ、冷えている紅茶、コーヒーなどあり、一つ百円で売っている。

 サイダー二つにコーラ二つを買う。

 それぞれに、渡す。

 りーあは、サイダーにした。

 そのあと、ぎっしりと並んでいるほかの屋台をみていくと、

 たこ焼きとお好み焼きにチョコバナナもある。

 とりあえずたこ焼きを二つ買った。


「持つよ」

「あ、じゃ、お願いね」


 たこ焼きをとおやくんに渡す。

 ななちはチョコバナナを二つ買ったようだ。

 ほかのはまたあとにしよう。

 移動して、会館の側にいくと、窓や扉は開け放してあり、椅子も並んでいるため、座れる場所を探して、四人して座る。


 とりあえず


「飲みものでかんぱーい」


 くみさんがそう言ってかんぱいした。

 会館の中心では、遠縁(とおえ)節がながされて、設置された舞台で踊っているひとがたくさんいる。


 とおやくんとななち、それにくみさんは、中学のときにきたこともあるため慣れているらしく、創作で踊ったこともあるらしい。


 りーあは、妖精から転生しているため、はじめてだ。

 かつて、妖精界でもパーティーはあったが、

 魔法で飾られた会場に、妖精ダンスがかわされていて、この会場とはだいぶ違う。


「会場で創作踊りがあって、

 そのあと中学生から高校生のダンスがあるよ」

「そのあと、カラオケになって、

 最後はビンゴ大会なんだよね」

「そうなんだ」

「あ、ビンゴカードもらわないとね」


 飲みものを飲んでいたくみさんが、ななちを連れていって、ビンゴカードを配っている係員に話しかけている。

 すぐに戻ってくると


「はい。カードね」

「ありがとー」


 人数分とってきてくれた。


「ビンゴは最後のほうだから、

 あとは、創作ダンスとか、カラオケみていよう」

「わかった。

 それにしてもにぎやか」

「いつもこんな感じなの?」

「そうだよ」


 とおやくんが話してくれる。


「遠縁節踊って、創作ダンスになると、けっこう楽しいよ」

「そうなんだ」


 さっき買ってきた、たこ焼きをあけていると、

 ななちとくみさんはチョコバナナを食べるようだ。


「チョコバナナもおいしそう」

「そうだよー。おいしいよ。食べる?」

「ありがとー」


 くみさんから一口もらった。

 飲みもののサイダーをまた飲む。


「あ、ほら、創作ダンスになるよ」


 中学生くらいの子たちと高校生くらいまでのひとたちがでてきて、曲も変わる。

 チームプレーでわかれているらしく、次のチームが待っているのが、舞台の横でわかる。

 けっこううまい。


「みんなすごいね。うまい」

「ななちもけっこう踊りできるよ」

「そうなんだ」

「少しストリート系なのと、あとはポップスかな」

「おお。すごい。とおやくんはイマイチだよね」

「そうだよ。ダンスは苦手かなぁ。歌うのは好きだけどね」


 拍手がおこり、創作ダンスチームが次のチームになる。

 会場の周りもどんどんにぎやかになる。

 たこ焼きを食べ終えて、飲みものを飲むと、もう空になってしまう。


「ゴミ捨ててくるね」


 とおやくんがみんなのゴミを集めて、会場に設置されているくずかごに捨てにいって、戻ってくる。


「また飲みもの買ってこようか」

「そうだね」


 屋台が並んでいるところに四人して移動してみると、風船ヨーヨーやお面なども売っていた。

 ななちが風船ヨーヨーいいね、といって、四つ買ってくれた。


「ありがとー」


 くみさんと二つずつ持って遊ぶ。


「飲みものなにがいい?」

「今度は冷たい紅茶にしようかな」


 とおやくんが飲みもの屋台で、

 コーラ二つと紅茶二つを買ってくる。


「はい、百円ね」


 紅茶を受け取る。

 チョコバナナもおいしかったため、

 チョコバナナの屋台にも並んで、二つ買う。


「ななちとくみさんは?」


 きくと、飲みものだけという答えがかえってきた。


 買ったあと、また会館の入り口ふきんにいくと、先ほどのところにはほかのひとが座っていたため、

 会館の階段ふきんまで歩いていくと、


「なかどうぞー。あいてますよ」


 と委員のかたに声をかけられる。


 そのままなかに入ると、

 会館の上がった部分が畳部屋になっていて、テーブルがたくさんだ。

 扉はあいていて、外がわにもかけられる。

 外がわの席に座り、四人並ぶ。

 創作ダンスは別のチームになり、また拍手がおこる。


「あ、あのダンスチーム有名だよ。

 この前大会でもみた」


 ななちが教えてくれる。

 しばらく、チョコバナナを食べて、ダンスにみいる。

 チョコバナナは食べ終わって、拍手をする。

 飲みものを飲み、しばらく、その場でたたずんでいる。


「りーあさんは、あまりお祭りとか来ないの?」


 くみさんが聞いてくる。


「そうだね。いったことはあるけど、あまり参加したことはないかなぁ」

「そうなんだ。

 みんなはけっこう参加してるの?」

「そうだね、創作ダンスに参加してみたり、

 遠縁節で踊ってみたりしたかなぁ」

「そうなんだね。

「でも、大抵は高校生に、なるとやめちゃって、

 創作ダンスチームに入ってるひとが、するくらいなんだよ」

「そっかぁ」

「ねえ、りーあさんは、演劇部楽しめてる?」

「そうだね、けっこういいよ。照明も楽しいし」

「そっかぁ。テニス部、練習けっこう大変。

 シングルででるけど、大会まで頑張らないと」

「そっかぁ」

「走ったり筋トレしたり、肌焼けてくるし」

「ホントー。そうなんだ。文芸部もしてるんだよね?」

「そう週に二回かな。参加してるよ」

「どういう感じなのかなぁ」


 とおやくんも興味ありげにきいている。


「好きなもの創ってる感じだよ。

 脚本かいたり、本の感想かいたり、小説進めてるひともいるし」

「そうなんだ」

「テニス部が休みのときとか、あとは夏休み期間使ってって感じだけど、運動部も大会近いから、両方は大変だぁ」

「そっかぁ」


 ななちが拍手している。

 有名なチームのダンスが終わったらしい。


「次はカラオケだね。ななちは出ないの?」

「メンバーに空きがあったらでようかなぁ」

「でもだいたいは、事前予約でうまってるんだよね」

「そっかぁ」

「一応きいてくるよ」


 ななちが走っていってしまう。

 飲みものを飲んで、のんびりしていると、少し眠たくなってきた。

 夜風も心地いい。


「ごめん、少し寝ころんでいていい?」

「いいよ」


 くみさんが、親切に場所を少しあけてくれる。


 昼間から、歩き疲れたのだろうか。

 ほどよい眠りがきて、とおやくんの話し声がきこえるなか、少しずつ意識がとおのく。

 ななちが戻ってきて、何かを話しているなか、眠ってしまった。




 短い間ではあるが、夢をみる。

 妖精の花を積んでいるところだ。

 もうひとりの妖精が、花咲く丘で絵をかいている。

 たしか、あの絵は、どこかに飾ってあった気がする。

 鑑定屋と呼ばれるお店で、壁に飾ってあった絵が、その花咲く丘で描いた絵ではなかったかな。



 りーあは、気づいてみると、三人が拍手をしている場面だった。


「ごめん、寝てたみたい」

「おはよー」

「いまは?」


 聴いてみると、演歌歌手の歌が終わったところらしい。


「けっこう地元では有名なんだよ」

「そうなんだ。

 どれくらい寝てたかなぁ? なんか夢みてたよ」

「一時間くらいかなぁ」

「もう少しすると、カラオケ終わって、ビンゴ大会になるよ」

「そっかぁ。飲みもの片付けてくれたありがとー」

「いいよ」


 くみさんが改めて隣に座る。

 夢をみてたせいか。

 少しボーッとしながら、話す。


「昼間、演劇部のみゆさんと話したよ」

「そうなんだ」

「なんか、みゆさんは不安定みたい。

 こうゆらいでいて、話していると心配になる」


 とおやくんが話す。


「みゆさんってそうかも。

 なんかプライベートうまくいかないみたいで、

 演劇部にいるときは、明るいけど、教室とかみると、あまり話さないみたいだし」

「そうなんだ」

「なんか力になれないかな」

「 わかった。今度もう少しきいてみるよ」

「ありがとう」


 話している間にカラオケ大会が終わり、


「次はビンゴ大会になります」


 マイクでアナウンスされている。


 そのまま会館のところで、座りながら、ビンゴカードをみつめていると、だんだんと会場にひとが集まりだす。

 けっこうな人混みだ。


「いつもこうだよ」


 とななちが教えてくれる。


 ビンゴカードは、とおやくん、くみさんと先に商品をとりにいき、ななちとりーあは、うしろのビンゴ当たりのほうで、ポケットティッシュと飲みもの引き換え券が当たった。


「とおやくんのそれは?」

「折り畳み自転車の引き換えみたい。

 終わったら、渡してくれるみたい」

「そうなんだ。いいの当たったね」


 くみさんは、サラダ油と飲みものセットで、重そうだ。 


「自転車のところに置いてくるね」

「わかった」

「飲みもの引き換え行ってこよう」


 ななちと一緒にいき、屋台で飲みものと交換した。

 とおやくんのいる会館に戻って、その場で飲みだす。

 くみさんが戻ってきたため、

 ななちが持っていた飲みものをくみさんに渡している。


「ななちはいいの?」

「お好み焼きのほうがいいから、買ってくるよ」

「じゃ、四つお願いね」

「四つだね。わかった」


 帰ってからの晩ごはんはお好み焼きになりそうだ。

 少し待っていると、ビンゴの引き換えのひとのなかから、ななちが戻ってきた。

 二百円渡して、お好み焼きをもらった。

 そして、まだ引き換えが残っているひとの間をとおやくんも並ぶ。


「ななちは陸上部楽しい?」

「楽しいよ。体力つくりにもなるし」

「今度大会あるから、楽しみ」

「そっかぁ。頑張ってるんだ。

 くみさんも頑張ってるでしょー」

「テニス部もいいなぁ」

「演劇部も照明楽しいよ」

「そういえば、演劇も秋に大会あるよ」

「そうなんだ。観にいきたいなぁ」

「今度、日付のこととか聴いてみるよ」

「演劇部は、夏休み中も稽古あるんでしょ?」

「そう今日は休みだけど、また部活あるよ」

「役はつかないの?」

「練習では、エチュードとかでてるけど、まだ役はやらないかなぁ」


 妖精心に、でてみたい気もしてはいる。

 とおやくんが戻ってきた。


「折り畳み自転車だよ」

「ピカピカだね。いいね」

「これ押して帰らないと」

「そっかぁ。自転車二台かぁ」


 すると、ななちが


「じゃあ一緒に押してくから、帰り一緒な」


 と、話している。

 帰りは、くみさんと帰ることになりそうだ。

 自転車のところに四人あつまる。

 まだひとが多い。


「じゃ、わたしはくみさんと帰るね」

「そうだね」


 荷物おきのところに、荷物をまとめて


「楽しかったね」

「じゃ、また演劇部で」

「わかった」

「ななちもありがとう。じゃ」


 こうして、とおやくんとななちとはわかれた。

 ななちがくれた、水風船をぶらつかせながら、くみさんと自転車で途中まで一緒に帰る。


「楽しかったね」

「そうだね」

「次は、夏の花火大会だからね」

「また楽しみ」

「もしかしたら、花火もあまりみたことないの?」

「そうかも。あまり覚えてないや 」


 妖精の記憶を思い出してみるも、あまり花火らしい記憶はない。


「そっかぁ。

 浴衣とかどうする?」

「えーどうしよ」

「着ていけばとおやくんが喜ぶよ」

「そうかなぁ」

「でも、歩くこと考えると、今日みたいな格好がいいなぁ」

「たしかに、その服似合ってるね」

「ありがとー。

 くみさんも可愛いよ」

「そう、ありがと」

「じゃ、この辺で」


 信号がある、曲がり角で、くみさんがいう。


「わかった。今日はありがとう」

「花火大会楽しみだね」

「くみさんも服装一緒に考えてね」

「わかった。じゃ」



 水風船をぶらつかせながら、くみさんが帰っていく。

 寮につき、今管理人にお祭りにいったことと、お好み焼きがあることを伝えると、


「良かったね。おやすみね」


 と言ってくれた。

 寮の部屋で、顔を洗い、一息ついてから、お好み焼き晩ごはんを食べる。



 お祭りは、とてもにぎやかだった。花火大会はさらににぎやかだろう。


 妖精のときのことを思い出そうとするも、いつの間にか眠たくなり、早めに支度をすませて、寝ることにした。


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