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第10話 隣の国

「だが、隣の国には今は行けない。今は鎖国状態で、行き来できるのは王族と勇者くらいだ」

スケさんはがっかりした。

がっかりした空気のスケさんを見てると、普段お世話になってるが故にどうにかしてあげたくなってきた……。

「例えば勇者が居れば、そのパーティーは隣国に入国できるの?」

私は聞いてみただけだ……。

魔王はうなずいた。

「できるだろう。ただ国の認めた勇者に限る。今からなるつもりか?」

魔王は私が勇者になろうと思ってると考えたらしい。

私は首を振った。

女だから剣聖を名乗れたとしても、勇者にはなれないだろう。

「兄が勇者なの。無理だと思うけど、頼んでみたい」

魔王は驚いた。

そういえば、家の話などしたことが無かった。

しかも完全に敵対勢力だった。

「騙してたわけじゃなく、言いそびれていたけど、私ロッシーニ伯爵家の人間なの。」

魔王は複雑な顔をした。

そして、魔王は強い口調で言った。

「もうそろそろ良いだろう? 良い機会だ家に帰れ!」

私は突然怒鳴られた事にびっくとした。

訓練で怒鳴られる事はあったが、普通の会話でこんな風に拒絶されたことは無かった。

スケさんがオロオロしている。

私はきっと帰るべきなのだ。

「スケさん最後に王冠をあげてもいい?」

スケさんはいつもの様に跪いた。

私は気合いを入れて、王冠を持ち上げた。

パァッと明るくなっても私は目をつぶらずにスケさんを見続けた。

いつもうつむいたままだったスケさんは、今日は顔をあげて、『無理はしないで』と言ったのだ。

その瞬間には私の手はぐいっと引っ張られて王冠はいつもの位置に戻っていた。

スケさんの諦めきった綺麗な顔が目に焼き付いた。

「私、スケさんを人間に戻してあげたい! だから、家に帰るわ。」

私は魔王をみた。

魔王は眉間に皺を寄せた不機嫌な顔だ。

「すでにスケサンを忘れる選択はないだろう……名を返して帰れ。」

魔王はスケさんに『ユリウス』と名付けた。

「二度と前の名前は呼ばないように」

私は頷いた。

「ユリウス今までありがとう。色々無理を言ってごめんね」

私はそっとユリウスを抱きしめた。

次に魔王もそっとハグする。

嫌がるかと思ったけど好きにさせてくれるらしい。

「魔王も今までありがとう。ハインツ伯爵令嬢だって最初に言わなくてごめん。家に帰ってくる。もし、ユリウスを人間に戻せたら私魔王城に永久就職しにくるわ」

「馬鹿な事を言うな、貴族令嬢のくせに……ユリウスの事も忘れていい。ユリウスもそう言っている」

魔王は眉間に皺を寄せたまま言った。

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