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檜山志堂の黙示録  作者: 山犬
文化祭編
10/11

第10話 志堂は麻縄、ろうそく、AVを文化祭で使うと述べるも、早百合にぶっ飛ばされる。

この学校には女神が居るといわれている

曰く男子は皆恋の病に落ち、

女子は尊敬やあこがれを抱くという。


しかし檜山 志堂は言うのだった。

女神なんてろくなもんじゃない。

特に文化祭の時など

ろくなもんじゃなかった、と。



文化文化文化。

散切り頭を叩いてみれば

文明開化の音がする。


「いや志堂〜。

 文明開化と文化祭は全然違うぜ。」


「いやそうなのか?」


文化祭と文明開化の違いが

分からない男。檜山 志堂に対し

鹿島 楼は呆れながら言うのだった。

普段は常識人と名高い志堂に

親友たちからも心配の声が上がる。


「ふん。どうした志堂。

 家事疲れか?」


「ちょっとひーやん。

 急にボケかまさないでよ〜。

 みんなツッコミなんて慣れて

 ないんだから。」


「いやまぁ……お前らに

 言われたくないんだけどな。」


ファニーフェイスの狂人、

朝比奈 優は麻縄を片手に。

野球部の次期キャプテン候補

荒木 浩二は、ろうそくを

自分の手にかけながら聞いてきた。


いつものメンバーが

年中頭が春仕様なのは

志堂も理解していたが、

流石に今回ばかりは一級建築士の

試験よりも難解だった。


「まず優はなんで

 麻縄なんか持ってるんだ?」


「何言ってるの。

 文化祭のためだよ。」


「次に浩二。

 お前はなんでろうそくを

 自分の手にかけてるんだ?」


「文化祭のためだろう?」


「おいおいお前ら。

 文化祭を何だと思ってんだ?」


「そういうお前はなんで

 AVを持ってるんだ?」


「文化祭だからだぜ!」


「文化祭舐めんな!!!」


一体どこの

ハプニングバーのイベントだ。


文化祭という単語と

全く引っかからないサジェストに

困惑する志堂は、

一旦それぞれの理由を聞いてみるのだった。


「まず優、なんで麻縄なんだ?」


「文化祭の舞台でコピバンやろうと

 思ってるんだけど

 結構ハード目な曲やるつもりなんだ。

 その雰囲気作りに

 バンドメンバーのメス豚の1人を

 麻縄で縛ろうかと。」


「メス豚言ったぞコイツ。」


「縛られた側は忘れられない

 黒歴史になりそうだぜ。」


きっと亀甲縛り姿のライブパフォーマンスを

拝聴する父兄並びに先生方各所は

卒倒することだろう。

志堂はそっと麻縄を没収した。


「次に浩二、ろうそくは何に使うんだ?」


「例年野球部は対抗試合を行っているんだが

 今年は対抗試合が中止になってな。

 そこで我が校の野球部の根性を

 皆様に見ていただこうと。」


「ろうそくの熱さに耐える

 出し物をしようと。」


「いやそんな不良の根性焼きじゃ

 ないんだから〜。

 どうせなら浣腸とかにしない?」


「高野連からクレームが

 入りそうだぜ。」


恐らく野球というスポーツは

日本で最も健全で神聖視されている

ものと言えるだろう。

どうしてウチの野球部の次期キャプテン候補は

ここまで不健全なのだろうか。

志堂は呆れながらろうそくを没収した。


「で、最後に楼よ。

 なんでお前はAVを持ってるんだ?」


「視聴覚室で男子限定、

 秘密の上映会をやろうかと。」


「お前が一番ダイレクトに

 ヤバイんだが。」


没収。

ろうそくに麻縄にエッチなビデオ。

変態の三種の神器がここに出揃う。

これを見て誰が文化祭に使用すると

思うのだろうか。

アブナイAV監督の私物にしか思えない。


「そういえば志堂〜。

 お前はなんかやる予定あんのか?」


「なにが?」


「なにって、文化祭だよ、文化祭!」


「あぁーー。」


そう言われると志堂は困ってしまった。

文化祭というイベントそのものに対し

減塩食の塩分程の興味もない志堂。

その上昨年の記憶と言えば、

学校の生徒や地域の方々が

出してくれた屋台の食い物の不味さや、

割高な値段設定へ辟易してしまい

早々に教室に引きこもってしまったのだ。


「まぁどうだろうな。

 2年からはクラス展示があるし、

 その手伝いをしながら

 休憩時間は校内ブラブラと過ごす。」


クラス展示。志堂がその言葉を

口にした瞬間他の3人がピリついた。

顔にはおいおいマジでか。という文字が書かれている。

一体なんだこの焦りようは。

志堂が疑問に思っていると、

パタパタと近づいてくる者が居た。


「うぉ〜〜〜い檜山ちゃ〜ん。

 楼ちゃ〜〜〜ん。優ちゃ〜〜〜ん。

 浩二ちゃ〜〜〜ん。」


「竹千代。いつから俺達は

 ちゃん付けで呼ばれるようになったんだ?」


離れ目に姫カット、その上この意味不明に

テンションの高い声と言えば2-Bに1人しか居ない。

クラスの中心人物の1人。竹千代 円華。

円華は一枚の紙を持ってお登場のご様子である。


「悪い志堂。俺は離脱するぜ!!」


「急用を思い出した。」


「僕も」


急げ。まだ間に合う!

そんな勢いで志堂以外の面子が急に立ち上がった。

しかし円華は冷静である。


「早百合、GO!!」


「任せて。」


「な、なにぃ!?」


この先通るべからず。

かの武蔵坊弁慶のように仁王立ちをするのは

円華の親友。学校一の才色兼備、狭間 早百合だった。

息のあったコンビネーションを前に、3人は脱出を諦め

膝から崩れ落ちた。

一体何を見せられているのだ。

志堂は3人を不審がると、円華の持ってきた紙を覗くのだった。


2-B 男女逆転!? ドキドキ♥TC男装女装喫茶!【男子用】

   ↓男子は以下の衣装から当日着る服を選ぶこと

・メイド服 (黒ニーソにて絶対領域重視のこと)

・ナース服 (純白ものしか認めません)

・スクール水着とランドセル(○学生になりきろう)

・貝殻ビキニ(これで客引きしてもらいます)


「……。」


志堂はそっと紙を裏にして置くと

円華がすかさず表に返した。

その目は、「早く選んで♥」と申しており

全力の笑顔であった。

どうやら正気のご様子であり、

その上でご乱心のお考えでいらっしゃった。


「いやいやいやいやいやいやいやいや。」


「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄。」


まるでスタ○ド使いの頂上決戦のような

攻防が志堂の机上で始まった。

目の前の不埒な紙が二人の手によって表に裏に踊る。

めくり、めくられ、時にフェイント。

応酬に次ぐ応酬。引かぬ両者。

いつの間にか教室中の人間がその決戦を見守る。


なんだ、この状況。いったい自分は何と戦っているのだ。

目の前の死闘に思わず自問自答をする志堂。

そして幕は思わぬ形で閉じることになるのだった。


「ここだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」


「何がだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」


白熱しすぎた二人に音を上げたのは、人間ではなく

戦場、つまり志堂の机だった。

ガッシャーン。あまりに激しい応酬の最中、

円華の身体が机にクラッシュ。

横転こそしなかったものの、中身が床に散らばってしまう。


!!!!!!!!!!「」!!!!!!!!!!!!!

デデン→麻縄

デデン→ろうそく

デデンエッチなビデオ


あれだけあっつあつに温まっていた教室の空気が

冷え込むのを志堂はひしひしと感じる。

そっと目の前の円華の顔を見ると、

死ぬほど瞬きをしていた。


なぜ自分はあの3人が持ってきた

ろくでもない代物を一度に回収してしまったのだろう。


そんな後悔よりも先に飛んできたのは早百合だった。


「ーー檜山くん?」


「いや、違うんだよ狭間。

 これは、そう。文化祭で使おうと思ってて……。」


「一体何に!?」


その時の速すぎるハイキックについて

後に志堂はこう述懐するのだった。

『自動車にぶつかったかと思った。』と。




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